2025年のOISTの軌跡

成長、イノベーション、研究、そして共創――多くの挑戦と発見に彩られたOISTの一年を、印象的な瞬間とともにふりかえります。

成長の一年

2025年には、OIST史上最多の博士課程入学生を迎えました。また、卒業生は累計で200名に達しました。

さらに、数学から応用材料、エネルギー科学まで、幅広い分野で6名の新教授が着任しました。

ここでは、OISTが歩んだこの一年間の成長を振り返ります。

大きな反響を呼んだ最先端研究

2025年、OISTの研究は世界中で注目を集め、ニュースやSNSを通じて広く発信されました。ここでは、今年特に大きな反響を呼んだ研究ハイライトを10件ご紹介します。

英語圏で注目された研究トップ5

国内で注目された研究トップ5

沖縄のイノベーションエコシステムを強化

技術移転から起業家育成、産学連携まで―ここでは、OISTのイノベーションに関する注目すべき5つの成果をご紹介します。

地域とともに未来を共創

この一年、OISTは教育から文化交流までアウトリーチ活動を拡大し、幅広いコミュニティとともに新しいアイデアを生み出し、未来を形づくる「共創ハブ」としての役割をさらに強化しました。

  • 読谷村にOISTサイエンススタジオを開設:読谷村の新しい図書館内に、学外では初となる常設の科学体験スペース「OISTサイエンススタジオ」をオープンしました。
  • 漁業者のウェルビーイングへの取り組み:地域コミュニティと協力し、気候変動と漁業者のウェルビーイングに焦点を当てた学際的研究を進めています。沖縄全域の漁業者から得た知見をもとに、漁業者、行政関係者、研究者を集めたワークショップを開催し、沖縄の漁業の未来と持続可能な社会生態システムを議論する新しい場を創出しました。
  • 沖縄の農業を支える学生たち:iGEM沖縄チームは、沖縄のマンゴー農園を脅かす害虫を検出するDNAベースのシステムを開発しました。地元農家の協力を得たこのプロジェクトは、パリで開催されたiGEM大会でゴールドメダルを獲得しました。
  • 伝統の知恵を未来へつなぐ:OISTの科学者は、地元の職人と協力し、沖縄の伝統的な織物「芭蕉布」と、その原料植物であるイトバショウを研究。通気性や柔軟性といった特性の科学的根拠を明らかにしました。このプロジェクトは沖縄の職人技を保存しながら、持続可能な繊維素材を探求し、伝統の知恵と最先端科学を結びつけています。

【番外編】

…「イカチュウチュウ」がSNSでバズりました。
OISTの科学者は、野生のアオリイカの胃や腸から2種の新しい寄生虫を発見し、命名しました。学名ではないものの、和名については、研究チームの一人が二人の娘の助けを借りて「イカチュウチュウ」という名前を考案。新種のサナダムシの特徴を絶妙に表現したこの名前はX上で大きな話題となり、アート作品、限定ビール、さらには専用の楽曲まで生み出されることに。

…OIST研究者のトレーディングカードがあることをご存知でしたか?
OISTのCOI-NEXTプロジェクトに参加する17名の研究者とその研究テーマを紹介するトレーディングカードを制作しました。科学を楽しく、身近に感じてもらうことが目的で、限定配布されました。

…サンゴの死滅をくい止めるには氷が何個必要でしょうか?
大阪・関西万博で展示では、「科学の質問コンテスト」を実施しました。合計で164の質問が寄せられました。「なぜ自然を見ると泣きたくなるの?」から「海の水はなくなることがあるの?」まで、多彩な問いが投げかけられました。選ばれた質問にはOISTの研究者がInstagramで回答しましたので、ぜひチェックしてみてください。

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