OIST、米国水中科学アカデミー(AAUS)の組織会員資格を取得
沖縄科学技術大学院大学(OIST)はこの度、米国水中科学アカデミー(AAUS: American Academy of Underwater Sciences)の組織会員として正式に認定されました。国内機関としては初の、そして唯一のAAUS組織会員となります。AAUSは、ダイビングの安全性と科学的厳密性に関して最高水準の基準を掲げる、国際的なネットワークです。
AAUSは、世界中の研究機関が安全かつ効果的に水中調査を行えるよう、科学潜水プログラムに関する厳格な基準を定めています。今回の認定は、OISTが長年にわたり、ダイバーの安全と研究の卓越性に取り組んできた姿勢を示すものであり、OISTの潜水プログラムが国際的な科学ダイバーのネットワークとつながることを意味します。こうした認定は、責任感や備え、専門性を重視する文化をさらに強化するものです。
AAUSによる認定は、OIST内外の科学潜水専門家で構成された「ダイビング・コントロール・ボード」の設置を含む、多くのOIST教職員による数年にわたる取り組みの結果です。同ボードは、ポリシー策定、安全管理、機材の整備、トレーニングなどを通じて、世界水準の運営体制を行っています。
AAUS組織会員となることで、OISTの潜水プログラムの運用体制が強化されるだけでなく、ダイバーに対するトレーニングの選択肢が広がったり、国際的な連携の機会も増加します。また、世界中の海洋研究者の受け入れをさらに円滑にできるようになり、研究者は国際的に認められた科学潜水の認可を取得する機会も得られるようになります。
OISTでは現在、「OIST-sea-neXus」ビルを建設中で、今回の認定はその完成を前にしたタイミングで発表されました。OIST-sea-neXusは、既存のOISTマリン・サイエンス・ステーションを拡張し、OIST研究者と国内外の共同研究者が利用できるモジュール式ラボスペースを提供することで、海洋科学分野におけるシナジーを促進します。
OISTのダイビングアンドボーティングセーフィティーオフィサーであるハンナ・リードさんは次のように述べています。「今回のAAUS会員認定は、OISTの海洋科学にとって重要な節目となります。しかし、安全を重視したレジリエントな潜水プログラムの構築は、終わりのない取り組みです。私たちは、継続的な改善に取り組んでいます。安全文化の醸成は、すべてのダイビング、すべてのトレーニング、そしてそこから得られる学びを通じて、常に進化し続けるプロセスなのです。」