佐藤矩行博士に弘前大学名誉博士号が授与されました

 去る2月2日、OISTマリンゲノミックスユニット代表研究者の佐藤矩行博士が、弘前大学(青森県)より名誉博士号を授与されました。授与理由として同校は、佐藤博士が日本を代表する生物学研究の第一人者であり、これまでに日本動物学会賞(1991年)、井上学術賞(1992年)、東レ科学技術賞(1994年)、日本進化学会木村資生記念学術賞(同)、生物の発生・進化と比較動物学の分野で大きな業績をあげた研究者に贈られる国際賞のアレキサンダー・コワレフスキーメダルを日本人研究者として初めて受賞したことを挙げています(2005年)。また、同博士が2006年には紫綬褒章を、2010年には米国発生生物学会が発生生物学の研究において優れた業績をあげた研究者に対して毎年1名選んで表彰する「エドウィン・グラント・コンクリンメダル」を日本人として初めて受賞したことについてもふれています。

 この他、弘前大学は、佐藤博士が研究者として優れているだけでなく、同大学農学生命科学部における生命科学研究水準の向上を願い、優れた研究成果を発表する学生を顕彰する「あすなろ賞」の設立(2008年)に貢献し、後継者の育成にも尽力していることなど、これまでの同博士の数々の業績を称え、名誉博士号の称号を授与しました。

※     「エドウィン・グラント・コンクリンメダル」授賞理由

  • 発生生物学の古典的な研究材料であったホヤの研究に、近代的な分子生物学の技術を導入して発生に関わる新たな遺伝子の働きを明らかにしたこと。
  • カタユウレイボヤのゲノム解読プロジェクトの先頭に立ち2002年に解読したこと。
  • ホヤゲノムの解読成功により、発生を複数の遺伝子の働きによって総合的に理解しようとする新たな研究モデルが確立され、ホ ヤが国内外の多くの研究者に使われるようになったこと。
  • 2008年にはナメクジウオのゲノムを 解読し、ホヤゲノムと合わせて脊索動物の起源と進化の道筋を明らかにし、150 年以上にわたって議論されてきた「脊椎動物の起源」の理解に大きな貢献をしたことをあげています。

 

※     佐藤博士について
 1969年弘前大学理学部卒業、1971年新潟大学大学院理学研究科修士課程修了、1974年に東京大学で理学博士号を取得。長年、京都大学大学院理学研究科で発生生物学の研究と教育に従事し、ホヤの研究に取り組んできました。2008年4月からOISTのマリンゲノミックスユニットの代表研究者として研究を行っており、最近では、沖縄の研究環境を活かして、ユニットの研究メンバーと協同でサンゴのゲノム解読を進めるなど、発生と環境を結びつける研究にも着手しています。(http://www.irp.oist.jp/satoh

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遠藤正彦学長から名誉博士号を授与される佐藤博士

 

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佐藤博士による受賞スピーチ

 

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大学関係者と佐藤博士

 

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