SHIMA 2025

沖縄県内の高校生が、島の持続可能性について学ぶ

2025年8月20日~22日の3日間、STEM(科学、技術、工学、数学)、SDGs(持続可能な開発目標)、そして島の持続可能性への関心を育むことを目的としたワークショップ「SHIMA 2025」が開催されました。沖縄県内の高校から36名の応募があり、その中から17名が参加しました。また、沖縄県の支援により石垣島から2名の生徒が参加することができました。

初日には、参加者同士の交流を深めるアイスブレイキングセッションとして、OIST研究員Jamila Rodrigues博士による「Body Mapping」が行われました。参加者は等身大の自分のシルエットを紙に描き、海をテーマに色やイラストを用いて自分自身の経験や思いを表現することで、自分と海とのつながりを可視化し、地域や未来のために自分ができることを考えるきっかけとなりました。 本プログラムでは、OISTで活躍する科学者、地域で農業や海洋保護活動に取り組む専門家からの講義やデモンストレーション、体験学習が提供され、3日間を通して、生徒たちは「科学教育活動」「科学者とコミュニティとの関わり」「持続可能な島の生態系と文化の理解」というSHIMAの3つの柱をもとに、科学的視点からサステイナビリティについて学びました。

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アイスブレイキングセッション - ボディマッピング
アイスブレイキングセッション - ボディマッピング

恩納村でのフィールドワークでは、地元漁港を訪れ、年々衰退しているサンゴ礁の現状を観察し、持続可能な海の資源をどのように守るべきかを学びました。また、恩納村が取り組むSGDsの一環で取り組む「Honey and Coral Project」の講義では、赤土流出防止対策として植えられたベチバーの二次活用としてクラフト制作を体験し、海やサンゴ礁を守る地域活動について、実践的に理解を深めました。 さらに、持続可能な技術を活用した企業や研究の取り組みにも触れ、OIST発スタートアップ企業であるEFポリマーからは、干ばつが農業に与える深刻な影響を和らげる革新的な技術についての講義があり、また、水素エネルギーを活用した持続可能な社会づくりに向けた取り組みも紹介されました。 最終日には、参加者一人ひとりが3日間の学びを振り返り、成果を発表することで、地元の自然や文化に対する理解を深めるとともに、科学の力が環境保護にどのように貢献しているかを考える貴重なワークショップとなりました。

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恩納村にてグラスボート体験
恩納村にてグラスボート体験

ワークショップ参加者からは、「SHIMA2025で地元沖縄の自然を改めて理解することができ、地元の理解を深めることが出来ました。この経験を活かして自分の将来に向けて頑張っていきたいです。 」また、「このプログラムに参加したことで、以前よりもSDGsの理解を深めることができた。沖縄の自然を守るための企業の取り組みを知ることで科学の力が地球環境を守ることに大きく貢献していることがわかり、また、これからの持続可能な社会を構築するための研究者たちの努力に密接に関わることができた。」といった声が届きました。

今年で5回目の開催となるSHIMAワークショップは、多くの専門家や地域住民の協力により、科学と地域をつなぐ学びの場を提供することができました。参加者は、未来の持続可能な社会をつくる担い手として、大きな一歩を踏み出すきっかけとなりました。

 

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