有機材料の電荷生成経路

静止状態の分子軌道から電荷キャリアが生成される五つの経路を示すインフォグラフィック。

研究チームは、有機材料において最高占有分子軌道(HOMO)から最低非占有分子軌道(LUMO)、さらにイオン化に至るまでの電子励起経路をマッピングした。 

供与体・受容体間の光誘起電荷分離(CS)(A)、単一成分分子の直接光イオン化(E)、非共鳴多光子イオン化(NRMPI、D)はよく研究されているが、共鳴多光子励起経路(B–C)はほとんど注目されてこなかった。 

これらの状態では、電子が複数の光子を順次吸収し、各光子が電子をより高エネルギーだが短寿命の励起状態へ押し上げ、次の光子がさらに電子を押し上げる。NRMPIでは、電子は励起状態に到達せず、複数の光子によって「仮想」状態を経由しながらイオン化へ向けて一括して押し上げられる。

日付:
2025年12月5日
出典:
Oyama他(2025年)
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