OISTと慶應義塾大学、東京でバイオメディカル・イノベーション分野の連携を強化

2026年6月15日、東京にある慶應義塾大学 信濃町リサーチ&インキュベーションセンター(CRIK信濃町)は、研究者や起業家が集い、新たな連携が生まれる活気に満ちた場となりました。交流イベント「OIST-KEIO Biomedical Innovation Exchange Day」には、100人を超える臨床医、研究者、スタートアップの創業者、ベンチャーキャピタリスト、製薬企業の代表者が一堂に会しました。共通の目標は、基礎研究から臨床応用、さらには医療技術の社会実装までをつなぐことでした。

OIST-KEIO biomedical innovation exchange day 2026 featured

本イベントは、2022年8月に「科学・学術協力に関する基本協定」を締結したOISTと慶應義塾大学の連携深化における重要な節目となります。また、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の下で進められてきた両機関の協力を象徴する取り組みでもあり、継続的に進めてきた議論や構想を、研究者、臨床医、起業家、投資家、産業界のパートナーがつながる実践的な場として形にしたものです。OISTが近年急速に発展させてきたディープテック・スタートアップのエコシステムと、慶應義塾大学が長年培ってきた臨床研究における卓越性を組み合わせることで、両機関は日本のライフサイエンス分野におけるイノベーション創出につながる新たなパイプラインを構築しています。 

東京と沖縄をつなぐ:全国的なエコシステム 

この日のハイライトの一つは、両大学のリーダー陣による戦略的対話であり、機関間の連携がどのように社会的インパクトを生み出すことができるかに焦点が当てられました。「OISTと慶應義塾大学は、ここ数年、学際的な共同研究、教育、技術移転に積極的に取り組んできました」と、OIST Innovationを率いるギル・グラノットマイヤー首席副学長(イノベーション及びアウトリーチ担当)は述べました。「本イベントは、その自然な次のステップ、すなわち、両機関の間で培われてきた学術的な信頼関係を、具体的な事業化や臨床応用へと結びつける取り組みです」。この議論に加わった慶應義塾大学の斎木敏治イノベーション推進本部統括本部長 常任理事(研究、起業家教育・支援担当)は、このパートナーシップがもたらす地理的な相乗効果を強調しました。両大学のリーダーたちは、OISTと慶應義塾大学が沖縄と東京を結ぶ重要なハブとして機能し、世界で存在感を発揮できるシームレスな全国規模のイノベーション・エコシステムを構築するというビジョンを提示しました。 

研究室から市場へ:新たな連携を生むネットワーキング 

当日のプログラムは、新たな連携や協業がその場で生まれるよう工夫されていました。参加者たちは「3分間のピッチ」に参加し、起業家や科学者たちが、神経疾患の新規治療標的から最先端のAIを活用した手術技術に至るまで、初期段階の研究成果や事業アイデアを紹介しました。また、ベンチャーキャピタルや産業界のリーダーが発明者と直接対話し、資金調達、ライセンス供与、共同開発について議論する、「1対1の個別マッチングセッション」も行われました。さらに、両機関の研究者や臨床医が、神経科学、心血管疾患、がん、老化に関する進行中のプロジェクトを紹介し、意見交換を行う「ポスターセッション」も開催されました。 

ネットワークの力 

OISTのエコシステムを通じて育成された国際的なスタートアップにとって、この交流会は、東京の臨床研究コミュニティーと直接つながるための極めて貴重な機会となりました。 

CancerFree Biotech(キャンサーフリー・バイオテック)のCEOであり、OISTイノベーションアクセラレータープログラムの卒業生でもあるポー・ハン・チェン氏は、参加者としての経験を次のように語りました。「OISTのネットワークの一員であることは素晴らしいことです。このネットワークがなければ、このイベントの存在を知ることも、私のビジネスに関連するこれほど多くの人々とつながることもできなかったでしょう。今日、会場で唯一の台湾人起業家として、こうしたエコシステムを結びつけるこの機会に心から感謝しています。」 

イベントの締めくくりとして、参加者たちの間には一つの共通認識が生まれました。OISTと慶應義塾大学のパートナーシップは、単なる学術協定にとどまらず、日本におけるバイオメディカル・イノベーションの未来を切り拓く、地域を越えたイノベーション創出の推進力となっている──。参加者たちは、そのことを改めて実感しました。両機関は、今後の共同ワークショップの開催、スタートアップ支援の拡充、継続的な共同研究、そしてJ-PEAKSの下での協力を通じて、この機運をさらに高め、優れた研究成果を社会実装につなげる取り組みを一層加速していきます。 

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