風速推定のための新アルゴリズム

取り組んでいる課題 

数値気象予測は、気象衛星、気象観測所、ラジオゾンデ、ブイなどからの様々な観測データを用いて行われます。しかし、気象衛星による観測は地上の気象データを取得できません。また、多くの地上観測点は互いに大きく離れており、観測データに欠損部分が生じてしまいます。地上で発生する現象が風系に影響を与えることも多いので、地上観測を増やすことが重要です。特に、台風の境界層(地表付近)では十分なサンプリングが求められ、そのためには地上観測データの密度向上が必要です。しかし、地上観測の密度が不足しているために、天気予報の精度が低下しています。良質な観測データはより精度の高い予測につながるため、地上観測の強化が求められています。 

POC project (80 - Ravindran): Figure 1
図1:windy.comの数値気象予測モデルから得られた地球上の風パターン。

私たちの解決策 

本プロジェクトは、地上風観測の精度向上を目指しており、特に、地上風データを安価に推定する手法の開発に注力しています。このプロジェクトを通じて、低コストの観測技術と風速と風向を推定するアルゴリズムの開発を行います。この革新的なアルゴリズムにより、地球表面を広範囲にカバーする観測ネットワークを低コストで構築できるようにします。このアプローチによって風データの観測密度が向上し、局所的な風パターンの変化もより詳細に捉えることが可能になります。将来的には、これらのデータを数値気象予測モデルに組み込み、より精度の高い地域天気予報に活用することを目指しています。 

POC project (80 - Ravindran): Figure 2
図2:windy.comから入手した2023年8月4日の台風カーヌンの風パターン。沖縄は黒で示されている。