本研究開発課題は、ヒトの健康と環境の健康が不可分であるという仮説のもと、生物多様性のモニタリング、生態系レジリエンスの評価、自然および社会へのリスク予測を行うための分子的・デジタル的・フィールドベースのツールを開発している。サンゴ礁の環境DNA(eDNA)メタバーコーディング、魚類の環境RNAを用いた生物多様性や、海流のモニタリング、陸域生態系、土壌マイクロバイオームを対象とした新たな手法の開発などが含まれる。これらの研究は、環境プロセスを栄養や人間の健康に結び付けるものであり、これら世界初のシステムは迅速で拡張性が高く、費用対効果に優れたモニタリング方法を提供するとともに、気候変動が生態系に与える影響を理解するための重要な基盤データを生み出す。沖縄を「生きた実験の場」として位置づけ、グローバルに展開可能なプロトコルを設計することで、生態系とコミュニティ双方の保全、気候適応、長期的レジリエンスに向けた実践的道筋を提示する。
R&D Leader
Timothy Ravasi (OIST, Professor)
Projects
eDNA/eRNA によるサンゴ礁魚類多様性モニタリング
eDNA および eRNA を活用し、サンゴ礁生態系における魚類多様性をモニタリングするための分子的・計算的プロトコルを発展させる。生物多様性インデックスやカタログを作成し、関係者に提供することで、沖縄における礁の保全や修復を支援する。
PI: Timothy Ravasi
サンゴ eDNA メタバーコーディング
琉球列島およびその周辺におけるハードコーラルを対象に、より効率的にサンゴ礁を調査するための eDNA メタバーコーディング手法を開発する。気候変動下における礁の健全性をモニタリングし、保全を強化するための分子ツールを提供する。
PI: Noriyuki Satoh
海洋プランクトン多様性統合モニタリングのためのツール・データベース開発
eDNA シーケンス、自動撮像、機械学習を統合したプランクトン多様性モニタリングツールを開発する。サンゴおよび魚類研究を補完し、統合的な海洋生物多様性モニタリングプラットフォームを構築する。
PI: Filip HUSNIK
土壌から植物、そして草食動物へ ― 健康の隠れた流れの解明
土壌微生物叢が植物の代謝物プロファイルをどのように形成し、それがさらに草食動物の健康にどのような影響を及ぼすかを解明する。環境プロセスを栄養や人間の健康に直接結び付け、農業や食料安全保障への応用を目指す。
PI: Chikae TATSUMI