横林洋平准教授がOISTに着任

横林洋平准教授が、新設された核酸化学・工学ユニットの代表としてOISTに着任しました。同教授は今後、生物学的システムにおける化学の応用について理解することを目指しています。

 この度OISTに新設された核酸化学・工学ユニットの代表として、横林洋平准教授が着任しました。同准教授はカリフォルニア大学デービス校で生体医工学科の准教授も務めており、主な研究分野は、核酸化学と、化学的・生物学的システムにおけるその応用です。

 スクリプス研究所で博士号を取得した横林准教授は、その後、生物学的システムに興味を抱き、カルフォルニア工科大学のポスドク研究員として新たな研究に取り組むことにしました。タンパク質の設計と合成の研究(タンパク質工学)を始め、進化工学という手法を応用して大腸菌内で遺伝子のON・OFFを切り替える方法を探求しました。同准教授が最も関心を寄せているのは、化学と生物学を融合させた研究を行うことです。カリフォルニア大学デービス校では、リボ核酸(RNA)の設計と合成による細胞挙動の制御を主要テーマに研究を行いました。RNAは細胞内で様々な働きを担う、主要な生体分子の一つです。このような研究は、遺伝子調節やタンパク質合成等の生命活動の制御を可能にするため、遺伝子治療やバイオテクノロジー分野での応用につながると期待されます。

 OISTでは、RNAの設計と合成からDNAを含む他の核酸へと研究を展開する予定で、化学と生物学の両分野でさらなる応用を見いだしていきたいと考えています。「OISTには長い間関心を寄せてきました」と話す同准教授は、OISTについて「これまでになかった新しい大学院です。」と表現しました。東京大学で化学の学士及び修士課程を修了した同准教授は、OISTが持つある種のオープンで協力的な雰囲気に感銘を受け、ここで働きたいと強く思うようになりました。「これまでにないタイプの大学院大学を日本のためにつくっていく、その一端を担えることが楽しみです。」と、同准教授は抱負を語りました。

 

(ショーン トゥ)

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