2.1 大学の正式名称
学校法人沖縄科学技術大学院大学学園(学園)寄附行為第2章第4条の規定により、学園によって設置・運営される大学院大学の名称は次のとおりです。
沖縄科学技術大学院大学
(このPRPの中では「大学院大学」又は「本学」とも呼びます。)
本学で行われるアカデミックな活動は、全て上記の正式な大学名を用い、権限を有する本学の役職員又は代理人によって行われなければなりません。また、それらに関する文書についても、同様に本学の正式な大学名によって施行され、必要に応じて、沖縄科学技術大学院大学と刻した公印を押なつすることによって、その効力を証明します[Link: 2.7]。本学の運営に必要となる協定や契約の締結、その他の法的拘束力を持つ業務上のやり取りは、全て正式な法人名である学校法人沖縄科学技術大学院大学学園の名の下で行われなければなりません。
2.1.1
以下に列挙する行為については、学園及び大学院大学、そして、その理事会(Board of Governors)が承認権限を持っており、その承認を得ずに行うことはできません
2.1.1.1 本学の役職員以外の個人又は団体が、その名称の一部として、又は本学との正式な関係を示したり暗示したりするようなその他の形で、正式な法人・大学の名称又はその略称を用い、又はそれらの正当な使用を取り消すこと。
2.1.1.2 学内の組織名から大学の正式名又は略称を取り除くこと。
2.1.1.3 管理運営に関する諸方針に定められている以外の形で、正式な法人又は大学名を使用すること。
2.1.2 贈与、遺贈、寄附・寄贈等[Link: Chapter 7]
信頼関係によって(受取人を明示せずに)行われた贈与、遺贈、寄附・寄贈等、本学の名称、又はその略称や本学の内部組織の名称を受取人として行われた贈与、遺贈、寄付・寄贈等は、全て学園に対して行われたものとなります。さらに、学園は、学園を相手とすることを意図して行われた権利移管の全てについて、取り扱う権利を有します。
2.1.3 大学のマーク[Link: Chapter 15]
本学は、一貫したビジュアル・アイデンティティーに関する制度を有しています。その制度の対象には、大学名、大学のマーク、ロゴ等(1)本学のアイデンティティーを強め又はそれを保護する働きをするもの、(2)本学を他の大学や機関と区別する機能を持つもの、そして(3)本学の伝統や後世に残すべき遺産を反映したものが含まれます。
2.1.3.1 学長又は学長から権限を委任された者は、この基本方針を実行するため、事務的な方針や手続きを管理します。
2.2 理事会(Board of Governors: BOG)
理事会は、学園の管理及び業務運営について最終決定権を有するとともに、最終的な責任を負います。理事会は、本学の学長を任命します。そして、学園の寄附行為の規定により、学長は学園の理事長となります。理事会はまた、学園の寄附行為の規定により、学園の副理事長となるシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)を任命します。理事会の目的、活動、議決を必要とする事項については、寄附行為と理事会運営規則によって定められています。一般的には、理事会で決定される事項は、学園及び本学の管理及び業務運営に関する事項です。特に、毎会計年度、理事長・学長、副理事長、プロボスト、事務局長、そして副学長が、本学の教職員と相談して準備する学園の年度予算と事業計画について審査し、承認することが求められます。理事会で審議される事項については、評議員会による報告又は意見が提出されることがあります。
2.2.1
理事会には理事会オフィスが設けられます。理事会セクレタリは理事会議長と協働し、会議の議題作成、文書作成、理事会及び理事会が設置した小委員会に関する事務取扱、シニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)及び代議員会との調整を行います。
2.3 評議員会(Board of Councilors: BOC)
評議員会は、予算、借入金、財産の処分、寄附金、寄附行為の変更等、特定の事項について意見をまとめ、それらの事項について理事会で決定される前に、学園の理事長に対し意見を提出します。また、評議員会は、学園の業務や財産の状況について、理事からの諮問に答えたり、理事に対して意見を述べたりすること、また、理事から報告を求めることができます。[Link: 評議員会運営規則]
2.4 役割と責務
学園の管理と業務運営についての最終決定権と最終的な責任は、理事会にあります。
2.4.1 学長・理事長
大学院大学の学長は、理事会により選任され、学園の理事長を兼務します。学長は、理事会と協議の上、大学院大学の運営体制を構築します。本学の運営体制は、本学が教育研究を通じて科学技術の分野で卓越した成果を生み出し、世界に名高い国際的な大学院大学となるよう、効果的かつ効率的に沖縄の自立的発展を促進し、管理・運営を行い、成長につなげていくことができるものでなければなりません。同時に、業務運営及び財務運営の観点から説明責任が果たされ、国や民間からの資金の利用について透明性の高い監督が行われることが確保される体制でなければなりません。
理事会は、以下に列挙する事項など、学園及び大学院大学の日常的な運営を理事長・学長に委ねます。
- 大学全体及び学内の全ての部署のマネジメント、施設の管理運営、大学の業務全般を統括すること
- 理事会による審議及び決定を必要とする大学の運営費及びその他関係費の年度予算を作成し、理事会に提出すること
- 定期的に計画、計画の進捗状況やその後の見通しに関する報告、その他の必要な報告を作成し、理事会に提出すること。
理事会により任命されたシニアレベル・エグゼクティブ1名は、学園の寄附行為の規定により、学園の副理事長となります。さらに、学長は、学長の任務を遂行し、責任を果たすことを補佐するのにふさわしいと認める他の職員を任命し、その権限及び任務を定めることができます。
さらに、学長は、直接又は権限の委任により、上記の責務を果たすために必要となる管理運営に関する基本方針や手続き等を定め、管理する責任を負います。
2.4.1.1 東京オフィスディレクター
東京オフィスディレクターは、科学技術・イノベーションを通して、OISTの存在と活動を国内外に広げるため、東京において日本及び外国の政界・産業界・学術界との関係を強化します(他の部署の所掌に属するものを除きます)。
2.4.1.2 統括弁護士
統括弁護士は、本学の方針・業務、リスクマネジメント、紛争及び契約に関する事項について、法的な意見を述べ、又は助言を行い、外部の機関が関わる法的な事項について本学を代表します。学長が認めた場合は、統括弁護士は副学長(法務担当)の名称を使用することができます。
2.4.1.3 最高情報責任者(CIO)
最高情報責任者(Chief Information Officer: CIO)は、本学全体の情報技術(IT)戦略、及び情報セキュリティプログラムを通して、一貫性と効率性を促進することに責任を有します。また、CIOは学長の裁量による特別なプログラムや情報関連イニチアチブの実施について責任を有します。
2.4.1.3.1 CIOは、情報セキュリティプログラムの策定及び実施を最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer: CISO)に委任します。
2.4.1.4 最高内部監査責任者(CIAO)
最高内部監査責任者(Chief Internal Audit Officer: CIAO)は、監査年次計画に基づき、又は臨時に監査を実施し、その結果を理事長・学長に報告します。
2.4.1.5 オンブズ・パーソン
オンブズ・パーソンは、本学における勤務や学修において何らかの心配事項を有する本学の職員、学生に対して、機密性に配慮し、中立的に、独立して、非公式に、状況の聴取、情報の提供、解決に向けての選択肢の提示等のサポートを提供します。
2.4.2 副理事長
学園の副理事長を兼ねるシニアレベル・エグゼクティブは、学長によって指名され、学園の理事会によって任命されます。
副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、その職務を代理し、又はその職務を行います。理事長が長期に亘り職務遂行できないとき又は欠けたときは、寄附行為13条第2項に従って、理事会が臨時理事長代理を任命することができます。
2.4.3 監事
学園の監事は、学園の理事、職員又は評議員ではない者の中から、理事会によって候補者が指名され、評議員会の同意を得た上で、最終的に理事長により選任されます。監事の選任は、内閣総理大臣の認可を受けなければその効力は生じません。監事は、学園の業務及び財産の状況を監査し、それらについて、理事会と評議員会に対して、当該会計年度終了後、報告書を提出することを職務とします。また、監事は、理事会の会合に出席し、学園の業務又は財産の状況について、意見を述べます。監査の結果、学園の業務や財産に関し不正の行為又は法令、寄附行為に違反する事実があることを発見したときは、これを、理事会等に報告しなければなりません。
2.4.4 プロボスト及び事務局長
2.4.4.1 プロボスト
プロボストは、学術的事項について本学を代表するとともに、研究科長、教員担当学監及び研究担当ディーン間を調整することに責任を有します。また、リソースを配分する権限を有し、外部学術機関との契約締結に関する事務的支援など必要なリソースを管理します。更に、コアファシリティディレクターが統括するコアファシリティを用いた研究支援サービスを含む研究活動に必要なサポート機能全般(教員担当学監の所管に含まれるものを除く。)について責任を有します。
2.4.4.1.1 准副学長(研究財務・事務企画担当)
プロボストは、准副学長(研究財務・事務企画担当)に、研究財務管理と事務企画に係る職務を行わせることができます。
2.4.4.1.2 プロボスト補佐(研究関連調整担当)
プロボストは、プロボスト補佐(研究関連調整担当)に、研究支援に関する各種調整に係る職務を行わせることができます。
2.4.4.2 事務局長
事務局長は、学長を補佐し、全ての事務的事項について最終権限者としての役割を果たします。
事務局長は、財務、人事、施設管理、情報技術、戦略実行を含む全ての事務的機能を統括します。また、事務局長は、教職員及び学生の安全衛生並びに学園の危機管理にも責任を持ちます。
2.4.4.2.1 准副学長(事務局長オフィス)
事務局長は、政府関係、法令、コンプライアンスに係る職務を、事務局長オフィスの准副学長に行わせることができます。
2.4.4.2.2 緊急対応コーディネーター
事務局長は、全学規模の安全管理に係る職務を、緊急対応コーディネーターに行わせることができます。
2.4.5 副学長等
以下の役職者は、下記 2.5 の大学組織図に示されるとおり、大学院大学の副学長職を務めます。各副学長には年間予算が割り当てられます。学長から負託を受けた当該予算について、各副学長は執行に関する全ての権限を有します。
2.4.5.1 研究科長
研究科長(Dean of the Graduate School:DGS)は、本学の研究科に学生が参加することをサポートする業務やプログラムの実施全般について所管します。研究科長は、学生の募集・選考から、学生の卒業、そして、卒業後の進路選択に至るまで、計画立案や学生へのサポートの提供等の全ての側面について責任を負います。さらに、研究科長は、各教員への指導科目の割り振りを含め、教育課程全体を統括します。
2.4.5.1.1 副研究科長
研究科長は、副研究科長に、その職務を代行させることができます。
2.4.5.2 教員担当学監
教員担当学監(Dean of Faculty Affairs: DFA)は、教員、研究ユニットの職員、その他の研究員の採用、任命、評価に関する業務全般を所管します。教員担当学監は、他のディーン及びプロボストとの協働のもと、学術研究を管理する責任を負います。さらに、図書館及びプロフェッショナル・ディベロップメント&インクルーシブ・エクセレンスセンター(C-Hub)の運営について責任を負います。
2.4.5.2.1 教員担当副学監
教員担当学監は、教員担当副学監に、その職務の一部を行わせることができます。
2.4.5.3 研究担当ディーン
研究担当ディーン(Dean of Research: DR)は、学術研究に関する他大学及び研究機関とのネットワーク構築を所管します。これには、ワークショップの開催や客員プログラムの運営、さらに学際的・部門間連携の促進等が含まれます。また、外部研究資金の申請及び管理(首席副学長(技術開発イノベーション担当)の所管に含まれるものを除く。)にも責任を持ちます。
2.4.5.3.1 副研究担当ディーン
副研究担当ディーンは、研究担当ディーンを代理して、(i)学術研究に関して他大学・研究機関との連携ネットワークの構築、(ii)助成金の申請・管理(首席副学長(技術開発イノベーション担当)の所管に含まれるものを除く。)を所管します。
2.4.5.4 首席副学長(技術開発イノベーション担当)
首席副学長(技術開発イノベーション担当)は、沖縄の自立的発展を促進するという本学の使命をサポートする機能を統括します。この使命の重要な要素としては、知的財産、技術移転及び事業開発に関するマネジメントがあります。
2.4.5.4.1 准副学長(技術開発イノベーション担当)
首席副学長(技術開発イノベーション担当)は、准副学長(技術開発イノベーション担当)に、その職務の一部を行わせることができます。
2.4.5.5 副学長(財務担当)
副学長(財務担当)(Vice President for Financial Management:VPF)は、本学の予算及びその会計・経理の全般について所管します。また、入札、定例的な調達、学内の物品供給を含む調達全般についても責任を負います。
2.4.5.6 副学長(施設管理担当)
副学長(施設管理担当)(Vice President for Buildings and Facilities Management: VPBFM)は、工事計画から、入札・契約を経て、工事の実施、建物の竣工に至るまでの全ての新たな建設に関する業務を所管します。また、VPBFMは、本学の建物の改修を含め、建物、施設、敷地の維持管理の全ての業務についても所管します。
2.4.5.7 副学長(広報担当)
副学長(広報担当)(Vice President for Communication and Public Relations: VPCPR)は、広報全般について広く責任を負います。その範囲には、地域、沖縄県内、国内外のコミュニティーとの交流についても含まれます。また、VPCPRは、メディアや報道関連の業務全般についても所管します。さらに、各種ワークショップ、シンポジウム、講演会、式典、公開イベント等、本学の行事のロジスティクスに関する業務を所管します。
2.4.5.8 副学長(人事担当)
副学長(人事担当)(Vice President for Human Resource :VPHR)は、雇用・労務関係の管理、人事評価(業績評価)、労使協定、人材育成、教育研修、人事管理、採用・赴任支援を所管します。VPHR は質の高いキャリア開発の確立、また、管理職/専門職としてのキャリア開発を目指す職員の支援についても担当します。OIST におけるダイバーシティの推進及びワーク・ライフ・バランスの向上にも努めます。
2.4.5.9 副学長(情報技術担当)
副学長(情報技術担当)(Vice President for Information Technology: VPIT)は、IT サービスが適切に設計、実装、維持されることを保証する責任を有します。また、副学長(情報技術担当)は IT が大学の全ての分野への関与を継続すること、IT サービスが CIO によって設定されたプログラム及び方針を支援するよう開発されることを保証することに責任を有します。
2.4.5.10 副学長(戦略実行担当)
副学長(戦略実行担当)(Vice President for Strategy Implementation: VPSI)は、学長の年次戦略策定サイクルの実施を促進する責任を有します。具体的には、ミッション領域の成功を測るトレンドを追跡し、まとめ、報告すること、他の部署に導かれる大学の戦略プロジェクト及び部署横断プロジェクトに対して助言及び支援を与えること、学長又は事務局長により同定される特定の戦略的プロジェクトを主導すること、並びに、例えば、2034年までを視野に入れた2024-2029年5か年戦略の下で設立準備が進められているオープンセンターへの教員、研究者及び学生の参加を促進するツールが可視化され予算の範囲内で使用されることを確保するなどにより、学長の指示に基づき優先度の高い戦略的プロジェクトの実施を調整することを含みますが、これらに限定されません。
2.4.5.11 大学コミュニティーサービス・ディレクター
大学コミュニティーサービス・ディレクター(University Community Services Director: UCSD)は、教職員、学生及びその家族が本学において充実した生活を送ることができるよう、キャンパス内におけるコミュニティサービスの提供に責任を有します。
2.4.5.12 コアファシリティディレクター
コアファシリティディレクター(Director of Core Facilities: CFD)は、コアファシリティを統括し、コアファシリティの共通機器とサービスの効果的な提供に責任を有します。
2.4.6 委員会
本学は、様々な業務遂行を補助するために必要な場合や、特定の事項に関して助言を得ようとする場合に、常設又はアドホックの委員会を置くことがあります。こうした委員会には、内部の者で構成されるものもあれば、外部の者で構成されるものもあります。各委員会は、その目的を問わず、委員会の設置、構成員、組織構成等について定めた委員会設置要綱に沿って運営されなければなりません。委員会設置要綱の作成については、設置要綱ひな形を参照してください。外部委員に対する謝金及びその他の費用については、第26章「財務及び会計」の別表を参照してください。
2.5 組織図
2.5.1 組織図の詳細
理事長・学長、副理事長・首席副学長、プロボスト、事務局長、各副学長は、それぞれが指揮監督する部署について、さらに詳細な組織図を作成する責任を負います。詳細な組織図は、理事長・学長による承認を受け、各グループ/セクション/ユニット等の所掌事務に関する記述とともに、学内に公開されなければなりません。
2.5.2 組織の改編
本学の組織を改編しようとするときは、その改編を行う日の14日前までに、理事長・学長の決裁による承認を受けなければなりません。
2.6 理事長・学長による権限の委任
理事会による承認に基づき、理事長・学長は、経営及び管理運営に関する権限を各副学長やシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)の職員へ委任することができます。理事長・学長による権限の委任によって、委任されたシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)は、理事長・学長の名の下で、学園・大学を代表して行動し、委任された権限の範囲内において、学園又は大学に法的効力を持つ義務を負わせることができます。理事長・学長は、いつでも、委任する権限に条件や制限を付したり、権限委任を取り消したりすることができます。また、理事長・学長が留保する権限を理事長・学長以外の役職員が行使することはできません。
権限の委任は、その委任された者に対して、理事長・学長が財務及び事務運営のコントロールのために設けた支出又は承認の基準を超える特権を与えるものではありません。
2.6.1 理事長・学長権限の再委任
理事長・学長によって権限を委任された上級職員は、必要な場合、直属の部下やその他の所管する組織内の職員に対して、当該権限を再委任することができます。当該上級職員は、この基本方針に従い、理事長・学長から委任された権限の再委任に対しての最終責任と説明責任を負います。この章では、権限を他の者に委任する役職員を「委任者」と呼び、権限を委任された役職員を「受任者」と呼びます。
2.6.2 権限を委任された者の責任
2.6.2.1 権限を委任された者(受任者)は、明確に許可されていない場合や、何らかの制限を受けている場合を除き、委任された権限を再委任することができます。しかし、更なる委任が求められる場合を除き、再委任を行うかどうかは、完全に受任者の裁量に委ねられます。
2.6.2.2 職位が副学長より下位の役職にある受任者が、委任された権限を再委任する場合、委任者より承認を得なければなりません。
2.6.2.3 受任者は、委任された権限以上の責任や意思決定権を再委任することはできません。そして、本学の基本方針[Link:
Chapter 22]にも定めているように、その権限に関して個人的又は組織的な利益相反のある者に対し、権限を委任することはできません。
2.6.2.4 受任者は、その委任された権限の範囲内で行動しなければなりません。委任された権限の範囲を超えて行動し、その行動を承認する文書がない場合には、解雇を含む懲戒処分の対象となる可能性があります。
2.6.2.5 受任者は、その委任された権限を再委任することとした場合においても、再委任した権限の全般について、常に責任と説明責任を負います。
2.6.3 権限委任の要件
2.6.3.1 委任される権限は、当該権限が委任される以前と同様の条件の下で行使されるものとし、また、同様の法律や本学の方針が適用されます。
2.6.3.2 権限の委任は、委任の時点で本学に所属し、その業務に関しある程度の責任を負う立場の職員であって、かつ、本学の基本方針、ルール、関連法令、その他の手続き等について精通している者に対してのみ行うことができます。また、受任者は、委任者が指導監督する職員でなければなりません。委任された全ての権限は、受任者の雇用が終了する日に取り消され、無効となります。
2.6.3.3 委任者は、権限委任に関する文書のコピーを(新たに委任する権限、又は変更する権限)事務局長及び統括弁護士に提出しなければなりません。
2.6.3.4 年間予算権限が関わる場合は、ERPシステムによる予算配分をもって権限が委任されたものとみなします。それ以外の権限委任は、書面により行わなければなりません。
2.6.3.5 委任者は、権限委任に関する文書を保管し、少なくとも年に一度は、人事評価の手続き等を活用して、その内容が最新で適切なものであることを確認しなければなりません。また、この文書は、請求に応じて公開できる状態で保存されなければなりません。
2.6.4 曖昧さを含む権限委任
権限委任された事項について、曖昧な部分がある場合や他の権限等との不整合があるときは、理事長・学長又はその権限を直接委任された者が、最終的な権限が誰にあるのかを決定します。
2.7 公印の使用及び管理
2.7.1 定義
本項において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
- 公印
本学により作成された契約書、協定書等の文書に使用する印章であって、その印影を押すことにより、当該文書が真正なるものであることを認証することを目的とするものをいいます。 - 署名
本学により作成された契約書、協定書等の文書に、当該文書の作成権限を有する職員が自ら自署することにより、当該文書が真正なるものであることを認証することを目的とするものをいいます。 - デジタル署名
電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第2条第1項に定義されるデジタル署名で、その使用により公印と同様の効果を得ることを目的とするものをいいます。 - 電子契約システム
通信回線を用いて、電子情報の交換を行い、電子的な手段により契約を締結するための情報システムまたは情報サービスで、デジタル署名、タイムスタンプ等の電子的な方法により客観的に契約の成立を証明できるものをいいます。 - 公印等
次の各号に掲げるものをいいます。
イ) 公印
ロ) 署名
ハ) デジタル署名
ニ) 電子契約システム
2.7.2 作成と管理
2.7.2.1 学園及び大学院大学の公印及びデジタル署名は、全て事務局長によって作成され、事務局長により作成・管理される公印登録簿に登録されます。
2.7.2.2 学園及び大学院大学の公印及びデジタル署名は、事務局長又は事務局長より承認を受けた上で公印登録簿に登録された役職員(以下「公印等管理責任者」とします。)によって管理されなければなりません。
2.7.2.3 全ての公印等は、事務局長が作成するガイドライン(以下「公印等に関するガイドライン」とします。)に則り、最大限の注意を払い管理されなければなりません。
2.7.3 公印等の使用
公印等管理責任者は公印等の使用にあたっては、公印に関するガイドラインの規定に従わなければなりません。
2.7.3.1 印影の写し
身分証明書、その他の証明書、同様の内容で大量に発行する必要のある標準化された文書については、事務局長の事前の承認を受けることにより、公印の印影の写しを用いることや、印影を電子化したものを当該文書に挿入することができます。
2.7.3.2 署名
公印の押なつに代えて、当該文書について作成する権限を有する者が自ら署名をすることによって、当該文書が真正なるものであることを証明することができます。
2.7.3.3 デジタル署名
契約や協定の相手方が、デジタル署名により署名を付与することができ、かつそれについて本学と当該相手方との間にデジタル署名による旨の合意がある場合に限り、通常の公印の押なつ又は署名に代えて、デジタル署名を用いることができます。
2.7.3.4 電子契約システム
契約や協定を締結するにあたって、本学の使用する電子契約システム(本学における技術的及び法律的な要件を満たすものとして、本学において標準的に用いられるもの。ただし、電子メール等の汎用的な情報システムを除く)を用いる場合は、公印、署名及びデジタル署名を使用しなくてもかまいません。ただし、契約や協定の相手方が使用する電子契約システムを用いる場合おいては、公印に関するガイドラインに定める条件を満たす場合に限り、契約や協定を締結することができます。
2.7.3.5 公印の省略
公印の押印を省略することができる場合については、公印に関するガイドラインに定めます。