次世代の神経生物学者が集結

神経生物学の学術的背景やモデルシステム、実験手法などを集中的に学ぶ神経発生生物学コース(DNC)が今年で4回目を迎えました。

 神経生物学の学術的背景やモデルシステム、実験手法などを集中的に学ぶ神経発生生物学コース(DNC)が今年で4回目を迎えました。OISTの他、国内外の大学や研究機関から招聘された講師22名が、7月31日までの約2週間、10カ国以上から集まった24名の学生の指導にあたりました。「講師は講演会で何百人も聴衆を集められるような著名な先生ばかり。これだけ少数の学生に対して講義をしてもらえることは極めて珍しい」とオーガナイザーの一人、OISTの政井一郎准教授が胸を張る講師陣でした。

 プログラムは午前と午後に3時間ずつの講義、夜は講師らとの議論、そして週末は実験室で実験手法の実習という濃密なスケジュールで進められました。今年は、杉山陽子准教授を新たにオーガナイザーに迎え、神経機能の発生研究の講義を強化するとともに、施設拡充に伴い電気生理学の実習など新しい内容が取り入れられました。今年大学院を卒業し、名古屋大学で研究をする船橋靖広さんは、「セミナーだけではなく実際に実験で手を動かして感覚を掴めるのが非常にいい」と語り、「海外から来ている学生や若手の研究者と議論する機会がたくさんあって刺激になる」と有意義な時間を過ごした様子を話してくれました。

 DNCは、次世代を担う研究者たちのネットワーク作りの役割も果たしています。もう一人のオーガナイザーのデイヴィッド・ヴァンヴァクター教授が、このコースの利点の一つは国際的な場で仲間をつくれることだ言うように、多くの参加者が研究分野での新しい出会いを求めて来ています。本コースの評判を友人や同僚から聞いて参加したドイツのミュンスター大学博士課程のHelen Neuertさんも「素晴らしい学生たちに出会って、世界中から来た研究者や次世代の研究者との新しいつながりを作りたい」と話していました。

 ヴァンヴァクター教授はまた、科学研究におけるOISTの存在感を高めるためには、若い研究者がOISTですばらしい経験をし、彼らにOISTに対する愛着を感じてもらうことが大事だと考えています。「ここで学んだ学生の中からこの分野のリーダーが出て来ることを期待しています」と将来への希望を語りました。

 

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