本研究開発課題では、細胞レベルからシステムレベルまでを対象に健康寿命の延長を目指している。研究対象は、細胞老化やアストロサイトによる脳機能低下といった老化や神経変性のメカニズムに広げ、機能を保持するための治療戦略も探究している。並行して、日常的なストレスモニタリングを可能にするラボオンチップ型バイオセンサーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)のバイオマーカー検出アッセイといった、より安価で利用しやすい診断技術を開発している。さらに、マルチオミクスやマイクロバイオーム研究を通じて、生物学的階層を横断する隠れた相互作用を解明し、レジリエンスや老化を制御する仕組みに迫っている。これらの取り組みを統合することで、分子レベルの知見、システム的均衡、革新的診断技術を結び付け、生涯にわたるウェルビーイングを支援する枠組みを構築している。
R&D Leader
Keiko Kono (OIST, Associate Professor)
Projects
グリア細胞を活用した加齢・認知症対策
アストロサイト由来の若返り因子を特定し、iPSCからアストロサイトへの分化を加速させることで、アルツハイマー病や加齢関連の機能低下に対する創薬および治療戦略を支援する。
PI: Yukiko Goda
細胞膜損傷改善によるヘルシーエイジング
膜損傷に起因する細胞老化を解明し、マーカーおよび低分子阻害剤を開発するとともに、サルコペニア、関節痛、認知症に対処する食品由来サプリメントの開発を進める。
PI: Keiko Kono
精密診断・環境モニタリング用小型ラボオンチップデバイス
リアルタイムでストレスをモニタリングできる携帯型コルチゾールバイオセンサーを開発。サブnM感度、1ドル未満の単価、生産スケール化を目標とする。
PI: Amy Shen
マルチオミクス・マイクロバイオームを用いた多国間ディープフェノタイピング
AIとロボティクスを駆使した自動化マルチオミクス研究室を構築し、大規模かつ国際的なフェノタイピングを実施。普遍的および集団特有の健康決定因子を明らかにする。
PI: Hiroaki Kitano
ALS診断用バイオマーカーツールの開発
iPSC由来運動ニューロンおよび患者CSFを活用し、ALSの早期診断および治療標的化を可能にするバイオマーカーを特定・検証する。
PI: Marco Terenzio