OIST教授2名がHFSPグラントを受賞

OIST教授2名を含む研究チームが、極めて競争率が高く、名誉あるヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)のプログラム・グラントを獲得しました。

 この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のグレッグ・スティーブンズ准教授(アジャンクト)政井 一郎准教授が、プリンストン大学のジョシュア・シェイヴィッツ教授と共にヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)の研究助成金を受賞しました。

 アムステルダム自由大学の教授でもあり、本研究助成金の申請にあたり中心的な役割を果したスティーブンズ准教授は、「目を見張るような鳥の大群や魚の群れ、そして群衆にいたるまで、集団行動はあらゆる分野の科学者の興味を引きつけてきました。」と言い、「群れで泳ぐゼブラフィッシュを観察することで、その動態を遺伝子や神経回路の基盤に関連付けて考察することができます」と説明します。

 極めて競争率の高い、名誉あるHFSPのプログラム・グラントを獲得した同研究チームには年間35万ドルが支給されます。プログラム・グラントは共同作業を通じて新たな研究分野を開発する科学者のチームを対象とした助成金です。応募数871の趣意書から選出された87件が正式な申請書の提出に至り、最終的に、スティーブンズ准教授・政井 准教授・シェイヴィッツ教授の研究チームを含む25チームの研究が採択されました。同チームの研究テーマは「The physics of social behavior in the 3-dimensional shoaling of zebrafish (ゼブラフィッシュの三次元魚群における社会的行動の物理的特性)」です。

 政井准教授は本研究の特色を、「統計物理学から導き出された理論的概念と3次元運動追跡を生物学的知見と組み合わせたもの」と説明し、「魚類の行動を高い次元で理解し、説明するために最適なコラボレーションです」と言います。

 HFSPは、1987年に中曽根康弘首相(当時)が提唱した国際プロジェクトで、実施主体である国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構はフランスにあります。HFSP助成金は各国政府や評議員会の支援を受け、生命科学分野における国際共同による挑戦的な研究プロジェクトを助成することを目的としています。

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