養豚場向け低コスト・低メンテナンスの スケールアップ高度排水処理装置の開発

取り組んでいる課題

養豚農場から排出される排水は、量が多く、有機物・リン・窒素の濃度が高い という特徴があります。従来の活性汚泥法では、曝気と余剰汚泥の除去が必 要であり、運用コストの70%を占めていました。養豚農家は、メンテナンスが少 なく、運用コストを削減できる排水処理法を求めています。 Proof of Concept Program / 日本語 また、排水中の硝酸塩として知られる窒素化合物は、適切な処理を行わずに 排出された場合、人間の健康や環境に悪影響を与える可能性があります。ある 調査によると、約30%の農家が現在の処理方法では排水規制の基準を満た すことができず、将来的に困難に直面することが予想されています。

POC Project (53 - Mami): Figure 1
図1.イオン交換膜で仕切られ、3つの電極を備えた2つの チャンバーを含むポリアクリル反応器からなる新しいシステム

私たちの解決策

私たちは、原排水中の有機物と曝気排水中の硝酸塩を同時に処理する新規 技術を開発していています。このシステムは、電極を介して呼吸する嫌気性微生 物を利用した2槽式で構成されています。 私たちは、2リットルの反応器を用いてラボスケールで概念実証実験を行い、その 後、沖縄県畜産研究センターの排水施設*1 で65リットルのシステムを3年間 運用しました。この成功を受け、ニッコー株式会社、沖縄県環境科学センター、 沖縄県畜産研究センターと共同で商業化を目指して、より大型の525リットル のスケールアップ反応器を建設して試験しました。 従来の方法と比べ、このシステムは嫌気性条件下で動作するため酸素供給が 不要なため電気代が安くなります。さらに、余剰汚泥の発生も最小限に抑えら れます。このシステムは、既存の排水処理のみと比較して運用コストを20~50% 削減できる可能性があります。さらに、硝酸塩濃度が排出制限基準値以下に なるため、農家は将来の規制強化に対応することができます。

*1沖縄県が助成
POC project (53 - Mami): Figure 2
図2.リアクターの電極上で増殖する嫌気性バクテリアの 走査型電子顕微鏡写真