2026年10月15日施行
7.1 基本方針
歴史を通じて、高等教育機関に対する民間からの支援は、その成長及び学術的卓越性に不可欠な役割を果たしてきました。今日においても、個人、民間セクター、非営利財団その他の団体から大学等に対して行われる拠出及び寄附は、その物的及び知的基盤を強化する上で重要です。このような支援は、既存の教育及び研究プログラムを充実させるとともに、科学技術分野における新たな取組その他の発展に不可欠なものです。この認識に基づき、学園に対する寄附及び学園のための資金調達活動を奨励します。
学園における資金調達には、拠出、寄附、遺贈その他の遺言による贈与(以下、これらを総称して「寄附」といいます。)の勧誘が含まれます。また、本学のイベントにおけるチケット販売及び本学の名称、マーク又はロゴを付した物品の販売を通じて資金調達を行うこともあります。
学園における全ての資金調達活動は、副学長(アドバンスメント担当)の監督、調整及び指揮の下で行うものとします。副学長(アドバンスメント担当)は、理事長と協議の上、学園の目的を達成するための資金調達の取組に優先順位を付けます。これらの優先事項は、副学長(アドバンスメント担当)の活動における主たる重点事項とします。
副学長(アドバンスメント担当)は、寄附勧誘を行うことが承認された寄附者について、優先順位を付した一覧を管理します。
研究支援を目的とする寄附については、その適切な処分及び取扱いを確保するため、アドバンスメントディビジョンと連携して審査を行います。
7.2 留意事項
7.2.1
多くの寄附者は、学園への寄附について税控除を受けられるかどうかに関心を持っています。学園は、税控除を受けられるよう、必要に応じて、米国の寄附者に対してはニューヨークのOIST財団を通じた寄附を、日本の法人寄附者に対しては日本私立学校振興・共済事業団を通じた寄附を助言します。
7.2.2
寄附者が定めた特定の目的又は特定の研究分野のために行われる使途指定寄附については、特別な配慮が必要です。このような寄附が本学の使命及び組織としての利益に沿うものとなるよう、必要に応じて交渉を行う場合があります。
7.2.3
学園が関連費用を負担する寄附(例えば、寄附者が建物の建設費を負担する一方で、学園がその建物の維持管理及び修繕費を負担する場合)は受入れることができます。ただし、関連する費用、リスク及び必要な資源が適切であり、十分に対応可能であることを確認するため、OIST寄附受入取扱規程に従い、慎重に審査するものとします。
7.2.4
寄附と助成金:政府、民間セクター、又は個人から提供される助成金は、「寄附」には該当しません。これは、助成者が資金の使途を実質的に決定し、支出の監査を求め、研究に期間その他の制約を課し、定期的な報告を求め、その他研究成果に関する商業上の利益を取得する場合があるためです。さらに、助成金(個人による私的助成金を含みます)には間接費(オーバーヘッド)が課される場合がありますが、寄附にはそのような負担は課されません。助成金は、副学長(アドバンスメント担当)ではなく、外部研究資金セクション(副プロボストの部署内)が管理するものとします。したがって、寄附と助成金を区別することは極めて重要です。
7.2.4.1 寄附:一般に、一般に、寄附された資金は、次の全ての要件を満たす場合、寄附とみなされます。
- 寄附者が慈善目的の寄附を行う意思を有していること
- 寄附者が契約上の要件を課していないこと
- 資金が取消不能の形で提供されること
7.2.4.2 私的助成金:一般に、資金は、次のいずれかの要件を満たす場合、助成金とみなされます。
- 資金提供者又はその代理人による監査が定められていること
- 資金提供者が、研究成果に関する詳細な技術報告書又は支出報告書等、何らかの対価を受ける権利を有していること
- 研究が、資金提供者の指示する特定の要件を満たすことを目的として実施されること(例えば、一般的な研究分野を支援するものではなく、所定の期間内に達成すべき具体的な業務範囲が定められている場合)
- 履行期間が定められていること、又は終了の決定が資金提供者の裁量に委ねられていること
- 期間終了時に未使用の資金を資金提供者に返還することとされていること
- 資金提供者が特許権又はライセンス権を求めていること
7.2.4.3 特定の財団からの研究資金の事務上の取り扱い
- 本章では寄附と助成金を区別していますが、民間財団からの一部の研究資金については、事務上の取り扱いとして寄附として処理する場合があります。
7.2.5
「マッチングファンド」を伴う寄附は認められます。
7.2.5.1 このような寄附が実際には共同研究に該当する可能性があるかどうかを判断する際には、十分な注意を払う必要があります。このような場合は、アドバンスメントディビジョンに照会するものとします。
7.2.6
研究協力を支援するための金銭以外の「現物」による寄附には、異なる規則が適用されます。当該寄附については、審査のためアドバンスメントディビジョンに照会するものとします。OIST寄附受入取扱規程第7節を参照してください。
7.2.7
営利企業から寄附を受ける場合には、その合意の性質について特に注意を払う必要があります。学園と寄附を行う営利企業との間の合意には、当該営利企業に直接的な利益をもたらす内容を含めることはできません。
7.3 ルール
7.3.1
学園における全ての資金調達活動は、副学長(アドバンスメント担当)が監督、調整及び指揮するものとします。
7.3.1.1 副学長(アドバンスメント担当)は、寄附の勧誘対象として承認された寄附者の優先順位を付した一覧を管理し、資金調達を行う都度、この一覧を参照しなければなりません。
7.3.1.2 寄附に関する募集又は交渉は、副学長(アドバンスメント担当)の明確な承認なく行ってはなりません。
7.3.1.3 特定の研究又は研究の特定の側面を支援する寄附については、アドバンスメントディビジョンと連携して審査するものとします。
7.3.2
学園に資金その他の寄附を行おうとする営利企業に対し、直接的な営利上の利益、黙示的な商業上の見返りその他の利益をもたらしてはなりません。(第22章参照)。
7.3.2.1 寄附者である営利企業による保守又はメンテナンスを要する可能性のある特殊又は独自の研究機器その他の設備の寄附については、受け入れに先立ち、その妥当性を示さなければならず、OIST寄附受付取扱規程に従って審査するものとします。
7.3.3
寄附者による本学の名称、マーク又はロゴの使用を伴う可能性のある寄附については、副学長(広報担当)と調整するものとします。(第16章参照。)
7.3.4
資金調達の提案は、以下の基準を満たさなければなりません。
7.3.4.1 調達する資金が学園の主要な使命又は目的を支援するものであること
7.3.4.2 当該資金調達が、学園が締結している他の契約に違反しないこと
7.3.4.3 学園と勧誘又は案内の対象者との間に関係があること
7.3.4.4 勧誘又は案内の対象者が、最近又は繰り返し学園から勧誘又は案内を受けていないこと
7.3.4.5 過去12ヵ月間における同様の広報イベントの実施回数が、学園に過度な商業主義との印象を与えるほど過剰でないこと。この判断は、副学長(アドバンスメント担当)が行います。
7.3.4.6 資金調達活動について、承認済みの予算及び資金源が明確にされていなければなりません。活動の全部又は一部が寄附金以外の資金源によって賄われる場合、関連する全ての支出は、学園の調達に関する規程及び手続きその他の関連する財務方針に従わなければなりません。
7.3.5
外部組織が提案する、本学の名称、マーク又はロゴを使用し、物品を一般に販売することによる資金調達については、以下の事項を示さなければなりません。
7.3.5.1 物品の提供者として選定された営利企業が、その業界において品質及びサービスに関し極めて高い評価を得ていること
7.3.5.2 販売する物品の提供者として選定された営利企業が、学園と整合する価値観及び事業運営方針を有していること
7.3.5.3 提供される製品が高品質であること
7.3.5.4 物品の提供者として選定された営利企業が提案する価格が、関連する市場において競争力を有していること
学園が自ら物品その他の商品の販売を通じた資金調達を行い、そのために物品又はサービスを調達する場合には、学園の調達に関する規程及び手続きを適用するものとします。
7.3.6
研究支援のための寄附については、最終的に教育又は研究の振興を目的とする寄附として取り扱われるか、私的助成金として取り扱われるかに関わらず、受理に先立ち、アドバンスメントディビジョンがプロボストと協議するものとします。
7.3.7
全ての資金調達活動は、学園に適用される規程及びガイドラインに従うものとします。
7.3.8
寄附の申出については、副学長(アドバンスメント担当)が当該申出を受領したこと及びその受領日を記載した受領通知を、寄附者に速やかに送付しなければなりません。寄附の申出に係る受領通知は、当該寄附の受理を意味するものではありません。
7.3.9
学園が寄附を正式に受理した後、アドバンスメントディビジョンは、受理日(必ずしも申出の受領日又は受領通知の日と同日である必要はありません)を記載した受理通知を寄附者に速やかに送付しなければなりません。受理通知には、寄附の内容及び金額(金銭による寄附の場合)又は寄附者を特定できる程度の寄附の内容を記載しなければなりません。
7.3.9.1 条件付きの寄附は、学園がその全ての条件に同意し、寄附者に対して当該寄附及びその条件を受理した旨を通知しない限り、「受理された」とはみなされません。
7.3.10
寄附の公表は、学長オフィスのみが行うものとします。
7.3.11
寄附の処理及び正式な受領書の発行は、副学長(財務担当)と連携の上、副学長(アドバンスメント担当)のみが行います。
7.3.12
学生に対して資金の提供を求めてはなりません。学生による資金調達活動への関与は、時間及び労力(並びに熱意)の提供に限られます。この制約の例外については、学長及び研究科長の承認を要します。
7.4 責任
7.4.1
理事長は、本章7.2及び7.3に定める要件に従い、寄附及び寄附提案の審査に関与するものとします。
7.4.2
理事長は、副学長(アドバンスメント担当)の要請に応じて、寄附者候補を特定し、その候補との関係を構築することにより、民間セクターからの資金調達に積極的に参加するものとします。
7.4.3
教員は、副学長(アドバンスメント担当)に寄附者候補を紹介することにより、資金調達活動を支援することができます。教員が寄附者候補又は寄附の可能性を特定した場合、又はその存在を知った場合には、副学長(アドバンスメント担当)に支援を要請し、同副学長を通じて対応しなければなりません。
7.4.4
個々の教員は、まず寄附者候補を副学長(アドバンスメント担当)に知らせることなく、当該寄附者と交渉することを避けなければなりません。これにより、a) 複数の教員が同時に同一の寄附者に働きかけることによる問題、及びb) 十分な情報及び適切な勧誘計画を欠いた状態での勧誘を防止することができます。
7.5 寄附の受入れ
7.5.1
寄附の受入れは、「OIST寄附受入取扱規程」、「寄附金使用細則」及び「OIST命名権寄附ガイドライン」に従うものとします。
7.5.2
寄附審査委員会は、OIST寄附受入取扱規程に定める寄附提案を審査し、その受入れについて理事長に勧告する責任を負います。
7.6 寄附講座、寄附研究部門及びチェアシップ
7.9.8に定義する寄附による講座、研究部門及びチェアシップを設置する場合は、寄附講座、寄附研究部門及び寄附チェアシップに関する規程を参照するものとします。
7.7 書式類
通常の寄附:寄附申込書
寄附講座、寄附研究部門及びチェアシップ:寄附の意思表明書、寄附講座・寄附研究部門・チェアシップの提案書
7.8 連絡先
7.8.1 本方針の所管
副学長(アドバンスメント担当)
7.9 定義
7.9.1 遺贈(不動産以外)
遺言に基づき、不動産以外の財産を譲渡することをいいます。
7.9.2 拠出金
資金を求める要請又はキャンペーンに応じて、自発的に提供される金銭をいいます。
7.9.3 繰延型寄附
現在の権利と将来の権利に分けて行う寄附をいい、通常は年金方式により行われます。この場合、寄附者は一方の権利を取消不能の形で譲渡し(例えば、将来の一定期間にわたり年金を受け取る権利)、残りの権利を保持します。
7.9.4 指定寄附(又は指定資金)
寄附者が目的を大まかに定めた金銭の寄附をいいます。一般に、指定寄附では特定の受取人のみが指定され、資金の具体的な使途は定められていません。例えば、「奨学寄附金」(寄附金型)として300万円の寄附、本学のチャイルド・ディベロップメント・センターで使用するために5,000ドルの寄附、図書館支援のために500,000ドルの寄附、又は一般寄金への75,000ドルの寄附といったものです。従って、関係する意思決定者及び予算管理者は、指定寄附の使途について一定の裁量を有します。「制約寄附」を参照してください。
7.9.4.1 奨学寄附金(寄附金型)
特定の研究ユニットの教育及び研究活動を支援するために寄附される資金で、寄附者に対して執行実績等の報告を要しないものをいいます。「奨学寄附金(寄附金型)に関するインストラクション」を参照して下さい。
7.9.5 遺贈(不動産)
遺言に基づき、不動産を譲渡することをいいます。
7.9.6 献金
慈善団体、教会、非営利教育機関その他の非営利法人又は財団に対して、自発的に提供される金銭その他の有形財産をいいます。
7.9.7 寄附講座、寄附研究部門及びチェアシップ
- 寄附講座:個人、法人又はその他の団体からの寄附により設置又は支援される授業科目又は教育プログラム
- 寄附研究部門:個人、法人又はその他の団体からの寄附により設置又は支援される研究ユニット又はこれに相当するその他の研究プロジェクト
- 寄附チェアシップ:個人、法人又はその他の団体からの寄附により設置又は支援される教員職をいい、教授、アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサー又はこれらに相当する教員職
7.9.8 寄附
ある者が、譲渡の相手方である他の者又は団体から報酬その他のいかなる形の対価も受けることなく、任意に譲渡する物(複数の場合を含み、金銭を含む)をいいます。
7.9.10 助成金
7.9.10.1 研究助成金
様々な研究分野における研究を行うために個人(場合によってはグループ)に提供される資金をいい、多くの場合、特定の研究分野への資金提供を求める申請に基づいて交付されます。助成金は、研究費を賄うとともに、研究者に収入を提供します。政府、民間セクター機関及び個人は、助成金を通じて研究に資金を提供しています。助成金は「寄附」ではありません。なぜなら、助成者が資金の使途を実質的に決定し、支出の監査を求め、研究に対して期間その他の制約を課し、定期的な報告を求める等の条件を付すためです。
研究助成金に応募する場合、応募前に外部研究資金セクションを通じて副プロボストの承認を得なければなりません。
外部研究資金セクション又は事業開発セクションは、財務報告、活動報告、監査その他助成者が求める事項について、申請者を支援します。研究助成金に係る間接経費は、学園の関連規程及び手続きに従うものとします。
7.9.10.2 研究分野以外の助成金
研究分野以外の助成金は、学園の運営を支援するための重要な外部資金をいい、特定の事務的業務への資金提供を求める申請に基づいて、個人(場合によってはグループ)に提供される資金をいいます。
申請者は、応募前に所属する部署の副学長の承認を得なければなりません。また、申請者は、申請内容の詳細及び審査結果を、速やかに外部研究資金セクションに報告しなければなりません。
申請部署は、財務報告、活動報告、監査その他助成者が求める事項について、当該部署の責任において対応しなければなりません。研究分野以外の助成金に係る間接経費は、学園の関連規程及び手続きに従うものとします。ただし、助成者が間接経費の取扱いを特に定めていない場合には、受領額の全額を当該助成金の目的のために使用することができます。
7.9.11 制約寄附(又は制約資金)
寄附者が目的及び受取人の双方を具体的に指定して提供する金銭の寄附をいいます。例えば、化学工学における夏季研究生の給費として200,000ドル、進化生物学研究のための特定の物品購入に充てる5,000ドル、又はチューバを演奏する地質学専攻の学生を募集するために研究科長オフィスに提供される50,000ドル、といったものです。
関係する意思決定者及び予算管理者は、制約寄附の使途について、ごく限られた裁量しか有しないか、又は一切裁量を有しません。「指定寄附」を参照してください。
7.9.12 寄附審査委員会
申込まれた寄附を審査し、その受入れの可否について理事長に対し勧告するために学園が設置する内部委員会をいいます。