ランダム行列理論に関する国際ワークショップを開催

去る4月15~21日にかけて、OISTで複雑系のランダム行列理論に関する第1回目のワークショップが開催されました。


ポスターセッション


ハイム・ソムポリンスキー教授による講義

 4月15~21日にかけて、OISTで複雑系のランダム行列理論に関する第1回目のワークショップが開催されました。この間、OISTシーサイドハウスでは固有値やGauss型集団の話で持ち切りでした。ワークショップには、9名の講師を迎え、世界中から集まった大学院生やポスドク研究員、大学教授が合計30名参加しました。OIST数理理論物理学ユニットの氷上忍教授が、物理生物学ユニットのジョナサン・ミラー准教授の協力を得て主催した今回のワークショップは、OISTで初めてとなる物理学に焦点を合わせたものとなりました。

 ランダム行列は、多くの不確実変数を伴う複雑系を正確にモデル化できる数学的手法です。ワークショップの講師の一人、シカゴ大学のポール・ウィーグマン教授(物理学)によると、ランダム行列理論(RMT)は今や大人気の急成長分野です。ただし同教授は、OISTで行われた今回のワークショップは、大半のRMTワークショップよりも学際的であったと振り返ります。というのも、このワークショップは、その理論の数学的側面だけでなく、生物学的・物理学的応用にも焦点を合わせていたからです。

 ワークショップはほぼ毎日午前中に物理学関連の講義が行われ、午後は生物学関連の講義が行われました。参加者らは、ポスターセッションで意見を交換したり、OISTキャンパスを見学する機会もありました。

 氷上教授は、ワークショップは予想以上の成果だったと述べています。「我々は、ヘブライ大学のハイム・ソンポリンスキー教授やポール・ウィーグマン教授から、OISTで行われて研究に直結する大変興味深い話を聞くことができました。参加者の中には非常に優秀な学生がいて、そのうちの何人かは9月にOISTの第一期生として入学予定です。」と、同教授は述べました。

ショーナ・ウィリアムズ

専門分野

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