マイクロ波量子技術
OISTの研究者たちは、宝石の結晶構造内に存在する欠陥を利用して、極めて微弱なマイクロ波信号を増幅する超低雑音増幅器の開発に取り組んでいる。この新しい増幅器は、超高感度の磁気共鳴分光への応用にとどまらず、極低温マイクロ波量子技術の分野に革新をもたらし、スケーラブルな量子コンピューティングハードウェアの実現につながる可能性がある。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
マイクロ波量子技術
OISTの研究者たちは、宝石の結晶構造内に存在する欠陥を利用して、極めて微弱なマイクロ波信号を増幅する超低雑音増幅器の開発に取り組んでいる。この新しい増幅器は、超高感度の磁気共鳴分光への応用にとどまらず、極低温マイクロ波量子技術の分野に革新をもたらし、スケーラブルな量子コンピューティングハードウェアの実現につながる可能性がある。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
サイバネティクスと人間
OISTとSony CSLの研究者らは、ロボットと人間の協調関係に関する研究を、同期したダンス動作を通じて表現している。人とロボットがどのように知覚し、思考し、動作を共有するのかを探究することで、「自己」の感覚や、現代の人間性を形作りつつある人間とコンピュータの関係について理解を深めることを目指している。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
ステンレススティールの積層造形
3Dプリントされたステンレス鋼製サポート構造の拡大画像。サポート構造は、造形中の物体を支えるための仮設構造となっている。酸化による模様や未溶融の金属粒子が、独特で精緻な景観を生み出し、3Dプリンティングの美しさと複雑さを際立たせている。
Photo: Michael Grunwald
ヒドロ虫
研究者は、海産無脊椎動物に関連する真核微生物の多様性を調査するために、このヒドロ虫を採集した。DNAの抽出と解析により、ヒドロ虫とその微生物群集が同定された。枝の一つに見られる黒・赤・白のウミウシ(Pleurolidia)は、これらのヒドロ虫を選択的に捕食する。枝先に見られるオレンジ色の「果実」のような構造は、生殖に特化した構造であるゴノフォア(生殖体)である。
Photo: Vera Emelianenko
老化ヒト細胞の内部構造
細胞老化したヒト細胞。細胞老化は、ストレス、損傷、加齢に関わる。この細胞は、老化細胞に細胞死を起こさせる化合物で処理されている。共焦点顕微鏡で観察すると、赤色で示されたミトコンドリアと青色で示された肥大化した小胞(膜に囲まれた区画)が、中央の細胞核を取り囲んでいる様子が認められる。
Photo: Kamila Kozik
沖縄に生息する蝶と蛾
沖縄に生息する蝶と蛾の見事なコレクション。本標本群は、OIST内外で実施される環境研究のために保存され、活用されている。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
アザミサンゴ属の内なる蛍光世界
サンゴは紫外線下で観察すると、さらに鮮やかな色彩を示すことがある。沖縄近海で採集された造礁性サンゴの一種アザミサンゴ属(Galaxea)の組織には、緑色に蛍光を発するタンパク質が高密度で含まれている。かすかな赤色の蛍光は、サンゴの細胞内で共生する藻類に由来する。
Photo: Keenan Guillas
シナプス小胞サイクル
研究者は最先端のシミュレーションを用いて、脳内のニューロンが化学信号によって情報伝達を行うための基本過程の一つであるシナプス小胞サイクルを可視化している。灰色の球体は分子を表し、小胞の色は、サイクルのどの段階にあるかを示している。
Photo: Iain Hepburn, Jules Lallouette, Andrew Gallimore, Erik De Schutter
加速する粒子層の先端
下部から始まり時計回りに、この画像は流体中に浸された粒子層が上向きに加速する過程で時間とともに生じる変化を示している。色は流体の動きを表しており、青は上昇流、赤は下降流を示している。粒子が上昇するにつれて、プルーム状の乱流構造が形成され、混合が促進される。
Photo: Simone Tandurella, Stefano Musacchio, Guido Boffetta, Marco Edoardo Rosti
内に輝くもの:ハナガササンゴ属ポリプの共生の核心
石サンゴの一種であるハナガササンゴ属(Goniopora)のポリプを拡大し、鮮やかな蛍光色によって3次元的に捉えた。サンゴ礁を形成する微小な動物であるポリプは、細胞内で藻類と共生関係にある。蛍光を励起する光の下では、藻類の葉緑素(クロロフィル)が赤く発光し、ポリプの組織は緑色に蛍光を示す。これにより、組織内に高密度で存在する共生藻類の分布が明らかになる。
Photo: Sara Hansen
沖縄に生息するイソギンチャク
沖縄に生息するアイプタシア科のイソギンチャクは、日光下では藻類を積極的に取り込み、光合成産物によって栄養を補うことで、不透明な金褐色に変化する。一方、長く暗所にいるとこれらの藻類を放出し、捕食のみに依存する生活様式へと切り替わり、本図のように透明な姿を示す。研究者はこれらのイソギンチャクをモデル生物として利用し、刺胞動物が藻類との共生関係をどのように獲得・維持・喪失するのかを解明している。この過程は、沖縄のみならず世界中のサンゴ礁の健全性にとって極めて重要である。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
イトバショウ葉鞘の横断面
蛍光顕微鏡で観察すると、イトバショウ(沖縄のバナナの一種)の偽茎に含まれる繊維組織は、マゼンタ色の点のように見える。偽茎は、厚い葉鞘が重なり合って形成されている。このうち最も内側の3〜4枚の葉鞘から採取され、紡ぎ出される繊維だけが、琉球の伝統織物である芭蕉布の着物の製作に利用される。
Photo: Yoko Nomura, Koji Koizumi
石けん膜の厚さの可視化
石けん膜は、流体の挙動を探究し、複雑な流れの構造を可視化するための有用なツールである。本図では、石けん膜の厚さの違いによって、光の反射の仕方や見え方が変化する様子を示している。OISTでは、このような実験系が教育ツールとしても活用されており、学生や子どもたちに流体力学の基礎を伝えるとともに、将来の研究への道を開いている。
Photo: Jeffery Prine, ©OIST
ソデフリダコ
研究者は、ヒトのレム睡眠に類似する状態である「アクティブスリープ」の研究の一環として、このソデフリダコ(Octopus laqueus)を撮影した。虹色の色彩は、OISTマリン・サイエンス・ステーションの水槽越しに差し込む夕日の自然光が屈折・反射することによって生み出されたものである。
Photo: Keishu Asada
線虫生殖巣
超高速のライブセルイメージングにより、線虫 Caenorhabditis elegans において精子が卵子を受精する瞬間が捉えられている。画像ではDNA(紫)と、細胞分裂の際に染色体の分離を助ける構造である微小管(緑)が示されている。本研究は、微小管の形成の主要な場である中心体(セントロソーム)が発生過程でどのように制御されるのかを解明することを目的としており、遺伝性疾患や不妊、がんの理解に重要な示唆をもたらす。
Photo: Midori Ohta
食虫植物ネペンテス・ビカルカラタ
食虫植物ネペンテス・ビカルカラタ(Nepenthes bicalcarata)の捕虫器を接写した像。獲物を誘引するために蜜を分泌する、牙状の独特な構造が見られる。この蜜はアリを引き寄せ、餌となる。アリは排泄物によって植物に栄養を供給するほか、時には捕虫器に捕らえられ、自らもその餌となる。
Photo: David Armitage
感覚神経細胞
脊髄のすぐ外側に位置する感覚ニューロン(感覚神経細胞)の集まりである後根神経節の、極薄に切り出された急速凍結切片。顕微鏡下で観察されている。感覚ニューロン内のさまざまな構造は赤と緑で標識され、細胞核は青に染色されている。このような画像は、坐骨神経損傷後に生き残る感覚ニューロンの数を推定するために用いられ、神経がどのように回復し再生するのかの理解を深める手掛かりとなる。
Photo: Marco Terenzio
対称性の破れ
流体のカオス的な運動である乱流は、流体中に生じる微小でランダムな揺らぎが対称性を破ることで、単純な流れから発現することがある。本図では、その初期段階にあたる対称性の破れの現象が捉えられており、乱流へ至る過程の最初の一歩が示されている。
Photo: Marco Edoardo Rosti
動物の「体づくり」の進化的起源
動物の進化の初期に現れたイソギンチャク(Nematostella vectensis)の胚は、外側の細胞の一部が内側に入り込み、二つの細胞層を形成する。この過程は原腸形成と呼ばれ、人を含む多くの動物でも見られる。原腸形成は、動物の基本的な体構造の形成において極めて重要な過程である。
Photo: Sen Hadife
石炭紀の熱帯礁
約3億5千万年前の石炭紀に存在した熱帯礁。約3億6千万年前の大量絶滅の後、脊椎動物は現代のサンゴ礁魚類に見られるような体形へと進化した。しかし、本図に見られる優占種の多くは、現在では絶滅しているか、ゴーストシャーク(ギンザメ類)などの深海生物に近縁な系統としてわずかに生き残っている。
Photo: Robert Nicholls