老化および老化関連疾患マーカーの応用研究

取り組んでいる課題

老化は様々な身体機能の低下を引き起こし、健康を害したり病気や怪我が治り にくくなるリスクを高めます。基礎老化研究者の間では、生物学的な老化の進行 度には個人差があることは以前から認知されていますが、それを客観的に評価する 指標はまだ確立されていません。 老化現象を生化学的かつ包括的に理解することは、その進行を遅らせたり、若返 りのための対策を考案する上で極めて重要な手がかりとなります。また、老化の進 摂取なし 摂取あり 1. 血液サンプルの取得 行に伴ってリスクが増加するフレイルや認知症などの疾患の発生メカニズムの解明 にもつながると期待されます。従って、老化に伴う生理機能の変化を手軽に知る技 術は、健康長寿社会の実現に寄与すると考えられます。

私たちの解決方法

私はG0細胞ユニット(柳田充弘 現・名誉教授)にて老化および老化関連疾 患に伴う人の血液代謝の変化を研究してきました。メタボロミクス技術により、血 液や尿などの体液に含まれる代謝物(糖、アミノ酸、核酸などの分子量1,000 以下の低分子有機化合物)を網羅的に測定し、加齢や疾患によって変動する "バイオマーカー" の同定に成功し、論文発表および特許を出願して来ました。これ らのバイオマーカーは、老化や疾患に関連した生理機能の変化を反映している可能 性があります。バイオマーカーを正確に測定する技術は、個々人の老化および未病 対策の研究開発に役立つと考えられます。私はテクノロジーパイオニア・フェローとし て、私達の技術に興味をもつ分析メーカーや食品メーカー等と共同研究を行い、技 術移転およびライセンス契約を促進すると共に、その活動を持続的に行うための会 社の設立を目指します。

(右図: 機能性食品がバイオマーカーに及ぼす影響を調査 する実験モデル 筋肉機能、抗酸化作用、老廃物系などの各種 代謝物の定量データを網羅的に取得し、グループ 間で比較することにより、当該食品がどのバイオマ ーカーあるいはどのタイプの代謝に影響を及ぼすか を調べることができる.)

POC Project (56 - Teruya): figure 1