沖縄県と連携協定を締結

3月13日、OISTと沖縄県は、国際的な知的・産業クラスターの形成に向けた取り組みなど、様々な分野における協力関係を一層強化するため、連携協定を締結しました。

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は世界最高水準の科学技術に関する教育研究を行うことで、沖縄の自立的発展と、世界の科学技術の向上に寄与することを目指しています。この目的を達成するため、OISTではこれまで国際的な知的・産業クラスターの形成に向けた取り組みなど、様々な分野で沖縄県と協力してきました。

 3月13日、こうした協力関係をさらに強化するため、OISTと沖縄県は連携協定を締結しました。同協定に基づき、今後は新産業の創出および地場産業の高度化、将来の科学技術を担う人材育成などに向けて、県内の市町村、大学、研究機関、産業界の一層の交流が期待されます。沖縄県庁で行われた連携協定調印式には、OISTのジョナサン・ドーファン学長と沖縄県の仲井眞弘多知事が出席し、OISTロバート・バックマン上級副学長や尚弘子理事、沖縄県の川上好久企画部長が見守る中、協定書を交わしました。ドーファン学長は、「クラスターの形成には大学院大学と沖縄県及び産業界の密接な協力関係が欠かせません。この連携協定は大学院大学と沖縄県が沖縄振興を目指した長期的な協力関係を構築することを目的としています。」と語った上で、新薬創出や病気の治療、太陽光発電のための新素材の開発、情報技術(IT)など、産業振興に結びつくOISTの研究について言及しました。仲井眞知事は、沖縄県が引き続きOISTに対して支援していくことを約束するとともに、県内の自然および海洋資源を活用したOISTの研究が、新産業の創出および地場産業の高度化につながることに期待を示しました。

 本年、沖縄は本土復帰40周年を迎えます。仲井眞知事は沖縄の文化的豊かさにふれ、これまで県民が芸能や文化の面で大いに活躍し、文芸に誇りをもっていることを強調しました。一方で同知事は、自然科学の分野ではまだまだ発展の余地があると述べ、「沖縄の若い子どもたちへのインパクトはとても大きい。」と、OISTの存在そのものが子どもたちにとって多いに刺激となっていると語りました。ドーファン学長も知事の意見に同意した上で、県内の就学児を対象としたOISTビジットプログラムや来たる3月18日に開催されるオープンキャンパス2012について言及しました。

 この協定に基づく連携した取り組みの第一歩として、来たる3月29日~30日にかけて、大学院大学では、沖縄県の多大なご協力を得て、沖縄における知的産業クラスターの形成をテーマとする国際ワークショップを開催します。

(名取 薫)

広報・取材に関するお問い合わせ:media@oist.jp

シェア: