侵略的外来カエルのリアルタイム検出に向けたエッジAIシステムの開発

取り組んでいる課題

オオヒキガエルやシロアゴガエルなどの侵略的外来カエルは、沖縄および周辺地域の生物多様性や生態系に深刻な影響を及ぼしています。これらの種は繁殖力が高く、陸域・水域の双方に適応して生息することから、短期間で分布を拡大する傾向があります。一方、現在は従来の手作業による現地調査やモニタリングに依存しており、広い範囲を継続的かつ効率的に把握することが難しいうえ、カエルが夜行性であることも相まって、時間・コストの面でも大きな負担となっています。その結果、外来種の定着や拡散を早期に検知できず、生態系への影響と管理コストがさらに増大する要因となっています。こうした背景から、迅速かつ広域に対応できるモニタリング技術の整備が大きな課題となっています。

POC project (84-Deligkaris): Figure 1
図1. 省エネルギー型AIセンサーにより、外来種の存在をリアルタイムで検出し、現地の駆除チームが迅速に対応できるようにします。

私たちの解決策

私たちは、侵略的外来カエルをリアルタイムで検知できる統合型のモニタリングシステムを開発します。小型のエッジAIデバイスを用いて、オスの繁殖期の鳴き声をリアルタイムで解析し、検知結果を中央のモニタリングプラットフォームへ即時に送信する仕組みを構築します。プロジェクトのシード期においては、省エネルギー型ハードウェア上で動作する最適化されたニューラルネットワークを開発し、現場でのリアルタイム処理の実現を目指します。これにより、従来方法で課題となっていた時間的・人的負担を軽減し、自治体などの行政機関や駆除チームに対して、判断に役立つ情報を迅速に提供できるようになります。また、エッジ処理を採用することで、運用コストの削減とプライバシー保護の両立を図り、AIを活用した新しい環境モニタリングモデルを構築します。

POC project (84-Deligkaris): Figure 2
図2. 沖縄における侵略的外来種シロアゴガエ ル(出典: iNaturalist)