グローバルを志向するディープテック・スタートアップと投資家が出会う2日間
昨年に続き2回目の開催となった本イベントは、グローバル展開を目指すディープテック・スタートアップと投資家、そしてOISTをつなぎ、沖縄からスタートアップ・エコシステムをさらに高めていくこと(Elevate)を目的とした国際カンファレンスです。
主催は、OISTにおいて研究に基づく技術開発とビジネス展開のハブとして機能するOIST Innovationと、OISTと連携するファンドを運用するベンチャーキャピタル、ライフタイムベンチャーズ。国内外から約500名のスタートアップ起業家、投資家、大学関係者がOISTに集まりました。
熱気に包まれたピッチセッション
イベントは2日間にわたり開催され、初日は「ヘルスケア・デイ」、2日目は「サステナビリティ・デイ」として、それぞれのテーマに沿ったピッチセッション、パネルディスカッション、ポスター展示、ネットワーキングなどが行われました。
中でも注目を集めたのが、各日のハイライトとなったピッチセッションです。事前応募で選ばれた計14のスタートアップが、約1か月間のメンタリングプログラムを経て磨き上げた7分間のプレゼンテーションを披露しました。審査には、国内外の著名な投資家やアクセラレーターがゲスト審査員として参加し、「ベストピッチ賞」や「ベストメンター賞」などが授与されました。
登壇企業の中には、OISTから生まれたスタートアップ34社も含まれています:
- Atierra Inc.:微細藻類とCO₂からオイルを生産し、化石燃料や食料由来のオイルに代わる持続可能な航空燃料(SAF)用フィードストックを提供
- Greenleaf Bio:バクテリオファージと合成生物学を活用し、化学農薬に代わる環境負荷の低い次世代作物保護技術を開発
- Kwahuu Ocean:小型イカの陸上養殖システムの製造・販売に取り組む
- Omics Collective:マルチオミクスデータの解析を通じて、身体・環境・心の健やかさと豊かさを実現するイノベーションを目指す
以下は、ピッチセッションにおける受賞者一覧です。
OISTとOIST Innovationの役割
OISTは2011年の設立以来、世界トップレベルの研究教育活動に加え、研究成果の社会実装にも力を入れてきました。これまでに合計35社のスタートアップを輩出しており、2024年度には締結されたライセンス10件のうち5件がスタートアップにつながっています。
イベントでは、OISTのギル・グラノットマイヤー首席副学長兼副理事長が、OISTのイノベーション戦略について講演を行いました。講演では、学内の専門家による技術移転支援、研究成果の事業化を支援する「POC(概念実証)プログラム」、起業家育成を目的とした「テクノロジーパイオニアフェローシップ」や「Innovation Acceleratorプログラム」などが紹介されました。
グラノットマイヤー首席副学長兼副理事長はイベントについて、「沖縄で開催することにより、我々がこの地に、人々が集まる魅力的なイノベーション拠点を築いている道のりを、皆さんに実際に見ていただくことができる」と語りました。
沖縄から世界へ
Startup Elevate 2025は、沖縄というユニークな場所から、世界に向けて革新を発信するスタートアップの可能性を示す場となりました。OISTは今後もとライフタイムベンチャーズをはじめ、様々な外部の専門家との連携を通し、は今後も、ディープテック分野で挑戦する起業家たちを支援し、グローバルな課題解決に貢献していきます。