20. 健康管理

目次

20.1 基本方針

健康とは、病気ではないとか弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあることをいいます。本学の掲げるミッションを達成するためには、学生・教職員がそれぞれの最適かつ最善の健康状態で学習し、また労働を提供できることが重要です。本学では、OISTコミュニティーの身体的・心理的ニーズを満たすべく、総合的な健康サポートを提供するため、診療所、保健センター、がんじゅうサービス(心理学的アプローチによる、個人・チーム・組織のウェルビーイングをサポートするためのセラピー、相談、トレーニングなどのサービスを提供)を設立、運営いたします。学生・教職員は就業時間内にこれらのサービスを利用することができます。

20.2 ルール

20.2.1 OISTクリニック

20.2.1.1 名称
OISTキャンパス内に開設する診療所は、OISTクリニックと称することとします。

20.2.1.2 医療の提供
OISTクリニックは、学内にある保険指定医療機関で、病気治療などの場合に利用できます。OIST関係者及び地域住民が利用することができます。

20.2.1.3 守秘義務
OISTクリニックは、業務上知り得た個人情報を最大限の配慮をもって取り扱います。OISTクリニックは、本人の同意なしに情報を開示することはありません。

20.2.2 保健センター

20.2.2.1 提供サービス
OIST保健センターは、OISTコミュニティーに属するメンバー(その適用範囲は本学の基本方針・ルール・手続き(PRP)1.4.1のとおり)及びその家族が健康を保持・増進し、充実した生活を送れるように、健康診断の企画・運営、健康相談及び応急処置等を行います。

20.2.2.2 個人情報の取扱
OIST保健センターは、業務上知り得た個人情報を最大限の配慮をもって取り扱います。緊急の場合など合理的な理由がない限り、本人の同意なしに情報を開示することはありません。

20.2.3 がんじゅうサービス

20.2.3.1 目的
がんじゅうサービスはOISTコミュニティー及び大学全体のウェルビーイングをサポートするサービスを提供します。

20.2.3.2 提供サービス
がんじゅうサービスは以下のサービスを提供します。

  • ウェルビーイングとコミュニティーに関わる取組の展開や支援
  • ウェルビーイング関連のワークショップやトレーニング
  • チームへのサポート(チームビルディング、仲裁など)
  • ウェルビーイングや対人関係に関する情報提供、アドバイス、相談
  • 心理療法

20.2.3.3 診療の有無
がんじゅうサービスでは、診療行為を行いません。精神科医や医師への相談は保健センターを通じて手配することができます。

20.2.3.4 言語サポート
サービスは英語と日本語で提供します。

20.2.3.5 利用資格、費用
国内在住のOISTコミュニティーを構成する全ての者(大人及び子ども)が無料でサービスを受けることができます。このサービスは、原則として沖縄に居住するOISTコミュニティーのメンバーをサポートすることを目的としていますが、一部例外については個別に考慮されます。

本サービスの対象者は、常勤職員、非常勤職員、学生及び直近の家族が含まれます。OISTに直接雇用されている職員と同等の業務を行う派遣職員も含まれます。勤務地が雇用先によって変更される可能性のある供給業者及び派遣職員は含まれません。

また、直近の家族とは、同じ世帯に住む配偶者・パートナーや子どもを指します。それ以外の家族について、教職員や学生を支援する上で大切な関係性がある場合(例えば、別居中の配偶者・パートナーが子どもの世話を分担している場合、又は、子どもの世話をするためにビザで入国した両親など)は、例外とみなされる場合があります。例外についての判断はがんじゅうサービスが行います。

20.2.3.6 守秘義務
がんじゅうサービスは、個人情報を含むすべての情報を保持し、チームの中において秘密は守られます。守秘義務に関し、臨床スタッフは全員、専門的な実施ガイドラインに従わなければなりません。がんじゅうサービスの臨床スタッフは同サービス内の事務職員に対し、守秘義務についての責務について指導を行います。口頭または書面により得られた情報は、以下の状況にある場合を除き、本人(本人からインフォームドコンセント(説明と同意)得られない場合は、その両親や保護者から)の許可なしに開示される事はありません。

  • 臨床スタッフがカウンセリングを受けている本人又は第三者に深刻な危害が及ぶリスクがあると臨床スタッフが判断した場合。これには、本人や他者の生命に差し迫った危険がある場合、児童虐待やネグレクトの通報又はその危険がある場合が含まれます。この場合、必要な支援を提供できる関係者や機関を関与させることで危険を軽減するために、守秘義務が破られます。可能な限り、個人や他者の安全が脅かされない限り、最初にその本人と話し合うこととします。
  • 日本の法律によって開示が必要となった場合。
  • 12歳以下の子どもに関する情報は、児童保護上の問題がない限り、定期的にその親又は保護者と共有されます。ほとんどの場合、親又は養育者の関与が必要となります。
  • 13歳から18歳の若者については、がんじゅうサービスは、本人、親・保護者と協議し、本人の発育段階や抱える臨床リスクに適したフィードバックを提供することについて合意を得るよう努めます。
  • 心理療法サービスの維持・向上、リスクの管理、さらに専門的な実施ガイドラインを遵守するため、情報が外部のコンサルタントと共有されることがあります。この情報は、個人の識別ができる状態では共有されません。あらゆる外部コンサルタントもまた、守秘義務に関する専門的な実施ガイドラインに従わなければなりません。

20.2.3.7 記録の管理
適切な専門的実務の一環として、がんじゅうサービスでは個人、カップル、家族、グループでのカウンセリングの記録を紙媒体で保管します。カウンセリングを受けている者は、個人情報の保護に関する法律の定めに基づき、がんじゅうサービスが保有する本人についての情報の開示を求めることができますが、第三者により提供された本人に関する情報は、その第三者の許可がない限りは、開示することができません。すべての情報開示請求は本学の法令・コンプライアンスセクションを通して行われます。

カウンセリング記録は紙の状態で保管し、鍵付きのファイリングキャビネットに収納し、保管専用の施錠できる部屋に保管します。電子メールによるコミュニケーションは印刷され、記録の一部として保管される事があります。これらのファイルは、診療記録の保管に関する日本の法律に準じ、カウンセリング終了から5年を経過した後に破棄されます。

文書や一部の臨床情報は、そのアクセスががんじゅうサービスのみに制限されたセキュアドライブ内で、電子的に保存されることがあります。予約の管理はアウトルックのカレンダーを使用しますが、不慮の守秘義務違反を防ぐ為、個人名は使わず参照番号を用います。個人情報は個人ファイルで記録、紹介し、サービス記録及び向上のための基本的な統計情報は匿名でデータベースに保管します。

20.3 責務

20.3.1 OISTクリニック

20.3.1.1 OISTクリニック管理者
事務局長は、OISTクリニック所属専任医師の中から一名、管理者を指名します。OISTクリニック管理者は、クリニックを管理し、適切な管理手続きを確立し、必要に応じて監督する責任を担います。

20.3.1.2 OISTクリニック内の出納責任者
事務局長は、OISTクリニック所属職員の中から一名OISTクリニック内の出納責任者を指名し、徴収した診療費を出納し、保管する責任を担います。

20.3.1.3 OISTクリニック内の出納担当者
OISTクリニック内の出納責任者は、前項の出納事務について、所属職員のうちからOISTクリニック内の出納担当者を指名してその事務を行わせることができます。

20.3.1.4 OISTクリニックの出納管理
20.3.1.4.1 診療料金の厳格な出納保管に供するため、事務局長はOISTクリニック内にクリニック用小口現金を設置します。小口現金の管理については、PRP26.3.1.5から26.3.1.12の規定に定めます。

20.3.1.4.2 前項に定める小口現金は、クリニックの診療費精算以外の目的で使用してはなりません。

20.3.1.4.3 キャッシュレス化の進展及び利用者の利便性向上のニーズを鑑み、OISTクリニックにおいて診療費のクレジットカード等決済も可能とします。クレジットカード等決済を適正かつ安全に運用するため、出納担当者は、週次又は月次で決済取引を集計及び照合し、報告書を出納責任者に提出し、確認及び承認を受けます。また、OISTクリニックの出納責任者は、毎月末、出納に関して証拠となる領収書その他の書類等を添付したクレジットカード等決済出納報告書を作成し、財務ディビジョンの出納責任者に提出するとともに承認を受けなければなりません。

20.3.1.4.4 OISTクリニックの出納責任者は、全てのクレジットカード等決済の取引記録を適切に管理及び保存することとします。

20.3.1.5 診療費
OISTクリニックは、診療修了後、厚生労働大臣が定めた診療費を受診者に請求します。受診者は、受信後窓口でその診療費を支払わなければなりません。

20.3.2 OIST保健センター

20.3.2.1 OIST保健センター
OIST保健センターは、労働安全衛生法及び学校保健安全法で定められた健康診断を企画、運営します。

20.3.2.2 学生および職員
学生及び職員は、労働安全衛生法及び学校保健安全法に定められた健康診断を受診しなければなりません。
なお、健診については別途定めます。

20.3.3 がんじゅうサービス

20.3.3.1 がんじゅうサービス
がんじゅうサービスは、日本の法令、本学の規程・手続き及び臨床スタッフが公認を受けている専門機関の専門的な実施ガイドラインに従います。がんじゅうサービスの臨床心理士のうち、学長に監督を任じられたものは、適切な管理手続きを確立し、スタッフの監督を行う責任があります。

20.4 手続き

20.4.1 OISTクリニック

20.4.1.1 診療時間
OISTクリニックの診療時間は、OISTクリニックのウェブサイトに示されます。なお、やむを得ない事情により変更されることがあります。

20.4.1.2 予約
受診するためには、受診前にメールや電話で予約をする必要があります。緊急の場合はその限りではありません。

20.4.1.3 料金
OISTクリニックの診療には公的医療保険が適用されます。トラベルワクチン接種等、保険が適用されない一部診療は自由診療となり、全額自己負担となります。

20.4.1.4 場所
OISTクリニックは第4研究棟C階16で診療を行います。

20.4.1.5 他院への紹介
OISTクリニックは、必要に応じ、専門医・高次医療機関を紹介します。

20.4.2 保健センター

20.4.2.1 開室時間
OIST保健センターの開室時間は、OIST保健センターのウェブサイトにて示されます。ただし、やむを得ない事情により変更されることがあります。

20.4.2.2 場所
保健センターは、第4研究棟C階12にてサービスを提供します。

20.4.3 がんじゅうサービス

20.4.3.1 開室時間
がんじゅうサービスの開室時間は、がんじゅうサービスのホームページにて示されます。ただし、やむを得ない事情により変更されることがあります。不定期サービス(ワークショップ等)は、がんじゅうサービスの職員の裁量により、夜間や休日に提供されることがあります。

20.4.3.2 面談予約
面談の予約は、予約申込フォーム(がんじゅうサービスのウェブサイトから入手可)を電子メール、直接訪問、又は入口ドアの外にある郵便受けに投函して提出することにより行えます。また、正式にサポートが必要かどうか、または望んでいるかどうか判断に迷い、予約申込フォームを提出する前にまず臨床スタッフに相談したい場合は、電話、メール又は直接訪問で気軽に問い合わせることもできます。

20.4.3.3 場所
がんじゅうサービスは、プレジデントハウスにてサービスを提供します。

20.5 様式

20.6 連絡先

20.6.1 本方針の連絡先

事務局長
大学コミュニティーサービス・ディレクター

20.6.2 その他の連絡先

OISTクリニック
OIST保健センター
がんじゅうサービス

20.7 定義