OISTとWPI-AIMECの合同ワークショップ、海洋生態系の変化を探る

研究者たちが集まり、生息環境の変化、気候変動に起因する海洋環境の変動と海洋生態系の適応について議論

2025年11月20日~21日に沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催された「2025 OIST x WPI-AIMEC合同ワークショップ:”変化する海洋生態系: 生息環境変化の生物地理学と海洋学的変動への適応”」は2日間にわたり100名を超える海洋科学者を集めた、連携と知見創出の場となりました。

東北大学、JAMSTEC、ハワイ大学、琉球大学、長崎大学、トヨタコンポン研究所などを含む日本国内外の機関から105名の参加者が集まり、気候変動に起因する環境要因が海洋生物や生息環境をどのように再構築しているのかを研究する研究者にとって重要な交流機会となりました。

The seminar room hosts a well-attended session during the joint workshop.
合同ワークショップの期間中、セミナー室で開催されたセッションは多くの参加者を集めている。
© OIST/Andrew Scott
合同ワークショップの期間中、セミナー室で開催されたセッションは多くの参加者を集めている。

本ワークショップは若手研究者をプログラムの中心に置いたという点が特徴的でした。発表の多くはポスドク研究員や大学院生によって行われ、新しい視点を歓迎する環境が形成されるとともに、分野横断的な科学的対話が促進されました。

プログラムは幅広いテーマにわたって展開され、各セッションでは沿岸生態系の動態や海洋環境モニタリング、衛星および画像技術、そして海洋研究における協同的アプローチについて取り上げられました。そして発表ではサンゴ礁の微生物群集、深海生菌類のゲノムに関する新たな発見、デイリーに行われるサンゴ礁魚類の多様性に関するeDNAモニタリング、有害藻類大量発生のモデル化、沿岸水域におけるマイクロプラスチックの評価などといった研究が紹介されました。

これらのセッションは、科学的な複雑性だけでなく、海洋物理学、生態学、データサイエンスを統合したアプローチの必要性も浮き彫りにしました。

このワークショップでは、発表だけでなく、議論、ネットワーキングそしてアイディアの創出が重視されました。参加者たちは議論を通して将来の共同研究の可能性を見出し、共同研究資金の獲得を模索しました。

このワークショップのハイライトは、2日目に行われた「bold idea(大胆な発想)」ブレインストーミングセッションでした。参加者たちは、サンプルの採取技術や海洋プラスチック汚染への対処戦略、そして生態系の変化を理解するための新たなアプローチに関する革新的なアイディアを生み出しました。このセッションは地球規模の海洋問題に対して新たな解決策を生み出すという本ワークショップの姿勢を強調するものでした。

参加者は研究室の見学やネットワーキングディナーへも参加、専門的な繋がりの強化と新たな協力関係を構築する貴重な機会となりました。

The poster session draws participants into the Sea neXus, with the evening sky and indoor lights reflecting off the water.
ポスターセッションが開催されたSea neXusに参加者が集う様子。夕暮れの空と室内の照明が水面に反射している。
© OIST/Jeff Prine
ポスターセッションが開催されたSea neXusに参加者が集う様子。夕暮れの空と室内の照明が水面に反射している。

本ワークショップは、2021年から続く、そして現在はWPI-AIMECおよびJAMSTECの参加によってさらに強化されたOISTと東北大学の連携を再確認するものとなり、また学問分野や地理的な境界を超える海洋生態系の課題に取り組むうえでは、共同の努力がいかに重要であるかということが強調されるイベントとなりました。気候変動が海洋環境の変化を引き起こし続ける中、このような取り組みは海洋生態系の適応とレジリエンスの探求に従事する研究者をつなぐうえで重要は役割を果たしています。