ケシャヴ・ダニ准教授が物理学分野でFalling Walls Science Breakthroughを受賞

「暗い励起子」の視覚化に成功した、実験物理学者としての卓越した実績が評価されました。

Prof. Keshav Dani in his lab

沖縄科学技術大学院大学(OIST)のケシャヴ・ダニ准教授が、「Falling Walls Science Breakthrough」の物理学部門において世界のトップ10名に選ばれました。 

ベルリンを拠点とする非営利団体Falling Walls Foundationは、優れた科学と研究を社会に伝える活動を行っています。同団体は、毎年世界中から、今日の社会が面している課題の解決策になりうる最新のブレークスルーや、優れた科学プロジェクトを、生命科学、物理科学、工学・技術など9つのカテゴリーで募集しています。 

そして今年、Falling Walls Foundationは、物理学分野におけるブレークスルーのトップ10のひとつに、OISTフェムト秒分光法ユニットを率いるダニ准教授の「運動量禁制な暗い励起子のイメージング」という研究プロジェクトを選出しました。(対象研究論文:Science 370, 1199 (2020), Science Advances 7, eabh0192 (2021), Nature 603, 247 (2022)) 

ダニ准教授は、受賞の知らせを受け、次のように喜びを語ります。「私が尊敬する素晴らしい研究者たちと並んでこの賞を受賞できたことは、身の引き締まる思いです。暗い励起子のイメージングは、2011年にOISTに着任した際に、私が最初に取り組もうと決めたテーマのひとつでした。ほぼ1世紀にわたって多くの人が向かい合ってきた壮大な課題ですが、数十年間、その課題に取り組むことができる実験技術はありませんでした。そして2010年、グラフェンのと同類の2次元半導体が発見され、この課題に新たな希望がもたらされました。しかし、それは同時に独自の課題ももたらしました。それ以降、世界有数の研究グループがこの課題に取り組んできた中、驚くことにその解決策は、この小さな島の小さな大学で発見されたのです!」 

さらにダニ准教授はこう続けます。「この偉業の真の栄誉と功績はOISTにあることに疑いの余地はありません。創造的で野心的な科学を可能にしたのは、OISTのユニークな学風です。このような環境を維持し支えているOISTの同僚たちに感謝しています。」 

9月13日、Falling Walls Foundationは、受賞者10名の中から各カテゴリーの「サイエンス・ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー2023」を選出します。この受賞者は、11月9日にベルリンで開催されるFalling Wallsサイエンス・サミットでプレゼンテーションを行う予定です。 

ダニ教授のインタビュー記事は、Falling Wallsのウェブサイトhttps://falling-walls.com/discover/articles/imaging-the-unseen-keshav-danis-journey-with-dark-excitons/からお読みいただけます(英語のみ)。 

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