私たちの取り組み
マンゴーとアザミウマの物語
沖縄のマンゴー農園では、農家が毎年直面する課題があります。それが「アザミウマ」と呼ばれる小さな害虫です。特にマンゴーの成長初期に現れ、なかには無害な種類(YT型)もいますが、侵略的な種類(C型)は果実に深刻な被害を与えます。
沖縄のマンゴー農園では、農家が毎年直面する課題があります。それが「アザミウマ」と呼ばれる小さな害虫です。特にマンゴーの成長初期に現れ、なかには無害な種類(YT型)もいますが、侵略的な種類(C型)は果実に深刻な被害を与えます。
YT型(左)とC型(右)
肉眼では両者の区別がつかないため、農家は予防のために農薬を全体に散布することが多くなります。しかし、この方法ではコスト·労力·環境負荷が増加し、さらにアザミウマが農薬に耐性を持つリスクも高まります。
私たちは農家の皆さんに直接話を伺い、より精密で環境に優しい、そして生物学的なアプローチが求められていることに気付きました。そこで私たちは、「生物学+工学(合成生物学)」の力でこの問題を解決するスマートなソリューションを目指しています。
農薬への抵抗性と環境への負担
私たちiGEM Okinawaは、沖縄県内の3つの高等教育機関から成る学生チームで、合成生物学を用いて実社会の課題解決に取り組む国際大会「iGEM」に参加しています。恩納村のマンゴー農家での課題から着想を得て、より精密で生物学的な害虫管理システムを開発中です。
私たちの目標:
これらを、実際に沖縄のマンゴー農園で採取したアザミウマで実証試験を行う予定です。
美味しいマンゴー、キレイな環境
iGEM(International Genetically Engineered Machine)とは、世界最大規模の合成生物学の大会です。学生たちがチームで協力し、合成生物学を活用して実社会の課題を解決することを目的としています。
毎年50カ国以上・400以上のチームが参加し、パリで開催される大会のグランド・ジャンボリー(2025年10月28~31日)で成果を発表します。学生、教授、投資家、教育者、メディアなど5,000人以上が集まる国際舞台です。
詳細は iGEM公式サイト をご覧ください。
iGEMは単なる研究発表ではなく、以下の多面的な観点から評価されます:
チームには金、銀、銅のメダルが授与され、さらに「教育」「サステナビリティ」「ハードウェア」などの分野で17種類の特別賞が用意されています。
合成生物学は、生物学と工学を融合し、「スマート細胞」と呼ばれる有用な機能を持つ細胞を設計·構築する分野です。DNAをソフトウェアのようにプログラミングし、目的の働きを持つ細胞を作り出します。
例:
iGEM Okinawaでは、DNA組換え実験に関して日本のカルタヘナ法などの法規制を遵守し、安全性と倫理性を重視しています。iGEMが定める国際的な安全基準にも則り、研究内容を透明に公開することを大切にしています。
私たちの目的は、単なる技術革新ではなく、地域社会との信頼構築と人と環境に優しいソリューションの実現です。
iGEM Okinawaは、沖縄県内3つの高等教育機関の学生が主体となって活動するチームです。2025年10月、パリでのGrand Jamboree出場を目指していますが、その参加には以下の費用がかかります:
· グランドジャンボリーのチーム登録費:5,500ドル(約80万円)
· グランドジャンボリーの個人参加費:1人あたり625ドル(約9万円)
· その他の費用:
研究材料費、活動費、およびグランドジャンボリー参加のための渡航費や宿泊費
これらは、個人や大学の支援だけでは十分に賄うことが難しく、個人·企業·団体の皆さまからのご支援を必要としています。
皆さまのご支援により、沖縄発のイノベーションを世界に届け、次世代の科学者·技術者の育成につなげることができます。
▶︎ ご支援の方法はこちら