沖縄科学技術大学院大学が「第2回 OIST International Graduate School Administration Forum」開催:
-18 大学および内閣府から計 33 名が参加し、国際的な大学運営の未来について議論 -
-18 大学および内閣府から計 33 名が参加し、国際的な大学運営の未来について議論 -
11 月 26 日から 28 日にかけて、沖縄科学技術大学院大学(OIST)主催の「第 2 回 OIST International Graduate School Administration Forum」が OIST メインキャンパスで開催されました。全国の国公私立 18 大学と内閣府から計 33 名の参加者を迎え、2 日半にわたって大学運営の高度化や国際化、そして日本の高等教育が直面する新たな課題について活発な議論が交わされました。
開会にあたり、OIST 幹部による歓迎の挨拶と研究科⾧による本学研究科の概要説明があり、フォーラムの全体像と趣旨が明確に示されました。続くアイスブレイクでは、参加者同士が早い段階で打ち解け、おだやかで話しやすい雰囲気が生まれました。この空気がその後のプログラムにも引き継がれ、大学の垣根を越えた率直な対話が自然に行われる土台となりました。こうした「開かれた雰囲気」の中、各大学が直面する「高等教育における国際競争力の強化」という共通課題について、実務者ならではの視点から建設的な議論が進められました。
今回のフォーラムでは、学生のリクルートメントと流動性、産学連携教育、学生支援、そして大学事務職員の主体性向上といった幅広いテーマが扱われました。OIST 側は既成の枠組みを提示するのではなく、各テーマを議論の出発点として共有しました。そして、講演、キャンパスツアー、ワークショップ、アンストラクチャード・ディスカッション(自由討議)など多様な形式を織り交ぜ、参加者が互いの経験を共有し合い、議論を深められる機会を提供しました。
本学の大学院の特徴の一つは、この 10 年でほぼ一からプログラムを築いてきた点にあります。その結果、既存の制度にとらわれず、学生募集や学生支援、カリキュラム設計、産学連携教育、組織運営など、多様な領域で新しい取組が次々と生まれています。OIST では、こうした取組の多くがすでに通常の運営として機能していますが、日本の高等教育全体では、なお新しい発想として受け止められるものが少なくありません。
本フォーラムでは、これらの実践を紹介するだけでなく、「なぜその方針に至ったのか」「どのような考え方で課題に向き合ってきたのか」といった、取組を支える思考の背景にも目を向けました。参加者からは、OIST が現在行っている施策以上に、その意思決定を支える文化や姿勢を知ることに大きな価値を感じたとの声が多く寄せられました。
また、参加者が本学研究科の職員と直接対話できた点も大きな意義がありました。コーヒーブレイクやキャンパスツアー、食事の時間、各セッションでの何気ない会話を通じて、OIST の事務組織の実像が具体的に伝わり、各大学が抱える課題や工夫について率直に意見を交わすことができました。現場を支える職員同士が肩書を離れ、実務者同士の視点で率直に語り合える貴重な機会となりました。こうした交流のなかで、OIST を含む参加者同士が互いに力を合わせながら、大学運営の課題に取り組む道筋についても活発に議論されました。
参加者からは、OIST の運営を間近で見ることができたこと、日本における国際的な大学院運営の成功事例と現状の課題を率直に共有できたこと、全国の大学の多様な視点に触れるなかで自大学の位置づけを見つめなおす機会になったことなど、多くの前向きな声が寄せられました。こうした声が示すとおり、本フォーラムは、多様な視点を持つ参加者同士が理解を深め、学びを共有する場となりました。
閉会にあたり、OIST 学⾧のカリン・マルキデス博士は、日本の大学が国際連携を強化するためには、継続的なつながりと相互の学びが欠かせないことを強調しました。参加者の多くが、今回築かれた関係を今後の協働へと発展させたいと意欲を示しました。
フォーラムを振り返り、参加者の一人は次のように語っています。
「本フォーラムは非常に示唆に富んだものでした。課題やアイデアを率直に共有することの意義を改めて実感し、今後、OIST と本学との連携がさらに進展することを心から期待しています。」