Microwave masers and frequency combs for communications and sensing

取り組んでいる課題 

現代の技術は、衛星通信やGPSから地球物理学的マッピングや非GPS航法、遠隔探知やガスのマッピング、化学分析、医療画像診断に至るまで、さまざまな用途において、高精度の時間計測とセンシングを必要としています。単一周波数の干渉性単色光源であるレーザーはこれらの技術に不可欠であり、また、多数の周波数でレーザー発振する光周波数コムは新しいタイプの技術開発を可能にしてきました。一方で、マイクロ波周波数帯のセンシングおよび通信技術は、レーザーほど急速に発達しているわけではなく、メーザーやマイクロ波周波数コム(マルチメーザー)は非常に高価であるか、存在すらしないのが実情です。複数の周波数で干渉性マイクロ波放射を行う小型コンパクト光源を開発することで、多くのマイクロ波センシング/通信/イメージング技術に革新をもたらすことができます。従来の干渉性低ノイズマイクロ波放射源の欠点は以下の通りです。 

  • 非常に高価で大型 

  • 市販のマルチメーザー光源がない 

  • 発生方法が複雑 

POC Project (67 - Twamley): Figure 1
図1:フェライト磁石(YIG)を含むマイクロ波共振器が、入力マイクロ波をマルチトーンマイクロ波レーザーに変換する。

私たちの解決策 

私たちは、マグノンを用いてマイクロ波周波数コムを発生させる方法を発明しました。マグノンは、イットリウム鉄ガーネット(YIG)からなる結晶性の軟質フェライトから生成される干渉性スピン波です。小さなYIG球をマイクロ波共振器内に配置してマグノンを励起すると、単一のメーザートーンのみならず、さらに大きな励起によりマルチメーザー・マイクロ波周波数コムの発生が可能になります。この技術の利点は以下の通りです。 

  • マイクロ波トーン間の間隔を自在に調整可能 

  • 小型で安価、かつ室温で動作 

  • 従来設計とは異なり、発生するマルチメーザー放射は量子圧縮効果を示し、さらに高精度の測定が可能 

POC Project (67m- Twamley): Figure 2
図2:マイクロ波放射の周波数コム。マルチメーザーから放射される複数のマイクロ波周波数の概要図。