横山 文秋
横山文秋は、細菌の細胞および集団を主な研究対象とする微生物学者です。大阪府立大学でペプチド化学について学んでいた学部生時代、極限環境下でも驚くべき多様性と頑健性を示す微生物について知ったことが彼の科学的好奇心をより強く刺激しました。極限環境微生物を研究するために京都大学に移り、南極海や魚類腸内から分離された低温適応細菌を対象に、生物性ナノ粒子である細胞外小胞の生産に関する分子機構を研究して博士号を取得しました。この過程で、遺伝的に同一な細胞集団の中にも個々の細胞の不均一性が存在し、さらには細胞間で労働分担が生じることに強い興味を抱きました。個々の細胞を調べるために、ETH Zurich にてマイクロ流体デバイス工学分野に飛び込み、デバイスを用いた単一細胞解析技術を習得しました。その後、個々の細胞が作る集団を理解する技術を身につけるために、東京大学にてアクティブマター物理学分野で研究を行い、生育する細胞といった非平衡系における集団挙動の理解に挑みました。現在、「Stay unique!(自分らしくいこう!)」をモットーに、沖縄科学技術大学院大学にて微生物生命体動態グループを率いています。すべての人がそれぞれ異なる視点を持ち、その多様な見方を融合することで、個人の視点だけでは見えない生命の本質を明らかにできると彼は信じています。科学はチームワーク、コラボレーション、そして何よりもそれを支える他者へのリスペクトと自然を楽しむ心によって花開くものと考えています。
Research Group
Additional information
JSPS Transformative Research Areas (B): Life-Nonlife Transition
JST PRESTO: Dual Biological Potentials