銅谷教授が、第9回立石賞特別賞を受賞
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の銅谷 賢治教授が、公益財団法人立石科学技術振興財団が主催する、第9回立石賞特別賞を受賞することが決まりました。
立石賞は、オムロン株式会社の創業者・立石一真氏および同財団初代理事長・立石孝雄氏の功績を記念し、2010年に創設された賞です。エレクトロニクスおよび情報工学の分野において、「人間と機械の調和」を軸に、社会に広く貢献する顕著な研究業績を挙げた研究者を顕彰するものです。授賞式および受賞記念講演は10月、京都にて行われる予定です。
今回の受賞は、銅谷教授が切り拓いてきた、生物が試行錯誤を通じて学習する仕組みに着想し、経験から行動を学ぶ人工知能やロボット研究が評価されたものです。同財団は授賞理由として三つの貢献を挙げています。まず「強化学習」の理論を発展させ、物理的な環境で自律的に行動を獲得するためアルゴリズムの基盤を確立したこと、そして、その理論をもとに脳の学習メカニズムの解明を進め、脳科学と情報工学を結びつける新たな学問領域の創出に貢献したこと、さらにOISTの学際的な教育プログラムを通じた人材育成と国際的な研究拠点形成を通して社会にも大きく貢献してきたことです。
銅谷教授は受賞の知らせを受け、「OISTで新たに始めた脳科学やロボット工学の研究がこのようなで評価いただけたのは大変有り難く光栄なことです。新たなラボの立ち上げから22年間、一緒にがんばって来てくれたラボメンバーや共同研究者の皆さんに大変感謝します。」と述べています。
銅谷教授は、東京大学で工学博士号を取得後、米国のカリフォルニア大学とソーク研究所で脳科学を学び、京都の国際電気通信基礎技術研究所(ATR)にて自律学習をするロボットの開発と脳の学習の仕組みの研究を行いました。その後、OISTの設立よりも前の2004年から、OISTの設立準備に当たる先行研究プロジェクトの第一陣として研究を開始。2011年のOIST設立と共に神経計算ユニットを率い、強化学習アルゴリズムの開発とその脳内機構の解明を目指して、工学的、そして生物的なアプローチの両面から革新的な研究を進めてきました。
OISTでは現在、脳が外界の状態を察知し行動を起こす仕組みを統一的に説明する理論を生むための実験と、そのためのAI技術の開発に取り組んでおり、人の運動技能や意思決定のしくみの理解やそれらを助ける技術への貢献が期待されています。
銅谷教授はこれまで、学術振興会賞や、塚原仲晃記念賞、文部科学大臣表彰科学技術賞や、国際神経回路学会Donald O. Hebb賞を受賞するなど、国内外で功績を認められています。