エコノモ准教授がASNのPresidential Awardを受賞

この度、OISTの生物多様性・複雑性研究ユニットを率いるエヴァン・エコノモ准教授が、米国の学術協会American Society of Naturalists (ASN)から2013年のPresidential Awardを受賞しました。

 この度、OISTの生物多様性・複雑性研究ユニットを率いるエヴァン・エコノモ准教授が、米国の学術協会 American Society of Naturalists (ASN) から2013年の Presidential Award を受賞しました。この賞は、同協会が前年に刊行した科学雑誌 The American Naturalist に掲載された研究発表のうち最も優秀な論文に対して授与されます。 The American Naturalist  は生態学や進化学、行動学の分野における最も権威ある学術誌のひとつです。ASNの会長は同分野の研究について書かれた数百報の優秀な研究論文のなかから、エコノモ准教授の論文を選定しました。

 エコノモ准教授は、「受賞したことはもちろんですが、私たちの研究分野では知らない人がいないほどの偉人であるASNのドルフ・シュルーター(Dolf Schuter)会長に選ばれたということが何より名誉なことだと感じています」と語りました。

 エコノモ准教授は論文のなかで、エドワード・オズボーン・ウィルソンという著名な生物学者が50年前に提唱した有名な仮説、Taxon Cycle(タクソン・サイクル)に立ち返りました。この理論は、種が分布し、生息域を広げ、生態学的戦略に変化を及ぼし、新しい環境に定着した後進化が遂げられるといったサイクルが継続的に繰り返されると説明しています。エコノモ准教授の研究チームはいくつかの先端的手法を用いてフィジーに生息する183種のアリの表現型および系統発生の解析をおこなった結果、この生物学史上重要な理論の強力な裏付けとなるもの、さらには人為的影響によってサイクルが変化したことを示す証拠を発見しました。同研究チームは、国際貿易と大規模な生息地の改変が進むなか、人間活動により移動させられたアリの種が新たな生息地で外来種となり、グローバル・タクソン・サイクルに変化が起こり始めたと提唱しています。

 エコノモ准教授の研究チームは米国科学財団から助成金を受けており、現在の研究ではより多角的な視点から仮説検証をおこなっています。

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