廃水からエネルギーへ:自然にやさしい解決法

3月5日、沖縄産業界の幅広い分野より30名の参加者をお招きし、生物システムユニットのイゴール・ゴリヤニン教授が環境に優しい廃水処理について講演を行いました。

 

 


微生物燃料電池について説明する生物システムユニットのラリサ・キセレバ研究員

 OISTの設立理念の一つである沖縄の自立的発展への貢献を目指したセミナーが3月5日に開催されました。沖縄産業界の幅広い分野より30名の参加者をお招きし、生物システムユニットのイゴール・ゴリヤニン教授が環境に優しい廃水処理について講演を行いました。これは、自然界の微生物の作用と耐久性の高いエネルギー収集材を組み合わせ、有機廃棄物を分解して直接電気を生産する生物電気化学作用を活用するものです。このような革新的なアプローチは、沖縄の主要な産業である泡盛酒造、養豚・養鶏業、製糖業や地元の排水処理施設等に、経済面・環境面でメリットをもたらすものと考えられます。

 瑞穂酒造株式会社製造部の大城博明部長は、「今回のゴリヤニン教授のプレゼンテーションを聞いて、イギリスのウイスキーやロシアのウォッカの蒸留粕から発電の実績がある事から、同じ蒸留酒である泡盛の廃液でも使用できる可能性を感じました。泡盛の廃液から、少しでも発電が出来れば、電力コストの削減と二酸化炭素排出の削減につながります。」と、語っていました。

 亜熱帯地域に属する沖縄の天然の微生物を活用した技術が、将来的には気候環境の類似したアジア太平洋地域でも活用されることが期待されています。

 OISTは、この革新的な廃水処理技術を沖縄及び周辺地域において活用するため、地元産業界のパートナーとの連携を目指しています。

 ご訪問の最後に有限会源河後原農園の玉木正邦代表取締役は、「この大学院大学が沖縄県を含め日本全体で活用され、また、各種産業ヘの技術移転を可能する機関として発展することを希望したいです。」と感想を述べられました。

研究ユニット

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