ATP (アデノシン三リン酸)が軸索の細胞質粘性を調節

ATPの量、軸索粘性、特定のタンパク質の凝集の間に明確な相関関係があることを示す図。

左上は、ALS に関連するタンパク質TDP-43(白い塊)のin vitro(試験管内)での凝集が、ATPの濃度(ミリモル、mM単位で測定)に依存していることを示している。同じことがin vivo(細胞内)でも示されており、ATP産生を促進するNMNで処理したALS神経細胞では、TDP-43凝集が少ない。右上は、神経細胞におけるATP濃度、軸索粘性、TDP-43凝集の相関関係を示している。

左下は、未処理のALS神経細胞(「CTRL」)とNMNで処理した神経細胞の細胞質粘性を示している。色の濃淡は蛍光分子の濃度を示している。丸で囲んだ部分にレーザー光による光退色処理を行うと、これらの蛍光は恒久的に失われる。細胞質の粘性が非常に高い場合、蛍光分子は容易に移動できず.その結果、 NMN処理を行った神経細胞 では、光退色後の蛍光回復が NMN処理を行わなかった神経細胞よりも高くなる。右下は、NMN処理の有無による、ALS神経細胞における軸索粘性(光強度の最大回復値である - Mobile fraction)と細胞内ATPレベルの定量化を示している。

日付:
2025年4月23日
出典:
ギヨー他(2025年)
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