2014-05-16

OISTの女性技術員

 OISTの約50の研究ユニットでは、研究活動に貢献する技術員が総勢110名在籍しています。技術員の仕事は、膨大な研究データの整理や、生き物の飼育、実験操作に至るまで、多岐にわたります。それぞれの作業に適した経験や専門性を持つ人材が国内外から集まり、多彩な個性にあふれた職種でもあります。仕事についてやりがいを訊ねると、誰もが活き活きと回答し、仕事との縁について興味深いエピソードを披露してくれました。

 神経結合の形成と制御研究ユニットの吉川征子技術員は、生命現象の探求に関心を持ち、大学では生物科学を専攻しました。理化学研究所で9年の経験の後、OISTに拠点を移した吉川技術員は、「分野の枠組みを超え、様々な生命科学研究に関わることができるのが技術員の利点の一つです」と語ります。現在はショウジョウバエを用い、神経ネットワークに関わる遺伝子機構を解析する同ユニットにおいて、DNAを扱う実験などを行なっています。また、県内の高校生を対象とするOISTキャンパスツアーでは、研究紹介を行なう機会を得ました。「やるからには何かを得るように」という横倉隆和研究リーダーの前向きな姿勢は、様々なことに挑戦したいと考える吉川技術員にとって、いつも心の励みであるとも話しました。

 佐藤矩行教授率いるマリンゲノミックスユニットの久田香奈子技術員は、同教授の孫弟子にあたります。「20年前、佐藤先生が出版された学術書を片手に、サインをお願いしたことを思い出します」と話す久田技術員は、現在、佐藤教授の仕事に欠かせない存在です。本年2月に刊行された佐藤教授による新たな学術書は、色鮮やかで見やすい図表が数多く使用され、同教授が研究生活の大半を費やした、ホヤ研究の集大成とも言える一冊に仕上がりました。その図表の大部分を担当したのが久田技術員です。「久田技術員なくして、この本は完成しませんでした」と話す佐藤教授。この協力関係は、同教授の研究が続く限り継続します。

 「科学とは無縁であったにも関わらず、最先端研究の一助を担えることに感激しています」と目を輝かせて話すのは生物多様性・複雑性研究ユニットの小笠原昌子技術員です。小笠原技術員は、7ヵ月のアシスタント経験を経て技術員となりました。同ユニットは、アリを対象に生物の多様性を生むメカニズムについて、進化学・生態学の両面から解明しようと取り組んでいます。小笠原技術員は、顕微鏡を用いて世界に約2万5千種が存在すると言われるアリの標本作成と写真撮影などを担当し、研究をサポートしています。「単調で時間のかかる作業は研究員にはできないことで、自分だからこそ楽しみながらできるのだと感じます」と、小笠原技術員は話しました。

 中国出身のシャオ・クワン技術員は、発生分化シグナル研究ユニットに所属しています。生き物が好きだと話すシャオ技術員が手がけるのは、同ユニットが研究対象とするショウジョウバエの飼育です。2400本もの試験管それぞれの中に、数10匹のショウジョウバエが飼育され、2週間ごとに新鮮な餌を与えることが最初の仕事でした。時間も労力も必要とするこの作業ですが、シャオ技術員は、生き物と関われることにやりがいを感じると話します。今後は、DNAやタンパク質の分析実験で、作業の一部を担当することが決まりました。「担当できる作業が増え、非常に楽しみにしています。OISTでは英語を話すことさえ毎日が勉強です」と話すシャオ技術員の明るい表情が印象的でした。

 学際的で多彩な研究テーマを扱うOISTでは、様々な経験や能力を必要としています。ここで紹介した女性技術員たちは、それぞれがOISTの研究にとって重要な役割を担っています。彼女らの意欲的な仕事への姿勢は研究ユニット全体を明るくし、なくてはならない存在となっています。

西岡 真由美

 

 

(西岡真由美)

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