OIST事務国際化研修が大学間連携を強化する
今年で10年目を迎えたOIST事務国際化研修は、これまでに8大学から27名の事務職員を受け入れ、OISTでの実務経験の機会を提供するとともに、日本各地の大学との強固なつながりを醸成してきました。
同プログラムは最近、日本の研究力強化に資する大学間連携を支援するJ-PEAKS助成事業を通じて追加資金を受けました。これにより研修が拡充され、過去2年間において研修生の受け入れ数が過去最多となりました。
OIST事務国際化研修の責任者である齋藤 康平さんは次のように説明しています。「このプログラムは、OISTで培ってきた国際化の知見を日本の他大学と共有すると同時に、参加者がもたらす新しい視点やスキルを活用することを目的に創設されました。参加する国内の他大学や研究機関から学ぶことで、OISTの事務職員も業務を効率化し、仕事の質を高めることができます。」
研修生は、OISTの各部署と派遣元の所属機関の双方のニーズに基づいて選抜されます。応募者はTOEIC700点以上を有することが条件ですが、多くの人が英語力をさらに高める機会としてこの研修に魅力を感じています。大半は1~2年間、一つの部署で活動しますが、中には複数の部署で研修を受ける参加者もいます。
OISTでの研修期間中、研修生は様々なプロジェクトやプログラムに携わり、貴重な外部からの視点や専門知識を活かして貢献します。受け入れ先の部署は、法務や学生支援、広報、ワークショップ、教学部門人事、知的財産、外部資金、学術契約、地域連携、大学院入学者選抜・受入、教員関連など多岐にわたります。
一橋大学から参加した事務職員の木村 弘志さんは、教員担当学監オフィスで教員採用の支援に携わりました。
研修での経験について、木村さんは次のように話しました。「最も貴重だったのは、ウェブサイトや文書を通してではなく、実際に現場で働くことでOISTを内側から体験できたことです。現場に入り込んで業務に従事した経験を通じて、OISTの文化や価値観を理解し、そういった背景の中でOISTの強みと課題がどのように形成されているのかを学ぶことができました。」帰任後、木村さんは一橋大学の教務課 課長代理に就任する予定です。
研修生たちは、クラブ主催のイベントやティータイムなどの交流イベントに参加することも推奨されています。多文化環境の中でコミュニケーション能力を磨き、OISTの教職員や他の研修生たちとのつながりを築く機会となっています。
木村さんは次のように続けました。「特に有意義だったのは、OIST職員だけでなく、東京大学、東北大学、大阪大学、九州大学、奈良先端科学技術大学院大学、理化学研究所といったパートナー機関からの研修生たちとも交流できたことです。こうした交流を通じて、自分が所属する大学を新たな視点から見直すことができました。」
研修開始から6か月後には中間評価が行われ、進捗状況の確認や課題への対応を行います。研修終了時には、参加者は英語で最終プレゼンテーションを行い、自己評価を含む総合的な研修報告書を提出します。
九州大学の事務職員である大島 祐圭さんは、現在OISTの研究科で研修を受けており、プログラムについて次のように話しました。「OISTでの研修を通じて、英語でのコミュニケーション能力だけでなく、他者の意見を理解し、計画がどのように提案され推進されるかを把握する力も向上しました。これらは、私の所属大学の事務職員にとっても不可欠なスキルだと思います。」
2015年に東北大学と連携して始まったOIST事務国際化研修は、これまでに大阪大学や一橋大学、東京大学、理化学研究所、九州大学、奈良先端科学技術大学院大学、長崎大学などの機関から参加者を受け入れてきました。