5.3. 大学院プログラム

本学は博士号(学術)取得のための一貫性博士課程プログラムを設けています。博士号の学位は研究大学院の学位で、以下の条件を満たす者に授与されます。

  1. 入学資格を満たし、入学許可を受け、それを了承し、正規の博士課程学生として3年以上10年以下在学すること。
  2. 定められた授業科目を履修し30単位(講義科目から20単位、ラボ科目から10単位)以上を取得するか、それまでの学習でこれに相当する数の単位を取得していること。
  3. 独自に発見した知識が示され発表に値する内容を含んだ、学生による研究結果が示された優秀な論文を提出すること。
  4. 論文テーマに関連する事項についての口頭試問で審査委員に合格と判断されること。

5.3.1. 修業年限

標準修業年限は5年間ですが、学生の準備のレベルや研究の進展具合により変わることがあります。学生が適切な準備となる学習を以前受けている場合には、在学期間が短縮されることがあります。

5.3.1.1. 理学士号取得者の入学
第1学年から入学する学生の修業年限は5年間です。

5.3.1.2. 理学修士号取得者の入学
修士号を取得している学生又は相当の研究成果を文書に残している学生は直接2年次又は3年次に入学することができます。こうした学生も定められた一定の授業科目の履修を求められる場合があります。

5.3.1.3. 最短修業年限
最短修業年限は学則第35条で定められています。

5.3.1.4. 標準修業年限の延長
例外的な状況である場合には、5年間の標準修業年限を延長することができます。延長には研究科長の承認が必要です。修業年限を延長する場合でも、経済的支援が自動的に延長されるわけではありません。(経済的支援の項[link: 5.4.1]参照)

5.3.1.5. 在学年限
在学年限はスタディ・リーブと年次休暇[link: 5.3.17]を含めて10年間です。

5.3.2. 学年度及び学期

学年度は毎年9月に始まります。1学年は3学期に分けられ、通常、1学期に15週間、講義が予定されています。このスケジュールはラボ・ローテーション毎の研究課題を意味のあるものとして完結させるのに十分な時間を確保できるよう設計されています(学則第17条参照)。

5.3.3. 授業科目

5年一貫制博士課程のうちの最初の2年間は、学生が柔軟に自身の博士論文研究の準備ができるようラボ科目と講義科目を組み合わせることになっています。最初の2年間に学生は上記科目を組み合わせて個別のプログラムを履修します。

5.3.4. 単位

各授業科目の単位数は「コース・スケジュール」で定められています。学生は卒業までに30単位以上を取得修得しなければなりません。授業科目には、プロフェッショナル・ディベロップメント科目、基礎科目、専門科目、ラボ科目があります。プロフェッショナル・ディベロップメント科目、基礎科目、専門科目を合計20単位取得します。ラボ科目にはラボ・ローテーションと研究計画書作成指導があり、合計10単位とします。国際ワークショップに参加し単位を修得することもできます。他の大学又は入学前に本学で修得した単位も本学の単位として認定することができます(5.6.2)。

5.3.5. 必修科目

教育課程の柔軟性を維持するため、ラボ科目(ラボ・ローテーション及び研究計画書作成指導)を除いた必修科目は、次に述べるプロフェッショナル・ディベロップメント科目I 及びII の2科目(各1単位)のみです。プロフェッショナル・ディベロップメント科目は大学院プログラムの修了に不可欠な知識、経験、能力を養成し、また、世界トップレベルの研究機関への就職に向けて学生が準備できるよう構成されています。

5.3.6. 基礎科目及び専門科目

通常、各学生は少なくとも4つの基礎科目及び少なくとも4つの専門科目を履修します。原則的には、基礎科目及び専門科目の授業科目は各2単位認定されます。授業科目に関する情報はコース・スケジュール履修計画の承認の項に定められています。学生一人一人に選任されたアカデミック・メンターが履修計画について助言を行い、個別の履修計画を編成します[link: 5.3.10]。

5.3.6.1. ラボ・ローテーション

ラボ・ローテーションは、大学院プログラム1 年次の学生の勉学の主要な部分を形成します。1回のローテーションにつき、学生は一学期間かけて特定の研究課題に取り組み、その後、別のラボへと移動します。ラボ・ローテーションは異なるラボでの様々な経験を通して様々な分野、技術、思考法への理解を拡げるものであり、ローテーションによっては、理論的研究、モデリング、研究室の実験台での作業も経験することができます。これは、博士論文研究に最も適したラボや研究課題の選択の助けになります。学生は博士論文研究テーマを決定する前に、通常、3箇所のラボをローテーションします。

ラボ・ローテーションは必ず3つ経験しなければならず、合計で9単位認定されます。以前、これに相当する研究の経験がある場合にはこの要件の例外とすることができ、この場合には単位互換として3単位を認定することができます。全ての学生が少なくとも1つのラボを経験するよう、原則として、ラボ・ローテーションの単位互換認定は6単位までとします。

ローテーションの選択は個々の学生に対して承認された履修計画の一部であり、アカデミック・メンターとの話し合いを行わなければなりません。1つの研究ユニットに参加する学生の人数は2名までで、全ての選択が希望の期間に行えない場合もあります。学生は希望の順に5つのローテーションを申込書に記載し、履修計画と一緒に提出して研究科長の承認を受けます。可能な場合には上位3つの希望を認められます。可能ではない場合にも、委員会がリストを更に検討して1年次中にローテーションを経験できるようにします。

それぞれのローテーションで有意義なプロジェクトを実行します。担当教員が学生の興味やラボの機能を考慮し、研究課題を与えます。それぞれのローテーションの中で学生がしなければならないことは以下のとおりです。

  1. 研究課題の計画書作成
  2. 課題の修了
  3. ラボ所属メンバーに対する口頭発表
  4. 研究課題についての報告書の提出

ローテーションの評価はラボを担当する教員が行い、学生が作成した報告書を、その評価結果とともに教務セクションに提出します。各ローテーションでの学生の成長と実績は、カリキュラム・審査委員会で議論され、この委員会を通じて、学生指導に関する教員同士の協力体制が整備されます。
 

5.3.7.  研究計画書作成指導

学生は研究計画書作成指導(1単位)を履修しなければなりません。詳細については、PRP 5.3.11を参照してください。

5.3.8. 履修科目登録の上限

1つの学期中に履修できる授業科目は4つまでです。ただし、通常、学生は自身の学習や読書、ローテーションでの研究活動のための時間を確保するために1つの学期につき基礎科目又は専門科目を3つ以上履修することはありません。

5.3.9.  履修順序の概要

1年次

  1. アカデミック・メンターの選任
  2. 1年次と2年次の履修計画(ラボ・ローテーションを含む)の作成
  3. プロフェッショナル・ディベロップメントⅠ
  4. 履修が承認された基礎科目と専門科目の履修
  5. 3つのラボ・ローテーション
    (その他のプロフェッショナル・ディベロップメント科目の授業については別記)

2年次

  1. 研究計画書の作成準備
  2. 必要に応じ、履修が承認された専門科目と基礎科目の履修
  3. プロフェッショナル・ディベロップメントⅡの開始
  4. 研究指導教員・論文指導委員会メンバーのノミネート
  5. ノミネートフォームと研究計画書の提出
  6. 博士論文研究開始のための口頭試問

3年次~5年次

  1. 博士論文研究
  2. プロフェッショナル・ディベロップメントⅡ
  3. ワークショップコース

学位論文審査

  1. 論文提出意向の届出
  2. 論文審査委員のノミネート
  3. 論文提出
  4. 本学において論文発表及び口頭試問

5.3.10. 履修指導

学生一人一人の科目選択(履修計画)は、個々の履修歴、やりたいこと、経験に基づいてなされます。必修のプロフェッショナル・ディベロップメント科目以外に必須の講義科目はありません。

プログラムは柔軟でそれぞれの学生が個別の履修計画を作ることができますので、経験豊富なアドバイザーからの履修指導が重要です。このために学生一人一人にアカデミック・メンターが選任されます。

5.3.10.1. アカデミック・メンターの選任
入学の時点から、学生一人一人にアカデミック・メンター(ジェネラル・アドバイザーともいう)が選任されます。アカデミック・メンターは学生が研究に必要な基礎を強化できるよう授業科目及びラボ・ローテーションの選択について学生と慎重に検討し、また、従来の境界を越えて効果的な協力ができる能力を育てるために必要な幅広い学習を行えるよう指導します。アカデミック・メンターは、教務セクションの助言を参考に研究科長が選任します。アカデミック・メンターには以下の特徴があります。

i. 履修指導と論文研究指導に関し豊富な経験を持っています。新任教員は論文指導委員会メンバーを務めることで履修指導と論文研究指導の経験を積みます。
ii. 専門分野における高度な知見を有し、学生が博士論文研究を準備するための授業科目の選択について学生に助言することができます。
iii. 学生の利益のために第三者的立場から行動する役割を担っています。

アカデミック・メンターは、学生の在学期間中の一般的な相談相手となる役割も担っています。アカデミック・メンターは同じ学生の研究指導教員になることはできません。学生がアカデミック・メンターの研究ユニットでの論文研究の実施を決めた場合には新しいアカデミック・メンターが選任されます。

5.3.10.2. 履修作成にあたってのアカデミック・メンターの役割
アカデミック・メンターと学生は一緒に最初の2年間の講義科目とラボ・ローテーションの履修計画を作成します。履修計画では、学生の履修歴、個別の経験、興味を考慮します。アカデミック・メンターは、学生が、実験的及び理論的アプローチを経験し、学際的経験ができるローテーションを選択できるよう指導します。

5.3.10.3. 履修計画の承認
履修計画は定められた書式で研究科長に提出します。各自の履修計画は研究科長が最終的に承認します。

5.3.10.4. ラボ・ローテーションの承認
ラボ・ローテーションは、学生の希望や受け入れ先のラボの空き状況を考慮しつつ、研究科長が承認します。

5.3.10.5. 成績評価
それぞれの授業科目でコース・スケジュールに従って成績評価を行います。評価者は、筆記、実技又は口頭の試験手段で、若しくは継続的なアセスメント(授業への参加状況、宿題の提出状況等)で、若しくはその組み合わせにより、成績評価を行うことができます。成績評価は英語で記述しなければなりません。

やむをえぬ事情で成績評価を受けることができない学生については研究科長が追加で成績評価を受けることを許可することがあります。このような場合には、所定の書式を使って当該成績評価を実施した時から48時間以内に具体的理由を届け出なければなりません。

成績評価の結果に対して(評価者に直接)不服を申し立てることはできません。ただし、成績評価の結果についての苦情は研究科長が検討し、採点に誤りがないか評価の書面をチェックします。誤りが見つかった場合、評価者の合意を得て成績評価の訂正を行うことがあります。

正式な成績評価は教務セクションが事務を取り扱います。時間がかち合うことがないよう、試験日と主要な成績評価の日程を調整します。こうした予定は各学年度の開始時点で決められており、学年度の初めに学生に試験と成績評価の日程が通知されます。

筆記試験の問題用紙については、準備のために試験の1か月前までに教務セクションに提出されなければなりません。試験には監督が付きます。試験会場に入場できるのは当該授業科目に登録している認められた受験生のみです。

5.3.10.6. 進捗状況のモニタリングとメンタリング
1、2年次はアカデミック・メンターが、学生の論文研究開始への進級の確認まで、授業科目及びラボ・ローテーションの進捗状況や問題点について定期的に学生と話し合います。授業科目の成績は教務セクションがアカデミック・メンターとカリキュラム・審査委員会に報告します。問題がある場合には、アカデミック・メンターが個々の学生の必要に応じて、組織的な支援を行います。問題が続く場合には、アカデミック・メンターの責任で研究科長に知らせ、研究科長がおもわしくない進展や実績についての手続きを取ります(5.11.2章)。

5.3.11. 博士論文研究開始要件

博士論文研究開始に先立ち、カリキュラム・審査委員会は本学の全正規学生に対して、博士論文研究の開始要件を満たしているかどうかについて審査を行います。そのために、学生は研究指導教員及び研究ユニットを事前に決定し、所定の書式で研究計画書を作成し(5.3.7  参照)論文指導委員を指名します。研究計画書、研究指導教員及び論文指導委員会は、学生が論文研究を始める前に研究科長の正式な承認を受けなければなりません。

5.3.11.1 研究指導教員及び論文指導委員の任命

研究指導を監督するため、研究指導教員の職階・経験に関わらず、学生毎に論文指導委員会を設置します。論文指導委員会は、研究指導教員、アカデミック・メンター並びに副研究指導教員又は論文指導委員会の第三の構成員(本学教員の中から学生が指名した者)で構成されます。副研究指導教員が学外から任命される場合は、本学の教員の中から論文指導委員会の構成員を更に一名追加して任命する必要があります。学生は研究指導教員を指名する責任があります。また、論文指導委員会の他の構成員についても提案することができます。論文指導委員会の第三の構成員は、博士論文研究開始の審査を行う論文審査パネルが任命される前に、任命されていなければなりません。一連の手順については、教務セクションが学生に対する指導及びサポートを行います。

研究指導教員は専任教員でなければなりません。アジャンクト・プロフェッサー及びビジティング・プロフェッサーは、副研究指導教員又は論文指導委員となることができます。学外の教員は、その教員の大学との公式な合意があれば、副研究指導教員になることができます。この合意については、教務セクションから情報を得ることができます。

5.3.11.2 研究指導教員/論文指導委員会の構成員の承認手順

学生は、研究指導教員予定者及びアカデミック・メンターと相談して研究指導教員を指名する様式[link: Preliminary Thesis Research Supervisor]を作成し、研究科オフィスに提出します。さらに、研究指導教員予定者、アカデミック・メンター及び論文指導委員予定者と相談して、論文指導委員会の構成員を指名する様式[link: Thesis Proposal  Submission Cover Sheet]を作成し、研究計画書とともに研究科オフィスに提出します。研究科長は、教務セクションの助言をもとに、研究指導教員及び論文指導委員を任命します。研究指導教員予定者がアカデミック・メンターとなる場合には、利益相反を避けるため、研究科長は新たにアカデミック・メンターを選任します。

5.3.11.3 博士論文研究計画書要件

博士論文研究計画書は、学生が作成する論文研究のための計画書であり、論文研究開始の承認及び評価の重要な要素です。研究計画書の提案が適切であり、かつ学生が論文指導委員の監督の下で計画に沿って研究を進め得るとカリキュラム・審査委員会が判断した場合、合格となります。研究計画書は、研究課題の創案、研究の計画、文献のレビューに至るまで学生が独自に作成したものでなくてはなりません。学生は研究計画書を作成する過程で、研究テーマについて研究指導教員と話し合うことが期待されています。研究指導教員は、学生に対し研究室で実験可能な範囲、科学的な質問、関連する既存の研究、並びに研究の計画及び手法について助言します。

学生は自分の言葉で研究計画書を書く必要があります。他の人の著作を引用する場合は、引用元及び帰属を正しく記述することが必要です。コピー又は言い換えによる盗用は厳しく禁止されており、もし盗用行為が確認されれば、審査が即時停止となり落第となる場合があります。

論文指導委員予定者は、提出予定の研究計画書を事前に読まなければなりません。論文指導委員会は、研究計画書の草稿に対しフィードバックを与え、学生は提出する前に必要な改訂を行うことができます。研究計画が妥当であり、研究目標が適切であると判断された場合、研究指導教員及び論文指導委員は、表紙に署名することによって正式な合意を表明します。その後、研究計画書は審査に提出されます。学生は、口頭試問を受けその研究計画の妥当性を論証しなければなりません。

5.3.1.1.3.1 研究計画書の書式及び内容

簡潔、厳密かつ学術的な研究計画書を作成し、正しい書式で提示することは、学生の研究訓練の一環です。研究計画書の長さについての規定はありません。学生がプロジェクトの動機及び目標を適切に説明し、関連する文献をレビューし、これまでの進捗状況を記述するには 8,000〜10,000 語程度(約 20 ページ)は必要と考えられます。一方で、研究計画書は簡潔であることが奨励されており、上記の点を全て網羅していれば 5,000 語の計画書であっても十分です。研究計画書には、次の項目が含まれている必要があります。

i        表紙。「PhD  Thesis  Proposal」と明記し、本学の名称とロゴ、研究計画書の題目、学生の氏名、研究指導教員の氏名

(更に副研究指導教員がいる場合は、副研究指導教員の氏名)及び提出年月が含まれていなければなりません。

ii  要旨。一段落内に 500 語以下で研究計画を簡潔に要約します。

iii  略語一覧。

iv  序論及び文献レビュー。問題の提起、全体的な目標、及び関連する既存の研究のレビュー(文献レビュー)を含めた研究の背景の説明を行います。文献レビューは、出版可能なレベルでなければならず、研究計画の背景を説明する文献を簡潔かつ学術的にレビューする必要があります。文献レビューは、研究計画の目標設定の経緯を該当分野の既存の研究と関連付けて記述する必要があります。

v  研究計画。研究の具体的な目標から始まり、研究の設計と手法を含む研究完了のための具体的な計画を提示します。このセクションでは、研究手法がどのように研究目標に対し機能するか説明し、また、実験成果の重要性について言及する必要があります。

vi  進捗報告。研究指導教員の研究室における、論文研究準備中の学生の研究成果に関する報告書です。過去に学位取得のために提出したことのある資料を流用してはなりませんが、本学のラボ・ローテーション中の研究成果を含めることは可能です。報告には、提案した研究手法で得られた結果を例として含めることができます。実験方法の開発、試料調達、被験者の募集などが必要なプロジェクトにおいては、まだ結果が得られていない可能性があります。この場合、進捗を示す他の資料を提示することとします。

vii  参考文献。参考文献には、本文に引用されている全ての文献が含まれていなければなりません。引用していない文献は含めてはなりません。参考文献を作成する際には、ハーバード方式、バンクーバー方式、又は ACS スタイルなどの一般的な参照形式を使用することができます。ただし、選択したスタイルを一貫して用い、論文内の引用及び参考文献を全て正確に記述しなけれなければなりません。

viii     付録。これはオプションであり、必要な場合にのみ追加してください。

審査員は提出された研究計画書を審査します。ただし、カリキュラム・審査委員会は過度に長い、あるいは稚拙な構成の研究計画書に対し審査員に審査を依頼することなく、学生に書き直しを要求する権利を持つものとします。学生は、審査員が付録の書類にまで目を通すことを期待してはいけません。

研究計画書の全文は、研究科長が指定する期日(通常、口頭試問の 28 日前)までに研究科オフィスに提出しなければなりません。ただし、研究指導教員から書面による要求がある場合、提出締め切り日の緊急的な例外を研究科長が認める可能性があります。

 

5.3.11.4 研究計画書の発表及び口頭試問

研究計画書の審査パネルは、カリキュラム・審査委員会により任命された、学外審査員、学内審査員、及び議長の3名で構成されます。審査パネルは研究計画書の発表を含む、3時間の口頭試問を行います。審査パネルには計画書の研究分野における学外審査員も招聘されます。通常、審査は本学にて全員臨席のもとに行われます。それが不可能な場合、研究科長はテレビ会議等の通信媒体を介しての参加を許可することができます。カリキュラム・審査委員会は、研究指導予定教員の推薦を考慮に入れつつ学外審査員を任命します。学外審査員の利益相反に関する指針は 5.3.13.3.1 に準じます。審査パネルには、カリキュラム・審査委員会が、本学教員の中から任命した学内審査員も含まれます。博士論文研究開始のための審査に関する本学の基準や規定を熟知している本学教員の中から、カリキュラム・審査委員会により任命された者が、審査パネルの議長を務めます。学生の研究指導予定教員及びアカデミック・メンターは審査パネルの構成員になることはできません。研究指導予定教員及び研究指導委員会の他の構成員は、口頭試問に立ち会うことは可能ですが、審査に参加することは許されていません。

5.3.11.4.1 審査時の行動規範

審査会場で使用が許可されている資料は、通常、研究計画書のみです。研究計画書提出後に得た研究結果を示す図を追加資料として用いたい場合、少なくとも 1 週間前に議長に追加予定資料を提出し、議長が同意した場合に限り使用が許可されます。

議長が審査の開始を告げ、学生及び審査員に審査手順を説明した後、口頭試問を開始します。次に、議長は、15 分以内に研究提案書の簡潔な要約を述べるように学生に求めます。口頭試問中は、スライドやその他の資料を使用することは認められていません。ただし、印刷した研究計画書を参照することは可能です。ホワイトボード及びペンも用意されており使用できます。

要約を述べた後、議長は学外審査員に学生の審査を依頼します。学内審査員は学外審査員に従うか、又は必要に応じて、学生との議論に参加することができます。研究計画書の分野の専門家として、学外審査員は審査において主要な役割を果たすことが期待されています。

審査は主に、(1)研究計画書の発表、及び(2)論文研究に関連する分野の基礎知識の審査で構成され、バランスよく行われることが期待されています。

第 1 部の研究計画書の発表では、論文研究開始に必要な高度な知識と理解を有していることを立証し、また、計画している研究や研究課題に主体的かつ独創的に関わっている事を示すことが学生に求められます。

第 2 部の口頭試問では、論文研究に関連する分野の基礎知識を十分に有していること、また、その知識を効果的に体系化し、適用し、伝える能力を有していることを実証することが期待されています。

審査の実施において、第 2 部は第 1 部から自然な流れで始まることが想定されています。各部を厳密に分ける必要はなく、各部に費やされる時間の配分は、基本的にはバランスよく行われることが望ましいものの、この点に関しては審査員の裁量により異なる可能性があります。

審査は最長 3 時間を超えないものとします。ただし、審査員が十分に学生を審査し、勧告を行うことができると認められる場合には、早めに終了することができます。許可時間が経過した場合、又は審査員からの質問がなくなった場合、議長は審査を正式に終了します。

審査終了後 1 週間以内に、学外審査員及び学内審査員は各々、審査に関する報告書を簡単にまとめて議長に提出します。その後、議長は、カリキュラム・審査委員会に報告を行います。報告書は機密文書として扱われ、カリキュラム・審査委員会が審査結果を正式に決定するまで、学生には公開されません。

審査員の報告書には、以下の勧告のうちの 1 つが含まれていなければなりません。

i  合格。審査員は、学生を博士候補生として推薦します。審査員により、授業科目の追加履修や研究計画書への軽微な修正が求められる場合があります。

ii  保留。学生の学術的資質が十分であることを認めるものの、研究計画書が現状のままでは受け入れ難く、大幅な修正によって受理可能な場合にのみ、この結論が適用されます。研究計画書は再度、口頭試問によって審査されます。この場合、修正時に取り上げる必要のある研究計画書の不備と、学生が補うべき知識の範囲と深さの不足について、審査員の報告書の中で列挙されます。

iii  不合格。これは学生の学術的資質が不十分である、研究計画書が再審査に値しない、又は再審査の結果、基準に満たないと認められた場合の結論となります。不合格の場合、再審査は認められません。

研究計画書の審査パネルは、研究指導予定教員からの提案を踏まえて審査を行います。提案とは審査に必要とされる知識と範囲に関するもので、カリキュラム・審査委員会から学生及び審査員に通達されます。審査後、審査員が提出した報告書を用いて、カリキュラム・審査委員会により審議されます。

 

5.3.11.5 博士論文研究開始の資格審査

博士論文研究開始の資格審査は、学生が論文テーマに関連する分野、及び専攻分野に対する十分な基礎知識を持ち、その知識を的確に整理、適用、伝達し得る能力を有しているかどうかについて判断することを目的としています。カリキュラム・審査委員会は、学生の履修内容、本学における授業及びラボ・ローテーションの成績、研究計画書、そして審査結果を踏まえて評価を行います。研究計画書の審査は評価の主要な位置を占めることになります。研究計画書は学生が独力で作成したものでなければならず、研究課題に対する学生独自の貢献が明確に示されていなければなりません。博士論文研究開始の資格審査は学生からの要請により行われ、通常は2年次の終わりに、遅くとも博士論文研究の準備開始から12か月以内に行われます。カリキュラム・審査委員会は以下の資料をもとに学生の評価を行います:

i  学生の研究計画書。
ii  審査パネルによる審査結果の報告書(5.3.11.3 に別途定める)
iii  学生の本学における学業成績
iv  ラボ・ローテーションの報告書

v  当該学生の研究指導予定教員、アカデミック・メンター、論文指導委員予定者による、当該研究計画書についての規定書式での承認(Thesis Proposal Submission Cover Sheet へのリンク)。
vi  その他、適切と認められる追加資料

審査後すぐに開かれるカリキュラム審査委員会において、審査員からの報告が検討され、勧告が行なわれます。カリキュラム・審査委員会は、以下の3つのいずれかに結論をまとめ、その結果を学生の学業成績として記録します。

i  合格。学生は博士候補生となります。委員会は授業科目の追加履修や研究計画書への微修正を要求する場合があります。
ii  保留。学生の学術的資質が十分であることを認めるものの、研究計画書が現状のままでは受け入れ難く、大幅な修正によって受理
可能な場合にのみ、この結論が適用されます。研究計画書は再度、口頭試問によって審査され、委員会は合格、不合格いずれかの結論を出さなければなりません。委員会は修正された研究計画書の提出期限及び再審査の日程を決定します。学生が期限までに再提出できなかった場合、結果は不合格となります。

iii  不合格。これは学生の学術的資質が不十分である、研究計画書が再審査に値しない、又は再審査の結果、基準に満たないと認められた場合の結論となります。不合格の場合、再審査は認められません。

この結果はすぐに、審査員からの報告内容とともに、学生及び論文指導委員会に送られます。修正が必要な場合、審査結果通知書(outcome letter)に修正締切日が記載されます。修正した研究計画書は、審査関係者(通常は、審査員又は議長)が審議できるように、修正締切日までに提出する必要があります。修正内容が受理されると、次回のカリキュラム・審査委員会で承認された後、学生にその旨が通知されます。審査結果に対する異議申立ての手続きは別途規定されています(5.3.11.8)。



5.3.11.6. 修士の学位授与による退学(博士論文研究段階への進級不可の判定の場合)

博士論文研究開始の基準を満たすことができなかった学生は学則第37条第3項の規定により、修士(理学)の授与を目的とした修士論文を改めて提出することができます。以下の終了要件を満たす場合、修士(理学)が授与されます。

i  30単位以上(必修科目及び選択科目を20単位、ラボ科目を1 0単位)を修得していること
ii  審査パネル(学外審査員1名以上を含む)により修士(理学)の授与に値すると判断され適正水準に達した研究論文を提出していること

これには、期限が定められています。学生は必要な授業科目の単位を修得し、審査結果の通達から6か月以内に審査のための修士論文を提出しなければなりません。

審査パネルには、カリキュラム・審査委員会により当該目的のために任命された、学外審査員1名、学内審査員1名、議長が含まれます。審査員は、論文を受理してから3か月以内に論文を査読し、「合格」か「不合格」の意見を付した報告書を提出します。カリキュラム・審査委員会は、審査員からの意見を審査し、修士号授与の要件を全て満たしているかどうか検討します。審査結果が「合格」の場合は、学位授与の手続き(5.3.15.1)に準じます。「不合格」の場合、学生の学籍簿は翌日に更新され、「不合格」という審査結果が記録されます。学生の学籍簿更新時に、審査結果の通知書が送付されます。

5.3.11.7. 博士論文研究開始前の修士の学位授与による退学

研究科長が例外的な状況と認める場合、博士論文研究開始のための審査より以前に早期退学を希望する学生は、学則第37条第3項の規定により、修士の学位(理学)の授与を目的とした修士論文の提出が認められることがあります。早期退学は、在籍2年以内にリクエストされ、研究科長に承認されなければなりません。当該学生が、下記の修了要件を満たす場合に修士の学位(理学)が授与されます。

i  30単位以上(必修科目及び選択科目から20単位、ラボ科目から10単位)を修得していること
ii  審査パネル(学外審査員1名以上を含む)により修士(理学)の授与に値する水準と判断された独自の研究論文を提出していること
iii  本学に2年以上在籍していること

当該学生は、在籍3年目の末までに、必要単位を修得し、審査のための修士論文を提出しなければなりません。審査パネルには、カリキュラム・審査委員会により当該目的のために任命された、学外審査員1名、

学内審査員1名、議長が含まれます。審査員は、論文を受理してから3か月以内に論文を査読し、「合格」か「不合格」の意見を付した報告書を提出します。カリキュラム・審査委員会は、審査員からの意見を審査し、修士(理学)の授与の要件を全て満たしているかどうか検討します。

5.3.11.8 異議申立ての手続き

研究計画書の口頭試問(又は修士論文審査)で不合格となった学生は、異議を申し立てる事ができます。ただし、異議申立てが認められるのは審査の手順に対してのみであり、試験における審査員の評価、カリキュラム・審査委員会の決定、及び審査パネルの構成に対する異議申し立ては認められません。審査の過程は機密事項であり、この機密性はいかなる異議申し立て手続きにおいても保持されなくてはなりません。異議申立ては申立て理由の簡明な陳述を含む文書の形で、審査結果の通知日付から28日以内に教務セクションのマネジャーに提出するものとします。異議申立書の宛先は教員担当学監とします。教員担当学監は学生の申し立ての論拠を考慮に入れながら対応を決定します。これには審査手順の調査が含まれる場合があります。

教員担当学監は受理した異議申し立てに対して以下のいずれかの裁定を下します。

I. 審査試験の手順は正しく適用されており、異議申立ては却下とする。

II.審査試験の手順は正しく適用されていなかった。しかしながら手順の相違は試験の結果に影響を与えるものではなく、異議申立ては却下とする。

III.審査試験の手順は正しく適用されていなかった。手順の相違は試験の結果に影響を与えるものであり、異議申立てを認める。この場合、教員担当学監は、再審査を含む、取るべき行動を指示します。

異議申立書が教務セクションにより受理されてから28日以内に裁定の結論が下されるものとします。

 

5.3.12 学生の研究進捗状況のモニタリング

論文研究期間の開始から、研究指導教員が学生の進捗状況のモニタリングに一義的な責任を負い、論文指導委員会がこれを支援します。アカデミック・メンターは、仮に、学生と研究指導教員との間に問題が生じた場合には、学生の指導を引き継ぎます。

5.3.12.1. 研究進捗状況報告書
論文研究を開始した学生は、自身の論文研究の進捗状況についての年間進捗状況報告書を提出しなければなりません。学生は報告書を作成し、論文指導委員会の全メンバーの承認を受けて研究科長に提出します。

論文研究を継続するためには十分な進捗があることが必要です。進捗が乏しい場合又は研究の質が低い場合、研究科長が介入して解決策を提案することがあります。進展が乏しい状況又は研究の質が低い状況が続く場合、研究科長はカリキュラム・審査委員会と協議のうえ論文研究の中止を命じることができます。

5.3.12.2. 論文研究の中止
論文研究は以下の場合に中止されることがあります。

  1. 学術的進捗に乏しい場合。
  2. 学生がその他の定められた条件を満たさない場合。
     

5.3.13 博士の学位授与の要件等

本学は、学位の授与を申請する者(以下PRP 5.3.13において「学生」という)による独創的な、科学的知見に大きく寄与する研究の完了をもって、博士の学位を授与します。 

学位は、特定の授業の履修や一定の在籍期間、又は一作業員として指示を受け行った作業に対して授与されるわけではありません。 

学位のための研究は、適切な程度の独立性をもって学生により遂行された、科学的知見に寄与する独創的な研究と、体系的な研究方法で構成されます。 

加えて、学生は、研究結果や研究手法について説明する能力を、英語で口頭及び書面の両方で効果的に示さなければなりません。 

学生は、独自の研究を学位論文にまとめ、口頭試問において発表しなければなりません。 
学生は、過去に別の学位認定のために提出した学位論文の研究を、当該審査に提出することはできません。 
単位履修要件はPRP5.3.13.7に記載します。

5.3.13.1.    学位論文要件
学位論文は、科学的知見に大きく寄与する、独自の仮説に基づいた研究を提示しなければなりません。 

学位論文は、首尾一貫した叙述形式で、問題提起、関連文献の学術的レビューを含むとともに、研究手法の詳細、結果、考察及び結論を論述するものでなければなりません。 
 
既存の公開論文をまとめただけの学位論文は、科学への貢献度合にかかわらず、受理するに値しないとみなされます。本学の学位論文作成ガイドライン(OIST Guidelines on the Preparation of Theses)(以下、「ガイドライン」)に従って章立てされた学位論文を提出しなければなりません。 

学生は、研究結果に基づいた査読済みの科学論文を適時(学位論文提出前が望ましい)国際学術雑誌に発表することが強く奨励されます。 

このような論文を発表することは、科学的知見に貢献した証拠であり、学位論文の審査員により考慮されるとともに、将来のキャリアにも不可欠です。 
 
発表済み、アーカイブ済み、投稿済みの論文については、執筆した学位論文の審査用に別添資料として含めなければなりません。該当する論文がない場合は、学術雑誌に投稿可能なレベルの、学生自身により執筆された論文の原稿を最低一つ、当該学位論文に添付するものとします。過去に発表した論文や原稿は、著作権上の理由から、学位論文の最終稿に含めてはいけません。
 
博士論文の一部として完了した研究結果に基づく科学論文が発表された場合、又は掲載準備中や印刷中の場合は、当該論文から資料を修正し、学位論文の章等として使用することができます。ただし、学位論文は、一貫性のある叙述形式を維持しなければなりません。これらに関する詳細については、ガイドラインを参照してください。 

5.3.13.2.    最終審査
学生は、執筆した論文及び口頭試問の両方において審査されます。審査プロセスは厳秘とします。 

個別の審査の進捗状況に関するあらゆる質問は、教務セクションへ照会しなければなりません。 
学生は、審査の調整に要する時間を考慮し、学位論文提出予定日より前に、十分な余裕をもって学位論文提出意向書を研究科オフィスに書面で届け出なければなりません。 

研究科オフィスは、必要期間については案件ごとに指導します。研究科オフィスは、学生が学位論文を提出する前に、当該学生が卒業に必要な単位を修得しているかを確認しなければなりません。 

単位が不足している場合、学生は、必要とされる授業を最終審査までに追加して修得しなければなりません。

5.3.13.3.    学位論文審査パネルの任命
カリキュラム・審査委員会(CEC)は、学位論文提出意向書を受領後、学内外から論文審査員を任命し、下記構成員からなる学位論文審査パネルを発足させます。 

当該学位論文の研究分野における専門家でありかつ学外の者から、それぞれ所属機関の所在国が異なる国から選任した審査員2名。研究指導教員の推薦を受け、CECが審査員を任命します。CECは、査読付きの国際学術誌に掲載された論文を考慮し、被推薦者が当該分野の専門家であるかを判断する責任を担います。   
博士論文審査に関わる学内基準や規程について知識のある本学教員から選任された議長1名。 
 
研究指導教員は、推薦する審査員が前述の条件を満たしていることを保証する責任を担います。教務セクションは、これらの条件が満たされていることを確認する責任があります。 

条件を満たさない場合は、当該審査員候補者の推薦はカリキュラム・審査委員会へ提出されず、研究指導教員は不適格とされた理由について教務セクションから説明を受け、新たな審査員候補者を推薦するよう求められます。 

カリキュラム・審査委員会は、研究指導教員に代わって、推薦に挙がらなかった者を審査員として任命することもできます。

5.3.13.3.1審査に関する利益相反 
CECは、利益相反がある者、又は利益相反があるように見える者を、論文審査員として任命しません。 

本学教員においては、当該学生の研究指導に関係している場合、あるいは共同研究を行っている場合に、利益相反があるとみなされます。本学教員以外の者については、下記に該当する場合に利益相反があるとみなされます。 
 
i.    当該研究に関わっている 
ii.    現在又は過去5年以内に、当該学位論文の研究が行われている研究室と共同研究を行っている 
iii.    過去に当該学位論文の研究指導教員と同じ学部に所属していた、当該学位論文の研究指導教員の学位論文又はポスドク時の研究指導教員であった(またはその逆の立場であった)、当該学位論文の研究指導教員と過去5年以内に共同執筆した論文等や外部資金獲得実績がある、など客観性を損なうような関係性があると思われる場合 
iv.    過去に当該学生と同じ学部に所属していた、当該学生の教育やプロジェクトを指導していた、また時期を問わず、当該学生と共同執筆した論文等や外部資金獲得実績がある、など客観性を損なうような関係性があると思われる場合 

5.3.13.4.    学位論文審査結果
2 名の学外審査員は、論文を査読し、それぞれ個別に報告をまとめ、各々、以下のいずれかを勧告します: 
 
i.    口頭試問へ進む(修正なし、又は一部修正を条件とする)
ii.   保留(大幅な修正を要する 提出された論文は、必要基準を満たしていない。ただし、適切に修正が施された場合には基準を満たす可能性を有する。口頭試問へ進む前に学位論文の再審査が必要である。
iii.    修士の学位の授与を検討[5.3.13.4.1 を参照] 提出された論文は、博士の学位論文にふさわしい内容ではない。ただし、修士の学位が授与される要件は満たしている。
iv.    不合格

学外審査員は、口頭試問の 7 日前までに研究科オフィスを通して、学位論文審査パネルの議長に両勧告を含め報告書を提出し、議長は勧告を検討します。議長は、必要があると判断した場合、該当分野の知識を有する他の本学教員に対し、学位論文の研究に関する助言を公式に求めることがあります。

両学外審査員が(i)を勧告した場合、学生は口頭試問へと進みます。

1 名以上の学外審査員が(ii)、(iii)、若しくは(iv)を勧告した場合、議長は学位論文審査パネルによる遠隔会議を招集します。学位論文審査パネルによる勧告は両学外審査員による勧告と共にカリキュラム・審査委員会に提出されます。その後カリキュラム・審査委員会が上記のいずれかの判定を下します。

保留の勧告の場合、学位論文の修正が終わり次第、再審査されなければなりません。その後、学外審査員は以下のいずれかの勧告を行います。

i  口頭試問へ進む
ii  修士の学位の授与を検討(PRP 5.3.13.4.1 を参照)
iii  不合格

いずれの場合も、口頭試問が終了するまで、審査員の報告内容は議長により留め置かれ、PRP  5.3.13.5  に概説されている手順で学生に通知されます。

5.3.13.4.1   修士の学位授与による退学(「博士論文審査の結果としての修士の学位の授与」)

博士の学位授与の要件を満たさなかった学生は、学位論文審査パネルの推薦に基づき修士の学位が授与される場合があります。ただし、 PRP 5.3.13.7  で規定されている必要要件を満たしている場合に限ります。
学生には、両学外審査員による勧告・報告の内容が、準備が整い次第知らされます。

5.3.13.5.     口頭試問 

口頭試問には、審査員全員の参加が求められます。口頭試問の日時に、沖縄に居合わせることのできない審査員がいる場合、研究科長は、該当審査員が遠隔会議により参加することを例外として一人まで認めることができます。

審査は、次の2部で構成されます。

公開発表。学位論文研究に関する 45 分間の発表と 10 分間の質疑応答が行われます。学外審査員は聴衆の一員として臨席します。ただし、この時点で質問を行ったり、審査を始めたりしないものとします。

口頭試問。研究発表の直後に、学生と審査パネルは、最大 2 時間を超えない口頭試問を非公開で行います。研究指導教員と論文指導委員会の他の構成員は傍聴者として口頭試問に立ち会うことはできますが、審査に参加することはできません。

i  合格
ii  修正条件付合格
iii  保留
iv  修士の学位の授与を検討(PRP 5.3.13.4.1 を参照)
v  不合格

「合格」の場合、研究科長によって結果が告知され、学生は研究論文の最終稿を研究科オフィスに提出しなければなりません。

「修正条件付合格」の場合、修正箇所を指摘した報告が作成されます。修正の指摘は審査員による報告を引用する場合もあります。必要な修正箇所は研究科長より学生に伝えられます。学生から修正稿が提出されると、学位論文審査パネルの議長は最終稿として受理するか、若しくは、更に修正が必要な場合には差し戻しを行います。必要に応じて、議長は学外審査委員に修正稿の評価を求めることができます。最終稿が合格と認められた場合、研究科長によって結果が告知され、学生は研究論文の最終稿を電子文書として研究科オフィスに提出しなければなりません。提出された最終稿は、本学の機関リポジトリに後日掲載されます。学生は 、論文の最終稿が研究科オフィスに受領され、それが提出されるまでは、本学に留まる必要があります。

「保留」の場合、保留の勧告に至った理由及び必要な修正内容が報告書に明記され、カリキュラム・審査委員会は、学生の修正及び再審査に向けた予定について確認します。可能な限り、前回と同じ審査員が学位論文と口頭試問の再審査を行います。

「修士の学位の授与を検討」又は「不合格」の場合、結果の理由をまとめた報告がカリキュラム・審査委員会に付託されます。カリキュラム・審査委員会は、修士の学位授与[5.3.13.4.1 を参照]若しくは不合格を決定します。

論文審査に不合格となった学生は、異議を申し立てることができます。異議申し立ての手続きについては、PRP 5.3.11.8 に規定されています。

 

5.3.13.6.    公開発表
審査プロセスにおいて、学位論文の公開口頭試問は求められません。プロフェッショナルディベロップメントの一環として、学生は本学コミュニティーに対し研究の最終発表を行うことが求められます。ただし、この発表は審査の一環ではありません。

5.3.13.7 修了要件の概要
本学で博士の学位を取得し、博士課程を修了するためには、学生は正規の学生として学則第35条に定める修業年限以上在学し、以下の修了要件を満たす必要があります。 

i. 30単位以上(修士の学位保持者の場合は、20単位以上)を修得していること 
ii.    博士論文を提出していること 
iii.    学位論文審査に合格していること 

学生の学業成績には、研究指導教員の氏名が記録され、論文指導委員会の構成員の氏名は別途記載されます。 

博士の学位の授与に必要な要件を満たさなかった学生については、以下の修了要件を満たしている場合、修士の学位の授与が検討されます。 
•    30単位以上を履修していること 
•    学生が独自の研究について述べた論文を提出し、その論文が学内外の審査員によって修士の学位の授与に値すると判断された場合。

5.3.13.8  異議申立ての手続き  
異議申立てについては、5.3.11.8.に定められた過程に準じます。

 

5.3.14. 表彰

本学は表彰に値する者を表彰することができます。

 

5.3.15. 修了

5.3.15.1 学位の授与

カリキュラム・審査委員会は事務局を通して、学位論文を電子媒体で受領後、教授会に当該学生への学位の授与を推挙します。学位授与の推挙は電子的に行われます。3就業日以内に異議の申し立てがない場合、推挙は異議なく教授会にて承認されたものとみなされます。考慮すべき妥当な異議申立てがあった場合、事案は次回の教授会の会議の議題に加えられ、その旨が学生及び論文指導委員会に通達されます。研究科長は異議の性質を吟味のうえ、教授会に対する提案をまとめます。

教授会が推挙を承認した後、教授会の議事録に、推挙された学生の氏名、学位授与日、論文題目が記録されます。学生の学籍簿は教授会が承認をした月の月末までに更新するものとし、全ての学位授与条件が満たされ、学位が授与された旨が記載されます。学籍簿には日付、論文題目、研究指導教員の氏名、及び他の論文指導委員会委員の氏名を記録します。

学生各々には学籍簿が更新された時点で学位の授与が通達され、次回の学位授与式において学位記が授与(欠席にての授与も可)される旨が通知されます。学位記は、学位授与式において学長から授与されます

(PRP5.3.15.2 を参照)。学位授与式を欠席にて修了するという選択をした学生に対しては、学位授与式後に学位記が送付されます。学位記の様式は、様式第1号(博士の学位)及び様式第2号(修士の学位)のとおりとします。学生からの希望を受け、学位授与証明書が発行されます。

博士の学位授与日から3か月以内に、文部科学大臣に報告するとともに、その論文の内容の要旨及び論文審査の要旨をインターネットに公表するものとします。

博士の学位授与後1年以内に、当該博士の学位の授与に係る論文の全文を、本学の指定する方法により公表するものとします。ただし、当該博士の学位を授与される前にすでに公表されている場合はこの限りではありません。また、全文の公表ができないやむを得ない理由がある場合には、研究指導教員の承認を得、当該博士の学位の授与に係る論文の全文に代えて、その内容を要約したものが公表されます。この場合において、本学は、求めに応じて当該論文の全文を図書館内にて紙媒体で閲覧に供します。知的財産権保護やその他の理由で必要が認められた場合、閲覧者に対し秘密保持への同意を求めます。研究科長が、全文の公表ができないやむを得ない理由が消滅したと判断した場合には、当該博士の学位の授与に係る論文の全文を本学の指定する方法により公表するものとします。

5.3.15.2   名誉博士

5.3.15.2.1 基本方針
本学における名誉博士の称号は、学術文化の発展に寄与した功績が顕著かつ永続的である者、又は社会生活の質の向上に寄与した功績が顕著である者のうち、本学と実質的な関係を有する者、又は本学に対して既に重大な影響を及ぼす功績を残した者に対して授与されます。被授与者の選定は一機関としての本学の価値観を反映するため、被授与者は人格識見ともに優れた者であることが重要です。名誉博士の称号は、本学キャンパスで行われる学位授与式において本人に直接授与されます。被授与者が学位授与式を欠席する場合、当該称号の授与は行われない可能性があります。

5.3.15.2.2 授与する学位
​名誉博士

5.3.15.2.3 指名及び選抜手続き

本学のコミュニティーの一員であれば、名誉博士称号被授与者の候補者の指名又は提案は、名誉博士審査委員会(以下「審査委員会」という。)の議長宛てに直接行うことができます。指名内容は通常、学位授与式の 3 か月前までに審査委員会により審議されます。

指名された名誉博士称号被授与者の候補者は、名誉博士審査委員会の審議を経て、学長に推薦されます。当該候補者の指名は、 Honorary  Degree  Nomination  Form[link]を用いて行われます。指名が支持され、学長が承認し、更に当該候補者が承諾した場合、次回の学位授与式において名誉博士の称号が授与されます。

5.3.15.2.4 名誉博士審査委員会
審査委員会は、議長を務めるプロボスト、教員担当学監、研究科長、研究担当ディーン及び教授会議長で構成されます。審査委員会の任務は、名誉博士称号被授与者の候補者を審査し、書面にて学長宛てに推薦することです。学長は審査委員会の推薦内容を勘案し、名誉博士称号被授与者を決定します。

5.3.15.2.5 機密保持
指名手続きの開始時点から、学長により被授与者が決定し学位授与式への招待がなされる時点まで、被授与者に係る情報について高いレベルでの機密保持が重要です。

5.3.15.2.6 指名様式
候補者の指名は専用様式[link]により行い、以下の内容を含めることとします。

(i) 名誉博士の称号授与の理由を示す紹介文等を含む根拠書類
(ii) 候補者として指名される者の経歴書
(iii) 候補者として指名される者の最も重要な学術的業績又はその他業績の概要
(iv) 候補者として指名される者の国際的地位に関する評価
(v) 本学と関係のある団体(該当しない場合は、本学と価値観を共有する団体)
(vi) 指名者が審査委員会に注目を促したいその他の情報。必要に応じ、候補者として指名される者による公表された著作物の詳細を示す添付書類

5.3.15.3  学位授与式
本学は、毎年学位授与式を開催します。学位授与式には、前年1年間に修了要件を満たした博士課程修了生全員が招待されます。学長は、本学教員の列席の下、式典に出席する修了生に対して学位記を授与します。学位授与式に出席しない修了生については、式典の中で名前が読み上げられ、後日、学位記が本人に郵送されます。

本学の式服は、赤い縁取り及び白いパイピングが入った黒いガウン並びに黒いベルベットの帽子及びタッセルで構成されています。学位授与式において、博士課程修了生は本学のガウン及び帽子を着用し、式典中に授けられるフードにてその学績を称えられます。式服には、教員、学生及び修了生に対する貸出用及び購入用があり、本学研究科により準備されます。式服の貸出料金にはクリーニング等の費用が含まれており、購入料金には式服制作に要した費用が反映されています。希望により、修了生は、学位授与式では式服を借り、後日購入することも可能です。ただし、学外での使用を目的とした式服の貸出には対応しません。

本学研究科は、学位授与式に出席する修了生に対し、本学の旅費規定に基づいて、渡航費を負担します。また、学位授与式に出席する修了生及びその家族に対しては、本学シーサイドハウスのゲストルームが利用可能である場合に限り、これを宿泊先として利用する費用を負担します。

 

5.3.16. プロフェッショナル・ディベロップメント

5.3.16.1.  キャリア開発支援
教務セクションに専任のキャリア・ディベロップメント・コーディネーターを置きます。キャリア・ディベロップメント・コーディネーターは、学生自身のキャリアに関する相談に加えて、職務経歴書・履歴書の作成や仕事・キャリア探索などの支援を提供します。

5.3.16.2. ティーチング・アシスタント
本学は、正規の博士課程学生および特別研究学生に、ティーチング・アシスタントとして経験を積み、技術を磨く機会を設けています。ティーチング・アシスタントとして、下記の様々な教育活動へ貢献することができます。

1.       本学博士課程の授業の補助。ティーチング・アシスタントは、教員の指導のもと、ラボでの実験・実習、個別指導、資料の準備といった活動に貢献できます。所定の授業時間中、ティーチング・アシスタントは、本学の教員から、指導と品質の確認を得ることが期待されますが、教員の代理として教えることはできません。当該授業のティーチング・アシスタントの選考は、授業を担当している教員によりなされます。

2.       本学主催の国際ワークショップ及びコース並びに本学学生のための予備コースや補講におけるチューターとしての活動。ティーチング・アシスタントの選考は、ワークショップやコースを主催している教員によりなされます。

3.       オープンキャンパス、学校訪問、こども科学教室等のアウトリーチ活動への貢献。ティーチング・アシスタントの選考は、アウトリーチ活動のワークショップやコースの主催者によりなされます。

4.       大学間協定による他大学での教育活動補助。ティーチング・アシスタントの選考は、当該大学と協議の上、本学研究科によりなされます。

5.       その他本学が主催する教育活動の補助。

教育指導経験は、アカデミックな経歴を築きあげる上で重要です。各学生のティーチング・アシスタントとしての活動記録は、本学研究科が保存します。教育指導経験に関する記録は、プロフェッショナル・ディベロップメント科目の履修中に提出します。

ティーチング・アシスタントには、資料を熟読し、授業の背景について必要な教育活動の準備を十分に行うことが期待され、資料の準備が求められる場合もあります。さらに、プロフェッショナル・ディベロップメントの授業で提供されるトレーニングへの出席も期待されます。博士課程初期の授業履修を妨げないようにするため、ティーチング・アシスタントの任命は通常、研究計画書の口頭試問に合格した後に行われます。

ティーチング・アシスタントを希望する学生は、応募する前に、担当指導教員若しくは教育活動の主催者と相談しつつ、ティーチング・アシスタント申込書を学生支援セクションへ提出します。個々の学生が携わるティーチング・アシスタントとしての活動の記録のため、この申込書の提出は必須です。申込書には、ティーチング・アシスタントとして従事する時間の詳細と指導教員による署名が必要です。経歴書も添付するものとします。

すでに別の経済的支援を得ている学生のティーチング・アシスタント業務は、基本的に無報酬です。例外的な扱いに必要な事項については、別途定めるものとします。

 

5.3.17.  休暇と休業日

研究科での研究は複数の学期にわたって続く年間を通じた活動ととらえられています。沖縄を離れることや、授業科目の履修を中断することを希望する学生、又は休暇を取ることを考えている学生は、休暇申請書を提出しなければなりません。休暇には、年次休暇、スタディ・リーブ、ノン・スタディ・リーブ、及び特別休暇の4つの種類があります。

5.3.17.1 年次休暇

大学の定める休業日(5.3.17.5.)に加え、学生は、新学年毎に20日の年次休暇が与えられます。入学日が異なる場合は、入学日からの期間によって比例按分した日数、また、全在学期間が1年未満の場合は10日が与えられます。その後、新学年の開始毎に20日の年次休暇が与えられます。授業科目を履修中の学生は、年次休暇を学期と学期の間の定められた休みの期間に取らなければなりません。学期中の年次休暇取得は通常認められません。論文研究活動中の学生は、年次休暇取得に研究指導教員(特別研究学生の場合は、本学の研究指導教員)の承認が必要で、学期中に取ることができます。当該年次に新たに付与され、取得されなかった年次休暇は翌年次に繰り越されます。繰り越された年次休暇は、翌年時に新たに付与される年次休暇に先立って取得されるものとします。

5.3.17.2 スタディ・リーブ

学生は、沖縄県外の研究施設において認定されたコースを受講することを目的として、スタディ・リーブが与えられることがあります。また、本学が正式な交換協定を結んでいる沖縄県外の提携機関に限り、そこで研究を行おうとする場合も、スタディ・リーブが与えられることがあります。スタディ・リーブとして認められた期間は修業年限として扱われます。沖縄県外での会議、サマースクール及びワークショップへの参加、並びに、フィールドワークは通常スタディ・リーブと見なされず、出張の扱いになります。

5.3.17.3 ノン・スタディ・リーブ(休学)

個人的理由、健康上の理由またはその他の理由で学業から完全に離れる時間を取るよう勧告があった場合には、学生はノン・スタディ・リーブ(休学)を取ることができ、又は取ることを求められることがあります。どのような状況でも、このカテゴリーの休学は、修業年限全体に対し、連続または合計で2年を超えて取ることはできません。ノン・スタディ・リーブ(休学)を取ると、修業年限はその休学の期間の分、延長されます。

5.3.17.4 特別休暇

学生は、研究科オフィスの承認を得て、様々な特別休暇を取得することができます。特別休暇の理由、期間は次の表のとおりです。

 

 

休暇の種類

理由

期間

1

病気休暇

負傷、又は疾病にかかったことにより勤務することが出来ない場合。3日以上連続し取得する場合は、医師の診断書が必要。6日間を超えて延長する場合は、承認を得て、ノン・スタディ・リーブとする。

2日-6日間

2

結婚

  • 本人

5日間

2日間

  • 兄弟

1日

3

葬儀

  • 親、配偶者、子

7日間

  • 祖父母、兄弟、配偶者の親

5日間

  • 上記以外の三親等以内の他の親族

3日間

4

出産

学生は出産前、出産後に、履修授業の軽減などの特別待遇措置が受けられます。PRP 5.3.18 妊娠・出産・育児支援に関する基本方針を参照

2学期間

5

配偶者の出産

学生は出産前、出産後に、履修授業の軽減などの特別待遇措置が受けられます。PRP 5.3.18 妊娠・出産・育児支援に関する基本方針を参照

2学期間

  • 妻の出産

3日間

  • 妻が8週間以内に出産を予定し(多胎妊娠の場合は14週間)又は産後6週間を経過していない場合であって、新生児又はその他の小学校入学前の子の養育をする必要がある場合

5日間

6

子の看護休暇

小学校入学前の子が疾病にかかり、又は負傷した場合で、当該子の世話をする必要がある場合、又は、予防接種又は健康診断を受けさせる場合

 

子1人につき1年に5日間(2人以上の子がある場合は10日間まで)

7

介護休暇

要介護家族の介護が必要なとき

要介護家族1人につき1年に5日間(2人以上の要介護家族があるときは10日間まで)

8

裁判員

裁判員又は補充裁判員を務めるとき、又は裁判員候補者となるとき

必要な日数

9

骨髄移植ドナー

骨髄移植のドナーとして登録の申出を行い、又は、家族(配偶者、父母、子、又は兄弟姉妹)以外の者に骨髄液を提供する場合、当該申出又は提供に伴い、必要な検査、入院等をするとき

必要な日数

  

5.3.17.5 休業日

休業日は、次のとおりとします。

i.日曜日及び土曜日

ii.国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に定める休日

iii. 年末年始(12月29日から翌年の1月3日まで)

iv. 学長は、必要があると認めるときは、臨時の休業日を定めることができます。

 

5.3.18. 妊娠・出産・育児支援に関する基本方針

沖縄科学技術大学院大学は、多様性を尊重し、仕事と家庭の両立を支援しています。本学は、学生の妊娠、出産、育児に関わる様々なニーズに応える必要があることを認識しています。本学は、女性が大学院教育を受けることを奨励し、大学院在学中に出産しようとする女性を支援します。加えて、新生児の育児を手伝おうとするパートナーや、養子を受け入れる両親、里親になること等に関して、様々な要望があることについても認識しています。本基本方針は、大学院在学中における家庭生活をサポートし、これらのニーズに応えるための一連の措置を示すものです。

これらの措置は、母親が、出産の前後を通じて、登録されたフルタイムの学生としての資格を維持し、クラスワークや研究活動にスムーズに完全な形で復帰できるように設計されています。また、その新生児の育児にたずさわるパートナー、養父母、里親に対する支援にも配慮した内容となっています。

本基本方針は、アカデミック・メンター、研究指導教員、コースコーディネーターが善意で行なう、ニューファミリーのニーズに応えるための、対象学生とのコミュニケーションや協力関係に取って代わるものではなく、これらを補完することを意図しています。そのような協力関係の重要性を高め、必要なサポートを提供し便宜をはかることが、本基本方針の趣旨です。教員は、学生の出産、養子縁組、里親になることに関する判断を理由に、当該学生に対する研究指導を中断してはなりません。

本基本方針による定めの概要
本基本方針は、以下の4つで構成されています。
(1) 出産の前後、連続した2学期間を上限とする学業支援期間。この期間中、学生は、コース履修課題、試験、その他学業上の義務を延期できるものとします。
(2) 学業支援期間中は、学生(院生)としての正規登録が継続され、本学の各種設備や居住施設を引き続き利用できます。
(3) 学業支援期間中は、経済的支援をそのまま完全な形で享受できます。
(4) 常勤職員を対象とした産前・産後休業の規定により、リサーチ・アシスタントとして、以下のとおり通常の職務に対する休暇を取ることができます。
 

産前休業:6週間以内に出産が予定されるリサーチ・アシスタント(多胎妊娠の場合は14週間)は、産前休業を取得することができます。実際の出産が予定日よりも遅かった場合には、追加日数も産前休業に含まれます。

産後休業:出産後8週間を経過していないリサーチ・アシスタントは、産後休業を取得することができます。この期間、本学は当該職員を働かせることはできません。ただし、当該職員からの請求により、医師が支障がないと認めた業務に就くことができます。

資格
本基本方針は、出産、養子縁組、代理母による分娩が予定されている、又はその過程にある、登録済みの本学の学生に適用されます。
 
ひと組の男女学生が新生児の養育を分担し、かつ、子供の父親又は母親のパートナーが乳児の世話を主にする場合、学業支援期間は、子供の父親又は当該パートナーに対して認めることができます。
 

学業支援期間は、養子縁組を行なった両親、里子を受入れた両親、代理母により実子の出産に至った両親にも、拡大して適用されます。

学業支援期間のスケジューリング
出産を予定している学生は、学業支援期間のスケジューリングを行うため、出産予定日の少なくとも4か月前までに、アカデミック・メンター及び研究科長との話し合いを開始しなければなりません。この話し合いでは、出産と、それに伴う学業上の義務の延期により影響を受ける、学業に関する事項(出席状況、ラボ・ローテーション、試験、研究計画書作成、その他学業に関する課題)について、スケジュールを定めるものとします。

論文研究にたずさわっている学生は、出産前に余裕をもって研究指導教員との話し合いを持つことが、きわめて重要です。コース履修や学業支援期間前後における自己の教育、研究、専門能力開発等の様々な活動について、教員や大学院側と必要な処置を講ずることは、学生の自身の責任となっています。

本基本方針の目的の一つは、女性が正規の学生としての資格を維持できるようにすることです。正規の学生としての資格を維持することにより、外国人学生の在留資格はそのまま利用できます。学業の進捗、在留資格、経済的支援に対する影響について十分確認するために、慎重に話し合いを行わなければなりません。学業支援期間の申請を行なう際に、学生はオプションとして、最長で2学期間にわたるパートタイム修学の申請を行なうことができます。パートタイム修学の申請が承認された場合でも、学生は、本基本方針の全ての特典を享受できることになります。このパートタイム修学の申請とは別に、母親又は新生児に重大な医療上の問題が生じた場合、女性の学生には、問題が解決するまで本基本方針による学業支援期間を延長できる資格があります。

居住要件
学生は、沖縄に居住し、当該妊婦若しくは母親と新生児が健康である場合には、たとえレベルを下げてでも、クラスワークや研究活動に従事することが期待されています。
 
居住していない学生に対する本基本方針
学生は、アカデミック・プログラムを離れて休暇を取り、期間を定めて宿舎を離れるという選択もできます。その場合、ノン・スタディ・リーブ(休学)の規定(PRP 5.3.17.3)に従い、出産の前後の連続した2学期を上限として、一定期間のノン・スタディ・リーブ(休学)が認められます。学生は、ノン・スタディ・リーブ(休学)期間中のコース履修課題、試験、その他学業上の義務を延期し、その期間分の在学期間を延長することができます。本学の各種設備や居住施設を引き続き利用できる、学生としての登録は、ノン・スタディ・リーブ(休学)期間中も継続されます。経済的支援は、産前・産後休業の規定に詳述されている、常勤職員の産前休業及び産後休業の規定に従って行われます。
 
学業支援期間の申請
出産を予定しているか、出産した学生は、出産前後の連続した2学期を上限として、学業支援期間を正式に申請することができます。この学業支援期間は、大学の責務から離れる、休暇となるわけではありません。
 
本基本方針は、申請手続きに従い、研究科長のオフィスによって管理されます。当該申請において、学生は、連続した2学期を上限とした学業支援期間の開始日と終了日とを明記します。当該申請には、出産予定日を明記した、学生の主治医のレターを添付しなければなりません。申請前に出産となった場合、当該支援期間は、出産日から開始されるものとします。
 

研究科長のオフィスは、学業支援期間が承認されたことを、それに関連する日付と共に、当該学生、そのアカデミック・メンター、大学の関連部署に通知します。

学業支援期間中及びその後
経済的支援
学生から申請書が提出されると、研究科長のオフィスは、申請が承認された学生に対する、リサーチ・アシスタントとしての経済的支援に関し、何ら変更がないことを保証します。
 

本学以外のフェローシップ機関から援助を受けている学生は、学業及び研究職務から離れることに関する当該機関の規則を遵守しなければなりません。そのような外部機関がフェローシップ支援の中断を求めている場合は、臨時的なリサーチ・アシスタント契約を締結し、本学から代替的な経済的支援を受ける資格があります。

期間
学生、アカデミック・メンター、研究指導教員(該当する場合)は、支援期間終了後直ちに通常のリサーチ・アシスタント業務に戻るのは難しいことを理解しなければなりません。その場合、現場職務の内容を制限する措置を講じなければなりません。これらについては、学生のニーズを念頭に置いて、デリケートな案件として対処する必要があります。直ちに通常業務に戻ることが難しい場合、学生は、アカデミック・メンター、研究指導教員、研究科長と、支援期間以降の継続的サポートの手配について協議しなければなりません。
 
学業支援期間の最長期間は、連続した2学期間となっています。出産に関し現存する諸事情により、この期間制限を延長する必要がある場合、その事情に応じて別の休暇規定を適用することがあります。そのような場合、対象となる学生は、措置が講じられるよう、研究科長に可能な限り速やかに状況を説明しなければなりません。
 
コースワーク及び研究活動
学業支援期間が承認された場合、履修課題その他のクラスワーク、また研究関連課題についても、それぞれ締切日が自動的に延長されます。教員は、学生が復帰した場合に、当該学生と協力して、課題を完了させるための成果提出に向けて、何らかの措置を講ずることが期待されています。
 
チャイルド・デベロップメント・センターの利用
学生がキャンパス内で保育と早期教育サービスを利用するには、チャイルド・デベロップメント・センターの待機リストに、可能な限り早期に登録しておくことが強く推奨されます。
 
補足事項
本基本方針は、出産を予定しているか、あるいは新生児や養子として迎えられた幼児の世話を主として担当する学生のための支援について、最低限の 内容を定めたものです。アカデミック・メンター、教員、研究科の部署は、学生の特別な事情を考慮し、この最低限のレベル以上のサービスを提供するために、適切に配慮し柔軟に対応することが期待されています。例えば、研究の一環として有毒化学物質を使用する作業やフィールドワークに従事する女性の場合、妊娠の全期間を通じて、また授乳期間において、何らかの支援が必要となる可能性があります。幼児の世話は、時間もかかり、睡眠も十分に取れない状況となるため、指導者としては、研究の進捗状況について現実的な見通しを立てる必要があります。新たに子供を迎えた親としては、指導者とのコミュニケーションを常に取り続け、出産前と比べてペースは落ちているものの、学業に対する意欲に変わりはなく、コースワークや研究も進めていることを指導者に示す必要があります。言い換えれば、この本基本方針は、本学における、学生、メンター、研究指導教員らの相互関係の特徴となる、自由なコミュニケーションと善意をサポートするものであり、これらに取って代わることを意図したものではありません。

 

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