2012-05-11

量子研究者OISTに参集

Professors Thomas Busch, Síle Nic Chormaic, and Nic Shannon
(左から)トーマス・ブッシュ准教授、シーレ・ニコーマック准教授、ニック・シャノン准教授

 5月7~10日に開催されたワークショップ「Quantum@OIST」(量子@OIST)は通常のワークショップとは少し趣が異なっていました。ひとつには、講演者や参加者の多くが、Tシャツに半ズボンという出で立ちの20代~30代の若手研究者でした。さらに、「強相関量子気体」や「量子スピン液体内における光子の発生」といった講演の合間に、OISTの高性能コンピュータの紹介や、住居や移転手続きに関する説明が行われました。

 本ワークショップは、OISTに新たに着任したトーマス・ブッシュ准教授、シーレ・ニコーマック准教授、ニック・シャノン准教授が主催し、それぞれの研究ユニットのメンバーをOISTに紹介すると同時に、メンバーにOISTのことを知ってもらうことを目的としていました。これら3つの研究ユニットは本年9月か10月にOISTでの研究活動を開始します。現在、ブッシュ准教授及びニコーマック准教授の研究室はアイルランドのコーク・カレッジ大学にあり、シャノン准教授の研究室は英国オックスフォード大学とブリストル大学に分散しています。そして今回、この3ユニットからおよそ25名が本ワークショップに参加しました。彼らにとって、研究仲間と共にOISTに移ることは大きな決断であり、今回の来沖は、実際に赴任する前に、OISTでの研究生活がどのようなものであるかを知ってもらうことも目的であったとニコーマック准教授とふりかえりました。幸い天候にも恵まれ、ワークショップ前半はこれ以上にない天気となりました。ニコーマック准教授は「実際にOISTを訪れたことで、研究者の意欲が以前より更に高まりました。」と、語っています。

 ワークショップのもう一つの目的は、新しい研究ユニットのメンバーとOISTの既存のメンバーの交流と連携の促進でした。「OISTの8名の研究者が講演を引き受けてくれ、みなさんから温かい歓迎を受けました。」と、ニコーマック准教授は感想を述べました。そして、新たな3ユニットからは准教授が講演を行う代わりに、それぞれのユニットの研究員と学生が研究発表を行いました。

 ブッシュ准教授は量子力学を、「取り付きにくい難解な分野ですが、量子特性を利用して機械を作ることも可能です」と、説明します。ブッシュ准教授の研究ユニットではそのような特性を活かし、従来のコンピュータから飛躍的に進化した量子コンピュータの理論的な研究を行っています。

 ニコーマック准教授の研究ユニットでは、粒子を研究に適した状態にするため、レーザーを用いた粒子速度の減速、捕捉を量子原理に基づいて行っています。シャノン准教授の研究ユニットは、同准教授が「電子の社会性」と呼ぶ理論的研究を行っており、特定の物質において不思議な特性を持った電子がどのような相互作用をもたらすかを研究しています。

ショーナ・ウィリアムズ

(ショーナ・ウィリアムズ)

広報や取材に関して:media@oist.jp