細胞分裂動態ユニット

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細胞分裂は1つの母細胞から2つの娘細胞を生み出す過程であり、すべての生物に共通した基本的な仕組みです。真核生物の体細胞分裂においては、微小管から構成される2極性の「紡錘体」が構成され、染色体を娘細胞へと分配します。紡錘体の2極性構造は、染色体を均等に娘細胞に分配するために必要であり、ゲノム情報の維持に欠かせません。また紡錘体の配置や向きは、細胞内外の極性因子の分配様式や、娘細胞のサイズ・配置を決めるため、紡錘体配置の制御は、発生過程における娘細胞の運命制御や、組織形成にも極めて重要となります。

細胞分裂動態ユニットでは、脊椎動物の体細胞分裂時における、「2極性の紡錘体構造の形成の仕組み」と「その細胞内配置機構」、および「両者の協調性」について、先端の細胞生物学的技術を用いて研究をしています。特に、これまでの研究室独自の成果に基づき、力を生み出す分子複合体が、如何に細胞内外のシグナルによって制御され、紡錘体形成とその配置制御を行い、細胞分裂の対称性・非対称性を制御するのかに興味を持って研究を進めています。