OISTにおけるプロフェッショナル・キャリア・ディベロップメント (PCD)プログラムの拡充-J-PEAKSの支援で始まる博士人材育成の新たなステージ
OISTのプロフェッショナル・キャリア・ディベロップメント(PCD)プログラムは、博士課程の学生を対象に、これまで主に学術界でのキャリア支援に重点を置いてきました。近年では、J-PEAKSの取り組みを通じて、産業界やアントレプレナーシップなど、より幅広いキャリアパスの支援に向けてプログラムが拡充されています。
特筆すべきは、プログラム後半の上級フェーズであるPCD 2がJ-PEAKSの支援によって強化されたことです。新たなPCD 2は、学内研修を補完しつつ、学生が産業界のパートナーと交流する新たな機会を提供しています。また、個別化された研修機会やマンツーマンのキャリア相談を通じて、学生一人ひとりが自分の目標に沿ったキャリアパスを探求できるよう支援しています。
PCDプログラムは5年間の博士課程カリキュラムの必修科目であり、2つのフェーズに分かれています。
PCD1(1-2年次、2単位)
研究倫理、科学論文の書き方、コンピューティングなど基礎的スキルの習得および学生主体のグループプロジェクトを中心とした内容で、専任キャリアコーディネーターによるマンツーマンのキャリア相談も提供されます。
PCD2(3-5年次、2単位)
教育研修、企業訪問、インターンシップなど、学生のキャリア目標に沿って個別化された研修機会を提供します。PCD 2のこのような拡充は、J-PEAKSによる戦略的支援によって実現しました。
主な特徴と活動内容
• リーダーシップ研修(理論と実践)
• 教授法研修、教授法実習機会
• サイエンスコミュニケーション、チーム型プロジェクト
• キャリアフェア、企業訪問、インターンシップ
• 競争的研究費申請ワークショップ、アントレプレナーシップ関連セミナー、ネットワーキングイベント
日本の博士人材のキャリアを後押しする:戦略的支援により発展するプログラム
PCDプログラムは、日本における国際的な博士人材の採用・育成・定着を促進することを目的とした「OIST/NAIST外国籍博士人材の採用・育成サロン」構想と密接に連携しています。現在企画・開発中の本取り組みは、2026年4月に始動予定で、大学・産業界・行政を巻き込むマルチステークホルダー型のプラットフォームとして機能することが期待されています。
OISTは10月上旬に第2回キャリアフェアを開催し、学生が企業の研究者と交流できる貴重なネットワーキングの機会を提供しました。参加した学生と企業の双方から好評を得ています。昨年から始まったこのキャリアフェアは、外国籍博士人材の採用に関心をもつ日本企業を呼び込むことを目的としています。
今後の展望
OISTは、以下の取り組みを通じてPCDプログラムの質と持続性の向上に今後も取り組んでいきます。
• 提供コースの拡充
• 学内外の連携強化
• 雇用動向や学生ニーズの変化に応じた柔軟な対応
• キャリアパス探索支援の拡大
OISTプロフェッショナル・キャリア・ディベロップメント(PCD)プログラムの詳細はこちらをご覧ください。