2021-04-28

博士課程1年生がソフトバンク奨学金を獲得

この度、OIST博士課程1年生の澤田拓希さんが、ソフトバンクと日本国際教育支援協会(JEES)の奨学金プログラム「JEES・ソフトバンクAI人材育成奨学金」奨学生に選ばれました。

この奨学金制度は、修士課程1年次、またはOISTの場合は修士課程と博士課程を組み合わせたプログラムの1年次の学生を対象としています。同奨学金は、人工知能(AI)の研究を促進し、AIが新技術の開発や今後30年間に社会が直面する課題の解決にどのように活用できるかを明らかにすることを目的としています。

澤田さんは、全国から選ばれた100人の奨学生のうちの1人として、研究や個人的な目的で使用可能な奨学金100万円(約1万ドル)を給付されます。

澤田さんは、「この奨学金を受けることができて、とても嬉しかったです。私はAIではなく物理学の研究を行ってきたので、まさか選ばれるとは思っていませんでした。本当に大きなサプライズでした」と感想を述べています。

OISTの博士課程1年生の澤田拓希さん(23歳)は、この度ソフトバンク奨学金を獲得した

澤田さんは、OISTの博士課程を始める前は、慶應義塾大学の物理情報工学科の学士課程で、OIST量子物質科学ユニットでリサーチインターンをしました。

しかし、物理学のみならずAIにも関心が湧いてきたのです。「機械学習が持つ将来の可能性には、本当にワクワクします。OISTの魅力の一つは、1年目に3つの異なる研究ユニットでローテーションを行うことです。そのおかげで両分野の研究を経験することができ、その中で機械学習の分野に進みたいと判断しました。」

今回の奨学金の研究提案では、幼い頃からの宇宙への憧れと、新たに発見した機械学習への関心を織り交ぜました。澤田さんは、火星探査機のような宇宙探査ローバーが、機械知能を使ってリスク対価値を評価する方法を開発したいと考えています。

リスクと価値のバランスをとることは、人間が自動的に行っていることです。「例えば、2階建てのビルの最上階にいたとしても、普通は飛び降りないでしょう―それは、危険であることが予測できるからです。しかし、ビルが燃えていたり、地上にいる大切な人が怪我をしそうだったりと、状況が異なると飛び降りてしまうことがあります。飛び降りることのリスクは変わりませんが、価値が変わるからです」と澤田さんは説明しています。

人類がより多くの機械を打ち上げて新しい世界を調査し、探査していく中で、探査ローバーにもこの感覚を植え付けることが重要だと澤田さんは考えています。「このような機械には、危険を冒す価値のある行動とそうでないものを見極める能力が必要です。ですから私は、博士課程研究で人間がこの判断をどのように行っているのかを確立し、それをロボットに移植することを計画しています。」

澤田さんは、博士号取得後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米国航空宇宙局(NASA)のような国立の宇宙機関で働くことを目標とする大志を抱いています。

「従来の学術機関か産業界または政府機関のいずれにせよ、研究を続けて人類の知識を広げていきたいと考えています」と志を語っていました。

ヘッダー写真提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS

(ダニ・アレンビ)

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