沖縄の外来アリ防除

外来アリは、沖縄の環境および経済の両方に悪影響を及ぼす可能性があるため、深刻な問題をもたらします。OISTの環境科学セクション(ESS)と生物多様性・複雑性研究ユニットは、外来アリの問題に対する認識を高め、現実的な解決策を実行するために、パートナーシップを組んで複数のプロジェクトを展開しています。 

OKEON美ら森プロジェクトの一部機能が独立する形で2019年に設立された環境科学セクションは、沖縄社会とのネットワーク、環境観測ネットワーク、そしてそれらを支える経験豊富なチームを活かし、沖縄における陸域野外調査や地元社会とのネットワークをより持続的かつ安定的に維持および促進し、一丸となって目標を達成することを目指しています。 

外来種調査   

環境科学セクションでは、沖縄の外来種を監視する調査を定期的に行っています。その例として、県内の主要な港湾地域で行う外来アリのモニタリング調査や、単位時間採集法と呼ばれる方法を用いて、地域のアリの種の動態を調査したりしています。また、カメラトラップを用いて、希少種や外来種を含む沖縄本島の動物相の状態と機能の評価も行っています。これらの活動は、OKEON美ら森プロジェクトの一環として行われています。 

ヒアリ同定研修   

環境科学セクションでは、沖縄県でヒアリ対策に携わる行政職員や、港湾や物流業の関係者を対象に、ヒアリの同定講座を実施しています。これは、ヒアリの侵入が疑われる際に一次スクリーニングを行うために、必要な同定技術を習得することを目的としています。また、一般の方を対象としたヒアリ識別ワークショップでは、講演や同定の実演を行い、外来種対策への意識向上を図っています。  

環境省が宮古島で主催したヒアリ同定セミナーで講習を行う環境科学セクションの吉村正志博士。 

那覇港管理組合主催のワークショップでも講演を行った。 

 

沖縄県外来種対策委員会  

OISTは、沖縄県の組織横断的な外来種対策委員会に参加しています。同会合は年に数回開催され、指定外来種の選定や対策指針の作成などを行っています。 

沖縄県外来種対策委員会(2020年3月)

外来種アリ対策プロジェクト

環境科学セクションは、琉球大学や那覇市および環境省と共同で、組織横断的なプロジェクトを主導し、外来アリの防除に取り組んでいます。本プロジェクトは、ハヤトゲフシアリ(Lepisiota frauenfeldi)という特定外来種のアリを対象としています。  

 

国立台湾大学との共同研究契約について   

環境科学セクションは、国立台湾大学および台湾国立ヒアリ防除センターと契約を締結し、ヒアリ対策技術を構築する共同研究を行っています。本プロジェクトは、外来アリの防除戦略を強化し、台湾と沖縄の研究協力を促進することを目的としています。   

 

プロジェクト関連出版物 

  • Yoshimura, M., Suwabe, M., Ikeda, T., Ogasawara, M., Economo, E.P.. (2020) Development and Implementation of a workshop on alien species and Red Imported Fire Ants (RIFA) for elementary school students. Japanese Journal of Science Communication 26: 39-56. 
  • Aoyama Y., Yoshimura M., Ogasawara M., Suwabe M., Economo E. P. (2020) Potential Economic Impact on Invasion of the Red Imported Fire Ant in Okinawa, Japan. Japanese Journal of Ecology, 70: 3-14. 
  • Yoshimura M. (2020) Taxonomy of Alien Ants. Pp. 34-50. In: Hashimoto Y. (Ed) Alien Ants. Asakura-shobo, Tokyo.  
  • Hashimoto Y., Yoshimura M. & Huang Rn. (2019) Wasabi Versus Red Imported Fire Ants: Preliminary Test of Repellency of Microencapsulated Allyl Isothiocyanate Against Solenopsis invicta (Hymenoptera: Formicidae) Using Bait Traps in Taiwan. Applied Entomology and Zoology, 54: 193-196. 
  • Yoshimura M., Yoshida T., Ogasawara M. & Economo E. P. (2016) Ant Research Program for High School Students Using the Time-unit Sampling Method. Research bulletin of Environmental Education Center, Miyagi University of Education, 18: 43-47.  
  • Yoshimura M., Ogasawara K., Suwabe M., Taga A., Naka M., Ogasawara M., Takahara Y. & Tamashiro Y. (in press) The First Record of the Argentine Ant Linepithema humile in Okinawa (Hymenoptera: Formicidae: Dolichoderinae). The Biological Magazine Okinawa.   

 

 

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