2022-02-01

OISTと恩納村、企業版ふるさと納税を活用した地方創生の取り組みを開始

この度、沖縄科学技術大学院大学(以下OIST、学長:ピーター・グルース)は、沖縄県国頭郡恩納村(以下恩納村、村長:長浜善巳)と共同で、同村の地方創生の取り組みである地域再生計画「沖縄科学技術大学院大学学園プロジェクト推進事業エコロジカル・スマートリゾート実現プロジェクト」を発足いたしました。本プロジェクトは、日本政府の「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に係る寄附を行った法人に対する課税の特例」が適用され、これにより、企業のみなさまは、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を通じて、本プロジェクトをご支援いただくことができます。2022年度末までに5,000万円から1億円の寄附金を集めることを目標としています。

沖縄科学技術大学院大学学園プロジェクト「推進事業エコロジカル・スマートリゾート実現プロジェクト」とは

本プロジェクトは、OISTで行われている海洋科学研究を通じて、恩納村の貴重な観光・水産資源である美しい海を守り、恩納村のブランド向上を進めることで、恩納村全域の発展を推進することを目指しています。「海洋環境モニタリング・保全事業」と、「海洋環境研究成果等を活用した恩納村のブランド力向上事業」の二つの事業からなっています。

●海洋環境モニタリング・保全事業

本事業では、主にDNA解析技術を用いた3つの研究プロジェクトと、軽石の漂着問題に対する科学的知見の提供、そして、OISTの臨海研究施設である「OISTマリン・サイエンス・ステーション」にビジターセンターを開設することを目指します。

DNA解析技術を用いた研究プロジェクトとして、OISTが東京大学との共同研究によって開発した環境DNA解析法を使い、サンゴ礁をモニタリングしたり、そこに棲息する魚などの生物の生息環境アセスメントを行います。サンゴ礁保全の取り組みに科学的な知見や技術を提供することで、サンゴ礁とその生態系に依存する文化や産業に持続可能な発展を促します。

サンゴ礁は、全地球の海洋生物のおよそ4分の一が生息している、生物多様性の宝庫です。サンゴ礁を守ることは、恩納村のみならず、沖縄県、そして全世界の生物多様性の保護の取り組みに寄与するものとなります。

さらに、OISTが恩納村漁業協同組合および沖縄県水産海洋技術センターと共同で行った研究により進んだDNAの知見と技術により、恩納村および県内各地で主要な水産物となっているオキナワモズクの生産を向上させる技術を開発していきます。

沖縄本島地方の水産業、観光業、海運業に現在も深刻な被害を与えている軽石漂着問題については、物理的、海洋生態学的な観点から、軽石の漂流シミュレーションなどを実施し、恩納村および沖縄県による軽石対策事業に対してアドバイスを行うことを目指します。また、事態収束後を見据え、軽石が生態系に及ぼす影響の調査研究を行っていきます。

●海洋環境研究成果等を活用した恩納村のブランド力向上事業

本事業では、上記研究を含む、OISTの海洋環境研究について、特別講義やワークショップを実施するなど、研究の進捗状況や成果を積極的に情報発信することで、恩納村を海洋環境研究の世界的な中心地としてブランディングしていくとともに、リゾート地として知られる恩納村が、リゾートと共存する自然環境の保全と向上、持続可能な社会の実現に積極的に取り組んでいることを広く知らししめることで恩納村の長期的な経済基盤の整備に貢献することを目指しています。

企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。

2020年度からの制度改正により、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されています。(例:10万寄附すると、約9万円の法人関係税が控除されるため、実質1万円で地方創生プロジェクトを支援できる。)

恩納村では、2020年11月より、企業版ふるさと納税による寄附金を受け入れ、恩納村の特性を活かした創生推進事業を行ってきています。

沖縄県内では、現時点で企業版ふるさと納税を利用した大学のプロジェクトは例がなく、本件が初めてのケースとなります。

OISTと恩納村の企業版ふるさと納税プロジェクトについて

お問い合わせ先等詳細はこちらをご覧ください。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)について

先駆的大学院大学として、科学的知見の最先端を切り拓く研究を行い、次世代の科学研究をリードする研究者を育て、沖縄におけるイノベーションを促進する拠点としての役割を果たすことをミッションとして掲げているOISTは、2011年の設立以来、常に「沖縄の自立的発展」を中心テーマの一つとして取り組み、沖縄県の経済発展に貢献する取り組みを積極的に行っています。特にキャンパスが所在する恩納村とは、次世代教育や海洋研究などを通じて密接に協力し、地域貢献に努めています。

恩納村について

沖縄本島のほぼ中央部の西海岸に位置し、白い砂浜とサンゴ礁が広がる青い海が織りなす海岸線を有し、沖縄のリゾートブランド形成の先駆けとして知られています。2019年、SDGsの達成に向けた優れた取り組みを行う「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定され、サンゴを中心とした、自然環境にやさしい地域づくり、持続可能な観光リゾート地の形成に向けて様々な活動を行っています。

(大久保 知美)

広報や取材に関して:media@oist.jp