2.4 役割と責務

学園の管理と業務運営についての最終決定権と最終的な責任は、理事会にあります。

2.4.1 学長・理事長

大学院大学の学長は、理事会により選任され、学園の理事長を兼務します。学長は、理事会と協議の上、大学院大学の運営体制を構築します。本学の運営体制は、本学が教育研究を通じて科学技術の分野で卓越した成果を生み出し、世界に名高い国際的な大学院大学となるよう、効果的かつ効率的に沖縄の自立的発展を促進し、管理・運営を行い、成長につなげていくことができるものでなければなりません。同時に、業務運営及び財務運営の観点から説明責任が果たされ、国や民間からの資金の利用について透明性の高い監督が行われることが確保される体制でなければなりません。

理事会は、以下に列挙する事項など、学園及び大学院大学の日常的な運営を理事長・学長に委ねます。

  • 大学全体及び学内の全ての部署のマネジメント、施設の管理運営、大学の業務全般を統括すること
  • 理事会による審議及び決定を必要とする大学の運営費及びその他関係費の年度予算を作成し、理事会に提出すること
  • 定期的に計画、計画の進捗状況やその後の見通しに関する報告、その他の必要な報告を作成し、理事会に提出すること。

理事会により任命されたシニアレベル・エグゼクティブ1名は、学園の寄附行為の規定により、学園の副理事長となります。さらに、学長は、学長の任務を遂行し、責任を果たすことを補佐するのにふさわしいと認める他の職員を任命し、その権限及び任務を定めることができます。

さらに、学長は、直接又は権限の委任により、上記の責務を果たすために必要となる管理運営に関する基本方針や手続き等を定め、管理する責任を負います。

2.4.1.1 東京オフィスディレクター
東京オフィスディレクターは、科学技術・イノベーションを通して、OISTの存在と活動を国内外に広げるため、東京において日本及び外国の政界・産業界・学術界との関係を強化します(他の部署の所掌に属するものを除きます)。

2.4.1.2 統括弁護士
統括弁護士は、本学の方針・業務、リスクマネジメント、紛争及び契約に関する事項について、法的な意見を述べ、又は助言を行い、外部の機関が関わる法的な事項について本学を代表します。学長が認めた場合は、統括弁護士は副学長(法務担当)の名称を使用することができます。

2.4.1.3 最高情報責任者(CIO)
最高情報責任者(Chief Information Officer: CIO)は、本学全体の情報技術(IT)戦略、及び情報セキュリティプログラムを通して、一貫性と効率性を促進することに責任を有します。また、CIOは学長の裁量による特別なプログラムや情報関連イニチアチブの実施について責任を有します。

2.4.1.3.1 CIOは、情報セキュリティプログラムの策定及び実施を最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer: CISO)に委任します。

2.4.1.4 最高内部監査責任者(CIAO)
最高内部監査責任者(Chief Internal Audit Officer: CIAO)は、監査年次計画に基づき、又は臨時に監査を実施し、その結果を理事長・学長に報告します。

2.4.1.5 オンブズ・パーソン
オンブズ・パーソンは、本学における勤務や学修において何らかの心配事項を有する本学の職員、学生に対して、機密性に配慮し、中立的に、独立して、非公式に、状況の聴取、情報の提供、解決に向けての選択肢の提示等のサポートを提供します。

2.4.2 副理事長

学園の副理事長を兼ねるシニアレベル・エグゼクティブは、学長によって指名され、学園の理事会によって任命されます。

副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、その職務を代理し、又はその職務を行います。理事長が長期に亘り職務遂行できないとき又は欠けたときは、寄附行為13条第2項に従って、理事会が臨時理事長代理を任命することができます。

2.4.3 監事

学園の監事は、学園の理事、職員又は評議員ではない者の中から、理事会によって候補者が指名され、評議員会の同意を得た上で、最終的に理事長により選任されます。監事の選任は、内閣総理大臣の認可を受けなければその効力は生じません。監事は、学園の業務及び財産の状況を監査し、それらについて、理事会と評議員会に対して、当該会計年度終了後、報告書を提出することを職務とします。また、監事は、理事会の会合に出席し、学園の業務又は財産の状況について、意見を述べます。監査の結果、学園の業務や財産に関し不正の行為又は法令、寄附行為に違反する事実があることを発見したときは、これを、理事会等に報告しなければなりません。

2.4.4 プロボスト及び事務局長

2.4.4.1 プロボスト
プロボストは、学術的事項について本学を代表するとともに、研究科長、教員担当学監及び研究担当ディーン間を調整することに責任を有します。また、リソースを配分する権限を有し、外部学術機関との契約締結に関する事務的支援など必要なリソースを管理します。更に、コアファシリティディレクターが統括するコアファシリティを用いた研究支援サービスを含む研究活動に必要なサポート機能全般(教員担当学監の所管に含まれるものを除く。)について責任を有します。

2.4.4.1.1 准副学長(研究財務・事務企画担当)
プロボストは、准副学長(研究財務・事務企画担当)に、研究財務管理と事務企画に係る職務を行わせることができます。

2.4.4.1.2 プロボスト補佐(研究関連調整担当)
プロボストは、プロボスト補佐(研究関連調整担当)に、研究支援に関する各種調整に係る職務を行わせることができます。

2.4.4.2 事務局長
事務局長は、学長を補佐し、全ての事務的事項について最終権限者としての役割を果たします。
事務局長は、財務、人事、施設管理、情報技術、戦略実行を含む全ての事務的機能を統括します。また、事務局長は、教職員及び学生の安全衛生並びに学園の危機管理にも責任を持ちます。

2.4.4.2.1 准副学長(事務局長オフィス)
事務局長は、政府関係、法令、コンプライアンスに係る職務を、事務局長オフィスの准副学長に行わせることができます。

2.4.4.2.2 緊急対応コーディネーター
事務局長は、全学規模の安全管理に係る職務を、緊急対応コーディネーターに行わせることができます。

2.4.5 副学長等

以下の役職者は、下記 2.5 の大学組織図に示されるとおり、大学院大学の副学長職を務めます。各副学長には年間予算が割り当てられます。学長から負託を受けた当該予算について、各副学長は執行に関する全ての権限を有します。

2.4.5.1 研究科長
研究科長(Dean of the Graduate School:DGS)は、本学の研究科に学生が参加することをサポートする業務やプログラムの実施全般について所管します。研究科長は、学生の募集・選考から、学生の卒業、そして、卒業後の進路選択に至るまで、計画立案や学生へのサポートの提供等の全ての側面について責任を負います。さらに、研究科長は、各教員への指導科目の割り振りを含め、教育課程全体を統括します。

2.4.5.1.1 副研究科長
研究科長は、副研究科長に、その職務を代行させることができます。

2.4.5.2 教員担当学監
教員担当学監(Dean of Faculty Affairs: DFA)は、教員、研究ユニットの職員、その他の研究員の採用、任命、評価に関する業務全般を所管します。教員担当学監は、他のディーン及びプロボストとの協働のもと、学術研究を管理する責任を負います。さらに、図書館及びプロフェッショナル・ディベロップメント&インクルーシブ・エクセレンスセンター(C-Hub)の運営について責任を負います。

2.4.5.2.1 教員担当副学監
教員担当学監は、教員担当副学監に、その職務の一部を行わせることができます。

2.4.5.3 研究担当ディーン
研究担当ディーン(Dean of Research: DR)は、学術研究に関する他大学及び研究機関とのネットワーク構築を所管します。これには、ワークショップの開催や客員プログラムの運営、さらに学際的・部門間連携の促進等が含まれます。また、外部研究資金の申請及び管理(首席副学長(技術開発イノベーション担当)の所管に含まれるものを除く。)にも責任を持ちます。

2.4.5.3.1 副研究担当ディーン
副研究担当ディーンは、研究担当ディーンを代理して、(i)学術研究に関して他大学・研究機関との連携ネットワークの構築、(ii)助成金の申請・管理(首席副学長(技術開発イノベーション担当)の所管に含まれるものを除く。)を所管します。

2.4.5.4 首席副学長(技術開発イノベーション担当
首席副学長(技術開発イノベーション担当)は、沖縄の自立的発展を促進するという本学の使命をサポートする機能を統括します。この使命の重要な要素としては、知的財産、技術移転及び事業開発に関するマネジメントがあります。

2.4.5.4.1 准副学長(技術開発イノベーション担当)
首席副学長(技術開発イノベーション担当)は、准副学長(技術開発イノベーション担当)に、その職務の一部を行わせることができます。

2.4.5.5 副学長(財務担当)
副学長(財務担当)(Vice President for Financial Management:VPF)は、本学の予算及びその会計・経理の全般について所管します。また、入札、定例的な調達、学内の物品供給を含む調達全般についても責任を負います。

2.4.5.6 副学長(施設管理担当
副学長(施設管理担当)(Vice President for Buildings and Facilities Management: VPBFM)は、工事計画から、入札・契約を経て、工事の実施、建物の竣工に至るまでの全ての新たな建設に関する業務を所管します。また、VPBFMは、本学の建物の改修を含め、建物、施設、敷地の維持管理の全ての業務についても所管します。

2.4.5.7 副学長(広報担当)
副学長(広報担当)(Vice President for Communication and Public Relations: VPCPR)は、広報全般について広く責任を負います。その範囲には、地域、沖縄県内、国内外のコミュニティーとの交流についても含まれます。また、VPCPRは、メディアや報道関連の業務全般についても所管します。さらに、各種ワークショップ、シンポジウム、講演会、式典、公開イベント等、本学の行事のロジスティクスに関する業務を所管します。

2.4.5.8 副学長(人事担当)
副学長(人事担当)(Vice President for Human Resource :VPHR)は、雇用・労務関係の管理、人事評価(業績評価)、労使協定、人材育成、教育研修、人事管理、採用・赴任支援を所管します。VPHR は質の高いキャリア開発の確立、また、管理職/専門職としてのキャリア開発を目指す職員の支援についても担当します。OIST におけるダイバーシティの推進及びワーク・ライフ・バランスの向上にも努めます。

2.4.5.9 副学長(情報技術担当)
副学長(情報技術担当)(Vice President for Information Technology: VPIT)は、IT サービスが適切に設計、実装、維持されることを保証する責任を有します。また、副学長(情報技術担当)は IT が大学の全ての分野への関与を継続すること、IT サービスが CIO によって設定されたプログラム及び方針を支援するよう開発されることを保証することに責任を有します。

2.4.5.10 副学長(戦略実行担当)
副学長(戦略実行担当)(Vice President for Strategy Implementation: VPSI)は、学長の年次戦略策定サイクルの実施を促進する責任を有します。具体的には、ミッション領域の成功を測るトレンドを追跡し、まとめ、報告すること、他の部署に導かれる大学の戦略プロジェクト及び部署横断プロジェクトに対して助言及び支援を与えること、学長又は事務局長により同定される特定の戦略的プロジェクトを主導すること、並びに、例えば、2034年までを視野に入れた2024-2029年5か年戦略の下で設立準備が進められているオープンセンターへの教員、研究者及び学生の参加を促進するツールが可視化され予算の範囲内で使用されることを確保するなどにより、学長の指示に基づき優先度の高い戦略的プロジェクトの実施を調整することを含みますが、これらに限定されません。

2.4.5.11 大学コミュニティーサービス・ディレクター
大学コミュニティーサービス・ディレクター(University Community Services Director: UCSD)は、教職員、学生及びその家族が本学において充実した生活を送ることができるよう、キャンパス内におけるコミュニティサービスの提供に責任を有します。 

2.4.5.12 コアファシリティディレクター
コアファシリティディレクター(Director of Core Facilities: CFD)は、コアファシリティを統括し、コアファシリティの共通機器とサービスの効果的な提供に責任を有します。

2.4.6 委員会

本学は、様々な業務遂行を補助するために必要な場合や、特定の事項に関して助言を得ようとする場合に、常設又はアドホックの委員会を置くことがあります。こうした委員会には、内部の者で構成されるものもあれば、外部の者で構成されるものもあります。各委員会は、その目的を問わず、委員会の設置、構成員、組織構成等について定めた委員会設置要綱に沿って運営されなければなりません。委員会設置要綱の作成については、設置要綱ひな形を参照してください。外部委員に対する謝金及びその他の費用については、第26章「財務及び会計」の別表[Link: 26.9]を参照してください。

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