14.8 定義

14.8.1 守秘義務(「非開示契約」又は「秘密保持契約」ともいう。)
守秘義務とは、契約の一方の当事者が他の当事者により開示される情報を秘密に保つことの同意を内容とする、法的拘束力を有するあらゆる約束をいいます。開示された情報を秘密に保つ義務は、典型的には、少なくとも情報の受領者が自己の秘密情報を保護するのと同程度に開示情報を厳しく保護する義務及び情報の受領者によって署名された合意によって許される目的以外の他の目的で開示情報を使用しない義務を伴います。また、この義務は、典型的には書面による秘密保持契約(CA)又は非開示契約(NDA)として具体化されます。情報の秘密を維持する義務は、様々な形式によって存在しうるものであり、また、そのような義務は、多くの場合に、許諾契約その他の法的な契約の条項に含まれています。

14.8.2 著作物性を有する著作物
著作権法の下、あらゆる表現形式の有体の媒体に固定された、直接、若しくは機械若しくは装置の補助によって認識し得る、再製され得る、又は通信され得る「著作物の原作品」に著作権が存在します。これらの著作物は、典型的には、各種の文学的、芸術的及び音楽的作品、写真その他の図形作品、戯曲作品、映画その他のAV作品、並びに音声録画を広く含みます。 著作権保護は、ソフトウェア及び集積回路マスクにも及びます。

この基本方針に例外規定がある場合(例えば、ソフトウェア及び集積回路マスクに関する規定)以外は、その表現形式がいかなるものであっても、本学は、教育学的、学術的又は芸術的著作物の所有権を主張しません。これらの著作物には、教育の過程において学生が創作する学位論文、論文、論説も含みます。一般向けノンフィクション、小説、教科書、詩歌、楽曲、特許性のないソフトウェア又はその他の芸術的創作物について、それらが、本学の著作物でなく、そして、本学の資源、又は本学の非教員被用者が職務として行う役務を著しく利用したものでない場合、本学は、それら(に係る著作権)について所有権を一切主張しません。

14.8.3 発明
発明とは、新規かつ有用な思想であって、方法、機械、製造物及び組成物に関するものをいいます。また、新しい又は改良された装置、システム、回路、化合物、混合物等も含みます。何らかの新しくて有用なものが着想されたり開発されたりした場合や、普通でない、予期しない又は自明でない結果を得てそれを使用したりした場合にも発明となる可能性があります。発明は、単独の発明者によってなされる場合と、共同発明者によって共同してなされる場合とがあります。法的に共同発明者として認められるには、発明の本質的要素を着想したか、発明の一般的概念への実質的な貢献が必要とされます。

14.8.4 発明開示書
発明開示書とは、発明者、発明されたもの、発明へと導いた状況及び付随する活動に関する事実についての情報を提供する文書をいいます。この文書は、特許性の有無の判断や特許出願書類の作成に必要な技術情報の基礎を提供します。また、発明開示書は、特許性はないが著作権又は営業秘密等の他の方法による保護を受けうる技術に関する報告としても使用されます。

14.8.5 単なる付随的な利用を超える利用
この章の目的において、本学の資源の「単なる付随的な利用を超える利用」という文言は、学術目的で本学が提供する専門の研究に関する施設、設備又は備品の最小限の時間の利用を超える利用、及び「勤務」中における最小限の量を超える利用をいいます。以下のものを時々又は頻繁でなく利用しても、通常、本学の資源の「単なる付随的な利用を超える利用」に該当しません。

• 日常的に利用することができる、デスクトップコンピュータや市販のソフトウェアを含む事務用機器
• 本学のキャンパスにおいて収集された参考資料又はその他の資源であって、本学外の場所においても一般的に利用することができるもの。

14.8.6 特許
特許とは、国の機関(通常は「特許庁」と呼ばれます。)によって発行されるもので、その国の領域内における当該発明の製造、使用、販売について、他人を排除して独占することを発明者に20年間認める許可をいいます。特許出願が特許庁に提出されると、特許庁がその発明が新規、有用かつ非自明なものであることを確認するため審査し、適切であれば、通常、出願から2年ないし5年後に特許を付与します。全ての特許に必ずしも価値があることを保証するものではなく、その交付後に無効とされることもありえます。

14.8.7 パブリックドメイン
パブリックドメインに属する所有権とは、社会が全体として物を所有し、誰もが利用目的にかかわらず、その物を自由に利用することができることをいいます。著作者を表示することは義務ではありません。特定の物がパブリックドメインの対象となるのは、著作者又は創作者がその物に対する権利を放棄する場合、又は所定の期間が経過した場合です。

14.8.8 研究成果有体物(TRP)
本章において、TRPとは、有体(又は有形)の物であって、本学又は外部の委託者により支援される研究プロジェクトの過程において生産されたものをいいます。TRPは、生物試料、設計図、コンピュータソフトウェア、集積回路チップ、コンピュータデータベース、装置の試作品、回路図、機器類を含みます。TRPは、上記に規定する他の基本方針及びガイドラインの対象となる発明、特許、著作権、商標等の無体(又は無形)財産とは別個独立のものとして区別されます。TRPに該当する個々の物に、著作権や特許といった複数の無体財産が付随することがあります。

14.8.9 営業秘密
「営業秘密」とは、法律用語であり、著作物性の有無又は特許性の有無を問わず、一般に知られていない又は利用可能となっていない、その所有者に競争上の利益をもたらすあらゆる情報をいいます。営業秘密は財産的情報です。

14.8.10 商標
商標及びサービスマークとは、商品又は役務の出所、製品、製造者又は流通業者を識別する特徴的な文字又は図形をいいます。サービスマークの意義は、識別する対象が役務の出所である他は、商標と同じです。

14.8.11 職務著作物
「職務著作物」とは、法律用語であり、「被用者がその職務の範囲内において作成する著作物」を総称する定義です。この定義には、本学及び外部機関との間で締結される研究委託契約の履行において被用者が作成した著作物を含みます。委託契約に基づく著作物の場合も、書面による当事者の合意がある場合には、職務著作物に該当します。職務著作物においては、使用者(即ち、本学)が、法律上当然に「著作者」となり、職務著作物の著作権に関する限り、所有者となります。この原則の適用対象となる職務著作物は、本学の被用者によりその全体又は一部が開発された著作物を含みます。その典型例として、本学の職員又は本学と雇用関係のある学生のプログラマーや本学の映像製作担当職員を有意に使用して製作された著作物の著作権の所有者が本学となる場合が挙げられます。著作物が本学の教員、職員又は雇用関係のある学生と、被用者以外の者とによって共同で開発された場合、その著作物の著作権は、典型的には本学と当該被用者以外の者との間の共有となります。この場合において、本学と当該被用者以外の者は、互いの権利について明確に定めた契約書を締結しなければなりません。被用者以外の者との間での共同研究等により著作権の発生が予想される場合は、速やかに統括弁護士に相談してください。本学が著作物について所有権を主張するか否かは、著作権法上の職務著作物への該当性のみが判断基準となるのではなく、この基本方針の規定に従って決定されます。例えば、本学がこの基本方針に基づいて所有権を主張しない教育学的、学術的又は芸術的著作物における著作権は、その著作物が著作権法上の職務著作物に該当するか否かに関わらず、その創作者が有します。職務著作物についての本学の所有権の放棄は、理事会によるその旨の授権を受けた職員のみがすることができます。

 

 

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