STSフォーラムで注目を集めるOIST
OIST理事の尾身幸次氏は、過去10年間にわたり世界の舞台で影響力を及ぼす科学者や政治家を京都に招待し、「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」を主催してきました。今年STSフォーラムは創設10周年を迎え、100を超える国や地域から1000人もの有識者が参加し、その開催を祝いました。開会のご挨拶で安倍晋三総理大臣は、科学技術分野に対する日本の貢献について触れ、教育研究の国際化に関して沖縄科学技術大学院大学(OIST)を例に挙げ、OISTの創設を提唱した尾身氏に謝辞を述べました。「私はまた、日本を、最もイノベーションをしやすい国にする決意をしています。国際社会は、日本の知恵を必要としているかもしれませんが、日本もまた、それに勝るとも劣らず、世界の知見を必要としているからです。例えば沖縄科学技術大学院大学には、世界から、学者や学生に、引き続きどしどし来ていただきたいと思います。尾身会長は、この学校にとって生みの親でありますが、もうじき建学2年を迎える同大学は、30カ国から来た研究者、23カ国から来た学生を集め、順調に伸びていきます。実に喜ばしいことだと思います。」
OISTから出席したジョナサン・ドーファン学長、ロバート・バックマンプロボースト、ニール・コルダー副学長(広報担当)はあらゆる機会をとらえて、各国の代表に対してOISTの進捗や将来の展望について説明をしました。安倍総理大臣が開会のスピーチでOISTに言及されたとあって、どの方からもOISTに対する関心の高さがうかがえました。
総会で「研究とイノベーション」と題したテーマで講演をした山本一太内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、宇宙政策)は、科学技術イノベーション総合戦略についてふれ、日本を『世界で最もイノベーションに適した国にする』という目標を掲げているとした上で、そのためには世界クラスの研究環境が備わった国際イノベーションハブが必要だと説明しました。大臣はOISTについて、まだ設立されたばかりの学際的かつ国際的な大学院大学で、教員及び学生の半分以上は外国人であり、研究教育は英語で行われていると述べました。
ドーファン学長はフランスのジュヌヴィエーヴ・フィオラゾ高等教育研究大臣や南アフリカのデレック・ハネコム科学大臣とも面会し、連携協力の可能性について話しました。また、同学長は「プレジデントランチ」と呼ばれる会合に参加し、世界中から集まった大学の学長たちと言葉を交わしました。
2013年のSTSフォーラムでOISTはまぎれもなく注目の的でした。