OISTの研究者2名がHFSPアクセラレータ助成金に採択

国際共同研究で、生命科学と地球環境研究の最前線へ

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の教員2名が、国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP) の2026年度 アクセラレータ助成金に採択されました。

HFSPは、国境を越えた革新的な生命科学研究を支援する国際的プログラムで、今回の採択は、OISTが関わる国際共同研究のさらなる発展を後押しするものです。

HFSP アクセラレータ助成金は、前年にHFSP研究助成を受けた国際研究チームを対象に、新たな共同研究者を1名迎え入れることを可能にする制度です。昨年から3年間のパイロットプログラムとして始まり、研究に新しい専門性や視点を加えることで、より大胆で学際的な研究を生み出すことを目的としています。

HFSPは1989年に設立されました。世界的にも評価の高い基礎研究支援プログラムとして知られ、これまで31名の研究がノーベル賞につながっています

海の生きものの「見え方」に迫る

サム・ライター准教授(計算神経科学ユニット)が参加するのは、イカや環形動物などの海洋無脊椎動物の視覚情報処理を調べる国際プロジェクトです。こうした動物は、私たち人間とは異なる視覚システムを持っています。この研究では、英国やスウェーデンの研究者と協力し、海洋無脊椎動物の複雑な視覚情報の収束的処理を理解することで、「見る」という能力がどのように進化してきたのかを解き明かそうとしています。

生物が環境をどのように認識し、行動につなげているのか、その理解につながる研究です。

温室効果ガス削減のヒントを、微小な細菌から

オレグ・シッツェル准教授(海洋構造生物学ユニット)が参加するのは、大気中のメタンを栄養源として利用する細菌(メタノトロフ、特に大気メタン酸化細菌 atmMOB)に注目した国際共同研究です。

メタンは、二酸化炭素よりも温室効果が高いガスとして知られています。こうした細菌の働きは気候変動対策の観点からも注目されています。この研究では、最先端のイメージング技術であるクライオ電子線トモグラフィーを用いて、 細菌の内部構造をナノスケールで観察します。

メタン濃度や温度が変わると、細菌の細胞内構造がどのように変化するのかを詳細に調べることで、本研究は、将来的に気候変動の抑制に役立つ可能性のある基礎的な知見を得ることを目指しています。気候変動は、海洋生態系の安定を揺るがすサンゴの大規模な白化など、深刻な影響をもたらしています。

今回のHFSP Accelerator Grants採択により、OISTの研究者は、それぞれの専門性を発揮し、生命科学の基礎的な問いを深める研究から、地球環境という喫緊の課題に向き合う研究まで、国際的な研究をさらに発展させていきます。

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