2014-07-18

OISTの研究活動を支える女性スペシャリストたち

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)では、高度な専門知識と技術を備えた女性職員が活躍しています。研究支援スペシャリストと呼ばれるこの女性職員たちは、自ら研究を行うよりも、研究支援の立場から多彩な研究活動に助言、協力を行う道を選び、特殊な顕微鏡の操作から質量分析計を用いた測定まで、多岐にわたる技術を提供しています。学生や研究員が実験手法を習得したり、OISTが抱える驚くほど種類豊富な研究機器を使用する時にサポートを必要としますが、まさにこうした時が研究支援スペシャリストの出番です。「支援」という言葉の枠をはるかに超えて活躍する女性スペシャリストたちにとって、実験技術をより深く習得し、OISTで働く経験が、自らのキャリア形成に役立っているとそれぞれが感じています。

 古謝風花さんは、生物研究支援セクションに所属しています。同セクションでは、質量分析計や電子顕微鏡などの実験機器を用い、生命科学研究に関わる解析を行なっています。また解析に必要な機器の維持と管理も大きな役割の一つです。OIST着任前は、農作物の研究に携わり、亜熱帯気候で台風も多い沖縄において有効な農法の開発や、沖縄固有の農作物に、これまで知られていない有益な利用法がないかを模索する研究を行ってきた古謝さん。経済や農業の成長を通し、沖縄の持続的発展を願う古謝さんは、「将来は沖縄の産業に貢献できる人材となりたいです」と笑顔で話してくれました。現在は、同僚のマイケル・ チャンドロ・ロイさんとアレハンドロ・ビジャール・ブリオネスさんによる解析トレーニングに励みつつ、自らのスキルを用いてOISTで行われる幅広い研究に貢献できる日々を楽しみにしています。

 かつて宇宙物理学を専攻した物理研究支援セクションの添盛亜紀子さんは、OISTで行われる物理学研究の支援にまさに適任であり、すっかり溶け込んでいます。研究員との会話には、人柄や意見の中に、懐かしさにも似た共感を覚えることがあるといいます。物理研究支援セクションが行う研究機器の管理・操作は、OISTにとって必要不可欠なサポートであり、「研究を突き進める人々の支えとなることを希望しています」と添盛さんは語ります。

 海洋研究支援セクションの長谷川祐子さんは、OISTに着任する際、これまで紹介した女性スペシャリストの中でも最も大きなキャリア転換を経験したと言えるかもしれません。しかし、新たなことにチャレンジするのが大好きだと語る長谷川さんにとっては、またとない機会となりました。長谷川さんは、米国のウッズホール海洋生物学研究所において、ヒト生体内の微生物群を解析する新たなイメージング技術の開発を行ない、博士号を取得しました。現在は、ここOISTにて、沖縄海洋観測システムのメインテナンス、研究の一環として海での活動を行う研究員や学生を対象としたフィールドワークトレーニングの運用や、地元自治体や漁協との交渉・契約締結を行っています。「現在構想中のOIST海洋研究施設の設置など、新しい枠組み作りに大変関心を持っています」と話す長谷川さんは、研究支援というシステムそのものも自身の学びと考え、日々の活動に尽力しています。

 自らも科学研究の経験を持つ支援セクションの女性スペシャリストたちには、科学の発展に貢献したいという、共通の熱意が感じられます。OISTの研究活動の円滑な遂行は、前向きで献身的な女性スペシャリストの貢献なくしては実現できません。

(西岡真由美)

広報や取材に関して:media@oist.jp