アイディアが行き交う場所: OIST–Keio Showcase Series Vol. 10 ハイライト
第10回OIST–Keio Showcase Talk Seriesは、流体力学をテーマに、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と慶應義塾大学の研究者が一堂に会し、2日間にわたる交流、議論を重ね、新たな発見が生まれる場となりました。本イベントは2026年3月11日・12日に開催され、教員による講演、ショートトーク、ラボツアー、ポスターセッション、ネットワーキングディナーを組み合わせたプログラムを通して、両機関が進める研究活動と協力関係を多角的に示す内容となりました。本イベントは J-PEAKS プログラムの一環として開催されました。
初日は、OISTのプロボストであり教授でもあるエイミー・シェン氏による開会挨拶で幕を開け、分野横断的な視点と対話を重視する本シリーズの趣旨が示されました。続いて、慶應義塾大学およびOISTの教員による講演が行われ、流体力学を多様な切り口から捉えた研究が紹介されました。
午前中は慶應義塾大学の教員が登壇し、産業・化学プロセス、乱流、マイクロスケール輸送現象、惑星大気といった幅広いテーマを取り上げました。扱うスケールや対象は多岐にわたりましたが、ナノチャネルから地球規模の循環に至るまで、流体の運動を理解することが新たな知見や応用につながるという共通の視点が貫かれていました。
その後、OISTの教員による講演が続き、理論・計算・実験を融合させた研究が紹介されました。乱流、複雑流体、圧縮流、マイクロ流体力学といった分野における基礎的な課題に光が当てられました。
午後にはセミナールームを離れ、研究現場を見学するラボツアーが行われました。チャクラボルティ・ユニットおよびシェン・ユニットの案内により、参加者は実験設備や計測機器を間近で見学し、講演で紹介された研究アイディアがどのように実践へと結びついているのかを知る貴重な機会となりました。
2日目は、若手研究者に焦点を当てたプログラムで始まり、慶應義塾大学およびOISTの学生やポスドク研究者によるショートトークが行われました。進行中の研究や新たな研究の方向性が簡潔に示され、次世代の研究者たちのエネルギーと創造性を強く印象づけました。最後は、深潟康二教授による閉会挨拶をもって、第10回OIST–Keio Showcase Talk Seriesは幕を閉じました。
続いて、OIST Land neXusにてポスターセッションが開催され、30以上のポスターが展示されました。参加ユニットおよび研究グループの多様な成果が紹介され、会場では活発な議論や意見交換が行われ、分野を越えた新たなつながりが生まれました。
一日の締めくくりにはネットワーキングディナーが催され、参加者はリラックスした雰囲気の中で、セッション中に始まった議論をさらに深め、個人的・専門的な関係を築く時間を共有しました。
2日間を通じて、第10回Showcase Talk Seriesは、機関間のみならず、キャリアの段階や分野を越えた協働の重要性を改めて強調しました。インフォーマルな講演に加え、インフォーマルな議論、ラボツアー、交流の場を組み合わせることで、このイベントは新たなアイディアとパートナーシップが育まれる場を創出しました。
本シリーズの節目となる第10回開催は、継続性と勢いの両方を体現するものでした。また、流体力学の研究を推進し、ベテラン研究者から若手研究者までをつなぐ協働的な研究文化を支援するOISTと慶應義塾大学の共通の取り組みを改めて確認する機会となりました。