日本と世界を橋渡しするOIST客員プログラム

J-PEAKS助成の後押しにより、OISTではこれまで以上に多くの研究者を国内外から迎え、学際的な共同研究や教育活動を通じて、日本と世界をつなぐネットワークを着実に広げています。

J-PEAKSの支援を受け、 OISTではこれまでにない形で研究・学術連携の強化に取り組んでいます。

OISTは、2024年度だけで国内外から約150名の客員研究員を招聘しました。研究員らは学際的な共同研究に取り組み、その成果は本学での活動期間にとどまらず、現在も継続しています。これらの客員研究員らの活躍は大変目覚ましいものでした。

Jpeaks_article_VP_jp

客員研究員数は、前年度比で約60%もの増加となりました。2025年度は、約180名の研究員をOISTに招聘する見込みです。本プログラムの著しい成長を支えているのがJ-PEAKS事業であり、現在ではOIST客員プログラム全体のほぼ半分を資金面で支援しています。

日本が次世代の発見・イノベーション・社会的インパクトを牽引する大学を思い描くとき、そこには「富士山」一峰だけに全てを託す姿はありません。むしろ、多様な山々の峰(ピーク)を育んでいく姿があります。こうした考え方が、文部科学省と日本学術振興会が主導する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」のビジョンとなっています。本事業は、強力かつ戦略的な大学経営を通じて日本全体の研究力を強化することを目的とし、これまでに25大学が採択されています。

OIST客員プログラムでは、J-PEAKSの支援を通じて、新たに多くの海外の研究者を受け入れることが可能となりました。さらに重要なのは国内向けプログラムの強化です。日本全国の研究者たちが、従来よりも短期間でかつ目的に特化した形で、OISTの研究に参加できる柔軟な仕組みが整備されました。このアプローチには、慶應義塾大学、九州大学、東京大学などの連携大学も関心を寄せています。OISTが日本と世界をつなぐグローバルなゲートウェイとしての使命を果たすうえで、本客員プログラムがその中核的な役割を担っているのです。

「ほぼすべての客員研究員が、OIST内の複数の研究ユニットとの新たな共同研究を行っており、わずか3年間で120本を超える論文に貢献しています。」と、OIST客員プログラムのマネージャーであるヨナス・フィッシャー博士は述べています。

客員研究員の貢献は研究活動だけにとどまりません。彼らは、神経科学や物理学といった分野での教育の空白を補ったり、学生から好評を得たキャリア講演を行ったりすることで、OISTの学術環境にも寄与しています。

OISTは時にやや孤立しているように感じることもありますが、客員研究員たちが新しいアイデアや好奇心に満ちた問いかけ、そして貴重な専門知識を携えて来てくれることで、大きな助けになっています。彼らは新しい議論を引き起こし、それによって研究全体の雰囲気が一気に活気づくのです。」と、フィッシャー博士は語りました。

OIST客員プログラムについてはhttps://www.oist.jp/ja/visiting-programをご覧ください。

シェア: