地域に根差した科学発信と文化の共存をめざして
10月1日に、読谷村の学びと交流の拠点となる、読谷村総合情報センター「 ゆんラボ・未来館」がオープンしました。
開館に先駆けて、関係者や地域住民にお披露目する式典が9月27日に開催されました。同式典では新図書館の一角に設けられた沖縄科学技術大学院大学(OIST)による科学体験施設「OISTサイエンススタジオ」も初めて一般公開されました。多くの関係者や地域の方々、報道関係者が参列し、地元の子どもたちや青年会による伝統芸能も披露され、読谷村の新たな賑わいの拠点誕生を祝いました。
新たに生まれ変わった村立図書館は、収蔵能力をこれまでの13万冊から24万冊へと拡大することを目標とし、より充実した施設を目指しています。館内には集中して読書できる書斎のような学習室や、カフェエリア、テラス席、家族や友人とくつろげるような空間など、多様なニーズに応えるスペースが整備されており、誰もが気軽に訪れ、学びや憩いを楽しめる施設となっています。
同施設内に設けられた「OISTサイエンススタジオ」は、学外では初めてとなるOISTの常設スペースです。科学を身近に感じられるよう工夫を施したインタラクティブな体験型施設で、3つのスペースによって構成されています。
- エクスプロラトリー・エリア:五感を通じて科学の不思議や美しさを体感できる空間
- サイエンス・エリア:実験やワークショップで多様な科学アクティビティを楽しめる場
- イベント・エリア:セミナーや講演会など、交流や学びの場として活用可能
現在、OISTサイエンススタジオでは、OISTの研究や取り組みを紹介する展示をはじめ、県内各地のアリを地域と協力して調査する「OKEON美ら森プロジェクト」、読谷村の「石」を科学的な視点から学べるコーナー、VRを使ってやんばるの森を散策できる体験スペース、工作体験など、多彩なプログラムを展開しています。展示内容は今後も定期的に更新される予定で、さまざまなイベントも順次開催される予定です。
式典で、OISTのカリン・マルキデス学長は次のように述べました。「OISTは、読谷の皆さまや訪問者の方々がOISTサイエンススタジオで活発に交流してくださることを期待しています。村民の皆さま、そして次世代の子供たちにとって、常に新たな発見に出会える場となることを願っています。また、大いなる志とビジョンを持つ読谷村の皆さまに、このような機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。」
また、石嶺傳實読谷村長は次のように述べました。「OISTの知見を活用した新たな施設が誕生しました。未来を担う世代がここで新しい価値観を育み、多くの人々に愛される場所になることを心から願っています。」
OISTは、地域に根差し、科学と文化、そして地域社会が交わる新たな拠点として、今後も積極的に参加していき、新たな文化の形成に貢献していきます。
開館セレモニーの様子はこちらからご覧いただけます。
https://www.flickr.com/photos/oistedu/albums/72177720329339103/