世界から選ばれた4社のディープテック・スタートアップ、沖縄で新たな挑戦を始動

OISTと地域との連携を活かし、農業、創薬、環境技術、医療機器の技術革新に挑む

OISTイノベーション・アクセラレータープログラムに採択された4社のディープテック・スタートアップが、約10か月間、OISTを拠点に活動します。農業、抗体医薬、環境技術、医療機器など、それぞれの分野で革新的な技術を開発する4社が、OISTや地域の企業などと連携しながら、沖縄を舞台に技術の実証と社会実装に挑みます。

農業、医療、環境、観光、海洋など、沖縄は、地域ならではの課題を抱える一方、新たな技術やアイディアを試す機会も広がっています。世界各地のスタートアップにとって、沖縄は、地域のパートナーとの連携を通じて、実際の現場で新しい技術を試し、新たな価値を生み出す「テストベッド(実証フィールド)」となる可能性を秘めています。

8月24日には、4社の代表がOISTに集まり、それぞれの事業や沖縄で取り組む活動を紹介する説明会が開催されました。本記事では、4社がどのような技術に取り組み、沖縄でどのような挑戦を始めるのかを紹介します。

MINORICA (ミノリカ)

植物の力を引き出し、稼げる農業を沖縄から
国内から参加するMINORICAは、植物の光合成を強化し、生育や収量の向上を目指す「植物強化技術」を開発しています。すでに全国100件を超える企業・生産者・研究機関で有償導入され、米、イチゴ、ブドウ、トマト、芋など、さまざまな作物で実証を進めています。沖縄では、県内企業や生産者と連携し、地域の農業現場で技術の実証と事例創出を進めます。「稼げる農業を沖縄から」を掲げ、持続可能で収益性の高い農業の実現を目指します。

MINORICA
MINORICA 創業者/CEO 平田 裕也さん
MINORICA 創業者/CEO 平田 裕也さん

KeKatu (ケカトゥ)

産業廃棄物を活用し、土壌を再生
スウェーデン発の環境テック企業のKeKatuは、工場などから出る産業副産物と有用な微生物を組み合わせ、土壌を再生する技術を開発しています。廃棄物を土壌改良材として活用することで、廃棄物の削減、赤土流出の制御、土壌の再生を同時に解決することを目指します。沖縄では、地域のバイオマス由来の灰などを用いた検証を進め、2027年には圃場での実証を計画しています。

Members of KeKatu
KeKatuのメンバー (左から) CTO マルセロ・タケハラさん 、CEO アヤネ・デ オリベイラ・マシェルさん、技術アドバイザー マックスウェル・モンサンさん
KeKatuのメンバー (左から) CTO マルセロ・タケハラさん 、CEO アヤネ・デ オリベイラ・マシェルさん、技術アドバイザー マックスウェル・モンサンさん

Castomize (キャスタマイズ)

4Dプリンティングで、次世代のギプスを
シンガポール発のメドテック企業Castomizeは、患者の体に合わせて成形できる4Dプリント製の整形ギプスを開発しています。患者の快適性を高めるだけでなく、医療従事者の装着作業を簡略化し、再調整して使用できることで、医療現場の負担やコストの削減にもつなげます。沖縄では、動物や高齢者、救急医療向けの新製品開発や臨床研究を進めるとともに、地域の医療・獣医療機関との連携を目指します。

Castomize
Castomize CEO アベル・テオさん
Castomize CEO アベル・テオさん

MyImmune (マイイミューン)

AIで人間の抗体を探し出し、創薬を加速
米国発のMyImmuneは、AIを活用して抗体医薬品の有望な候補を見つけるプラットフォーム「AbSapien」を開発しています。既存の抗体などを起点に、膨大な数の動物由来の抗体を探索し、人に適した有望な抗体候補を特定することで、抗体医薬品の開発に必要な候補探索の時間を大幅に短縮することを目指しています。 沖縄では、日本人の遺伝的特性に合わせた技術の最適化や、県内の研究機関・医療機関との連携を目指します。

世界から沖縄へ、OISTを拠点に

OISTイノベーション・アクセラレータープログラムは、国内外から有望なディープテック・スタートアップを沖縄に誘致し、OISTを拠点として日本市場、そしてグローバル市場への展開や事業成長を支援するプログラムです。 2018年度に沖縄県の支援によって開始され、2024年からはさらに国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する「競争の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の支援を受け、規模を拡大しています。

採択されたチームには、最大1,000万円の助成金をはじめ、個別メンタリング、投資家とのマッチング、OISTの最先端設備・施設の利用など、技術を事業へと発展させるための支援が提供されます。

4社それぞれの技術と、沖縄という新たなフィールドとの出会いから、どのようなイノベーションが生まれるのか。これからの挑戦にご期待ください。

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